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【転載記事/韓国情勢】尹錫悦大統領の戒厳令その後

2024-12-06 22:10:20 | その他(海外・日本と世界の関係)

韓国情勢をめぐって、信じられない情報が入ってきました。この情報が事実であれば、事態は尹錫悦大統領主導の軍事クーデターです。李泳采・恵泉女学院大学(日韓・日朝関係論)による解説です。なお、引用に当たり、読みにくいため適宜、改行を入れました。

NPA-TV緊急速報【韓国情勢】尹錫悦大統領の戒厳令その後

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尹大統領による「内乱」「親衛クーデター」は3日目(6日)になって少しずつ全貌が明らかになってきています。

特殊軍隊を国会に280名、選挙管理委員会に270名などを派遣し、李在明民主党代表、韓東勲与党代表、ウウォンシキ国会議長など80名の政治家や社会著名人の逮捕者名簿、彼らの収用刑務所まで決まっていたことが明らかになりました。国会に派遣されていた、707特殊部隊は、北朝鮮首脳部を斬首することを特別目的とする韓国軍隊最高精鋭部隊でした。

戒厳司令官も知らない布告文1号は、政治家、市民運動、メディア、労働運動などすべてを、親共、反乱勢力と断定し、逮捕、「処断」すると書いてありました。何より、自分の国民を「処断」の対象として見ている、一国の大統領が考え得るものとは到底信じられない内容でした。

言論社の『JTBC』『MBC』、150万のサポーター持つYOUTUBE『ニュース工場』、その市民世論調査機関「花」、そしてその代表である金オジュンなどメディアへの逮捕組が事務所にまで駆け付けました。緻密に作られていたこの親衛クーデターの企画は、思った以上に早く、またより多くの市民が国会に集まったこと、議員たちがたまたまソウル市内の近くでイベントがあり早期に集まれたこと、などにより「奇跡的」にクーデターを短時間のうちに失敗に追い込むことができました。

しかし、首謀者尹大統領をふくめて、軍、警察、検察、政府の内乱首謀者たちがそのまま席に留まりながら、証拠隠滅と、明日の弾劾投票の前に今晩「第2のクーデター」を企画しているという噂まで広がっています。クーデターは終わったのでなく、始まりにすぎなかったことがこの二日間で明らかになりました。

国会が戒厳軍に占領されていたら、ただちに政治犯らの逮捕、そして流血騒ぎになることは予想されていました。負傷者たちを運んで隠ぺいするための軍の病院施設も用意されていました。

クーデター失敗の4日、6野党は国会で「尹大統領退陣」を求める集会を開き、翌日の5日夜、「尹大統領弾劾案」を上程しました。7日の夜7時にその議決投票が行われます。その投票を阻止すべく、もう一回総力戦で戒厳令を実施するという大統領側の内部告発などの情報が、今民主党に伝わっています。今晩(6日の夜)韓国は国会を守ること、明日(7日、土)は、全国民がキャンドルデモで「弾劾投票」の死守、「尹大統領の緊急逮捕」を求めて全国から集まることとなっています。

アメリカの国務省はすぐに声明を出し、尹大統領に「戒厳令」解除への圧力をかけました。無謀で間違っているという指摘でした。ヨーロッパでも、台湾でも連帯する議員などの声明発表がありました。日本政府はそれほど親しい尹大統領であれば、もっと何かを言える立場だと思いますが、沈黙を維持しているのは「クーデター」を支持している、という意味でしょうか。日本の国会議員が尹大統領へ圧力をかける声明を出すことを期待するのは無理なのでしょうか。

3日間、一睡もせず、ニュースを検索し、海外学者の署名を呼び掛けて、情報分析をしていました。私だけでなく、国内外の多くの人々が、眠れない毎日を祈りながら過ごしています。40年間闘い、今日に至るまで多くの若者や民衆が犠牲になってきた韓国。80年5月光州虐殺、87年6月民主化大抗争を経て、創り上げてきた民主主義の遺産、21世紀経済第10位の大国、文化強国、IT先進国のこの国で、ここまで築いてきた国のあり方や民主主主義を、一握りにもならない権力を持った一人が、またもや40年前のように軍隊を出して権力を維持しようとしていること、この国のすべてを壊そうとしているこの姿は信じられません。悲しい現実を悲しいと感じる暇もなく、次々と明らかになってくるクーデターの全貌に唖然としているだけです。

昨夜ソウル大学で、70年戒厳令の時代のように、何十年ぶりかで1万名の学生集会がありました。全国で1カ月間1万名以上の教授や研修者たちが尹大統領退陣の声明を出しました。海外での学者や同胞たちの連帯運動も広がっています。国民がこの寒さでもキャンドルを持ち上げて「大統領弾劾可決」を訴える全国規模の集会が予定されています。

しかし、残念ながらいま、その可決の見込みはまだ不透明な状況です。危機感に包まれている与党議員たちは、自分たちの国会が武装軍人に踏みつぶされて逮捕される直前であったのにも関わらず、いまだに尹大統領を守ろうとしています。それは権力交代が起こると、自分たちの議員権力も危うくなるという恐れ、自身の保身を図りたいという気持ちの表れでしょう。クーデターの共犯勢力です。

弾劾案は、議員の2/3賛成で200票が必要ですが、野党だけでは8票が足りません。韓国社会の力だけでは、今のこの事態を止めるのは無理なようにも見えます。正気を失った子どもが銃を持って何をするかわからない「尹大統領」の現状は「殺人武器」でしかありません。

韓国の今回のクーデターは、法制度のなかで、緊急条項という権力者の特殊権限を利用して、議会と言論を止めるクーデターです。アメリカのトランプ政権でも、日本など世界のどの民主主義国家でも活用できる新しいタイプのクーデターです。このタイプを許してしまうと、どの国でもその悲劇が起き得ます。韓国でこれを認めるわけにはいかない、という責任感もあります。

> 韓国が「反日国へ回帰」
> 左翼による国会制圧に対する尹大統領の対応としての戒厳令
> 日本も緊急条項を検討すべき
> 韓野党の左翼政権になると親北となり、日米韓の安保に亀裂
> 日本の安全保障はまたも危険
  
といった日本のメディアの論調をみていると、絶望感が先になりますが、韓国市民社会へ連帯する日本市民の皆さんの声は、大きな力と日本政府への圧力にもなると思います。

メディア報道への抗議と、尹政権への批判は力にもなり、日本を“大好きな”韓国「国民の力」保議議員たちへの圧力にもなると思います。どの国でも独裁者や、民主主義を破壊し権力を維持しようとする人に対し、民主主義を標榜している日本国としては、反対を表明すべきだと思います。

政治政党は権力を獲得するための活動ですが、それは憲法や民主主義ルールの上で自由競争をすることを意味しています。そのルールを破壊しながら権力を維持していく人を、いくら日韓友好関係を作った親しい友人だと言っても認めることはできないでしょう。それは自分の民主主義への理解、品格を見せるものではないでしょうか。NPAの皆さんにも、連帯を呼びかけます。宣伝に協力してください。あすは、「歴史的な日」になると思います。

いつもいたその場にいることが出来ない自分が悔しいですが、今自分がいる立場でできることを頑張ります。思いのまま書きつづりましたが、いつもの「ヨン様」の心情で声をあげさせていただきました。引き続きよろしくお願いします。
 
新時代アジアピースアカデミー(NPA)
シェア・拡散大歓迎


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【転載記事】「日韓和解と平和プラットフォーム」が会見、韓国市民への緊急連帯声明

2024-12-06 19:03:22 | その他(海外・日本と世界の関係)

引き続き緊迫が続く韓国情勢です。レイバーネット日本の記事を転載します。写真は省略していますので、見たい方はリンク先に飛んでください。

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「日韓和解と平和プラットフォーム」が会見、韓国市民への緊急連帯声明

 12月5日「日韓和解と平和プラットフォーム」の記者会見があり、「尹錫悦政権の「戒厳令」措置の暴挙に抗議する韓国市民への緊急連帯声明」が発表されました。(下に全文掲載)

 いきなりの尹錫悦政権の「戒厳令」発令に対し、多くの市民が国会に駆けつけて抗議し、国会議員により解除要求が決議されました。

 来年2025年は、日韓基本条約締結60年、日本の敗戦80年と韓国・朝鮮の解放80年です。11月14日~16日、日本で行われた準備会議に参加する予定だった日韓プラットフォーム韓国側代表が、韓国からの出国を拒否されました。戒厳令の前兆でもあったのかと話されていました。

 韓国の戒厳令、80年代はいきなり銃撃でした。民主労総慶南地域本部の本部長キム・ウニョンさんはメールでこのように伝えています。

 「韓国は今大変です。おそらくニュースなどで知っているでしょうが…。尹錫悦の非常戒厳令により、ものすごい状態です。正直、労組の幹部や活動家は皆逮捕されるんじゃないか、殺されるんじゃないか、とまで思いました。民主労総では一度事務所で対策を話し合い、市民向けの街宣車放送を準備し、夜通しビラを準備して2千部印刷、出勤途中の人たちに手渡し緊急記者会見、ストライキ、決意大会、民主党とも一緒になった全道民(県民)時局会議など…。」

 「大丈夫です」と伝えていましたが、本当に大変だったようです。12月7日(土)には100万人規模のデモが準備されているとのこと。

 参議院議員会館で行われた記者会見には、許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さんやピースボートの野平晋作さん、総がかり行動の菱山南帆子さん、宗教者の方や日韓ネットの渡辺健樹さんなどが参加されていました。自由と民主主義のために果敢に戦う韓国の民衆に心から連帯したいと話していました。

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尹錫悦政権の「戒厳令」措置の暴挙に抗議する韓国市民への緊急連帯声明

わたしたちは日本と韓国、そして朝鮮をはじめ、東アジアの真の平和を求め、これまで日韓の市民連帯を続けてきました。

一昨日12月3日、午後10時半頃、韓国の尹錫悦大統領は緊急談話を発表しながら、政権に対する弾劾訴追をはじめとする政治家、官僚をはじめ韓国市民の抗議の声を封殺するために非常戒厳発を宣布する措置を断行しました。それに対し、韓国国会では直ちに190名全員が昨日午前1時頃、「非常戒厳令」解除要求を決議し、その結果、午前5時頃、尹錫悦政権は「非常戒厳令」の解除を発表しました。

この非常戒厳令措置に対し、大韓弁護士協会、韓国金属労働組合、韓国女性団体連合、や韓国カトリック主教会議議長、そして「ユン・ソクヨル違法戒厳令糾弾、内乱罪のユン・ソクヨル退陣 、国民主権実現のための全面的抵抗運動を宣言する全国民緊急行動」などの諸団体から抗議声明が発出され、市民運動の闘いは広がっています。

非常戒厳令宣布はおよそ6時間半後に解除されたとはいえ、尹錫悦政権はこの度の理不尽な非常戒厳令宣布措置によって憲法の保障する市民的権利を蹂躙した責任を追及する声は一層高まりつつあります。さらに国会における尹錫悦大統領に対する弾劾訴追に至るまでの事態をこれまで招いた政治責任追及の動きはこれまで以上に高揚することが予想されます。

わたしたちは今、日韓基本条約締結60年、そして日本の敗戦80年と韓国・朝鮮の解放80年となる来年2025年に向けて日本と韓国・朝鮮とが真の和解と平和の構築のために日韓市民のさらなる相互理解と連帯を深めようとしています。わたしたちは、この東アジアにおいて疑心暗鬼と敵意をあおり、いたずらに軍事拡大に暴走し、南北朝鮮と東アジアの緊張をかえって激化させる日韓両政府の軍事同盟化の道に断固反対します。

わたしたちは、憲法9条の精神を尊重し、対話による平和外交と市民の連帯こそが東アジアの平和構築の唯一最善の道と確信します。 その理念を共有する韓国市民が尹錫悦政権の失政と暴挙に対し抗議しながら退陣を要求する自由と民主主義の闘いに、私たちは熱い連帯の意志をここに表明します。

2024年12月5日
日韓和解と平和プラットフォーム日本運営委員会


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【転載記事】〔韓国進歩ネットの声明〕人権と民主主義を破壊した尹錫悦は辞任せよ

2024-12-05 21:46:55 | その他(海外・日本と世界の関係)

韓国で起きた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による「非常戒厳」発令は世界中を驚かせた。私も事態の真相はまったく見えてこないが、取り急ぎ、韓国情勢に強いレイバーネット日本の記事を転載する。

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〔韓国進歩ネットの声明〕人権と民主主義を破壊した尹錫悦は辞任せよ

小倉です。以下JCA-NETのウエッブから転載します。

(JCA-NETの前書き)
すでに多くのマスメディアが報じているように、韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による戒厳令の宣言が出され、軍が国会に派遣されるといった事態が起きました。戒厳令は、国会議員や多くの民衆が国会に結集し、軍の行動を阻止することで6時間後に解除されましたが、政治状況は流動的です。

以下に訳出したのは、韓国の進歩ネットワークの緊急声明の日本語訳(機械翻訳に若干の校正を加えたもの)です。この声明にあるように、SNSにおいても一時利用できない状態が起きました。原因は不明ですが、これまでも世界各国で現政権が危機に直面したときに、通信を遮断したり監視・規制することが繰り返されていることに私たちは留意する必要があります。また偽情報などの問題にも触れています。声明では、こうした緊急事態であるからこそコミュニケーションの権利を確保し、弾圧に備えることが大切であると訴え、デモなど抗議行動に参加する場合の注意事項やネットワーク遮断への対処などについても言及されています。是非多くの日本の皆さんにも読んでいただきたい声明です。

自民党政権は改憲のなかで「緊急事態条項」を盛り込もうとしています。それがいかに危険なことなのかを間近に知ることになりました。私たちは、今回の韓国の人々による戒厳令に抗して軍隊にもひるむことなく国会に結集した行動から多くのことを学ぶことができると感じています。多くの韓国の人々に心からの連帯を送ります。

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https://act.jinbo.net/wp/50017/

危機的状況ほど情報人権と自由なコミュニケーションのための準備が必要だ
[声明] 人権と民主主義を破壊した尹錫悦は辞任せよ

By진보넷 2024/12/04

1.昨日(12/3)、尹錫悦の突然の非常戒厳令宣言で韓国の人権と民主主義が大きな危機に陥った。幸い、国会の戒厳令解除と国会前に集まった市民の力で最悪の事態は免れた。しかし、銃を持って国会に乱入した戒厳軍の姿は私たち全員に衝撃を与えた。進歩ネットワークセンターは、反憲法的に民主主義を破壊した尹錫悦の即時退陣を要求する。国会は直ちに尹錫悦を弾劾せよ。また、国会議員の国会への出入りを遮断し市民を脅かした軍と警察にも、厳重な責任を問わなければならない。

2.私たちは昨日の戒厳令のような緊急事態が再び発生する可能性を排除できない。このような危機的状況では、市民の円滑な情報交換とコミュニケーションを保障するための万全の準備が必要である。情報へのアクセスと自由なコミュニケーションの権利は市民の基本権であり、民主主義の核心である。

3.昨日の戒厳令宣布直後、一定時間、Naver、Next Cafeなどへのアクセスができなかったり、コメント機能が停止されたのは、懸念すべき状況である。マスコミ報道によると、突然のアクセスの殺到で一時的にシステムに障害が発生したものだという。実際に単純なサービス障害だったのか、または政府のサービス遮断に対する要求があったのか、誰かのDDOS攻撃があったのか、徹底的な調査が必要である。たとえトラフィックの暴走によるサービス障害であったとしても、緊急時に公共の場として機能するシステムを運営している事業者として、NaverとKakaoはサービスの安定的な運営に対する責任を負わなければならない。

4.一方、緊急のニュースが様々なSNSや掲示板を通じて共有される中、一部虚偽の情報が含まれていた事実は私たちを懸念させる。緊急の気持ちで共有したニュースが虚偽情報である場合、意図とは関係なく、むしろ混乱を拡大し、市民の誤った判断を引き起こす可能性がある。衝撃的な情報ほど、画像検索などで画像が生成された時期や出所などを確認し、テキストで構成された情報も信頼できる根拠があるかどうかを再確認する慎重さが必要である。

5.今後、万が一再発する可能性のある危機的状況において、市民が継続的に情報にアクセスし、コミュニケーションできるように準備することも重要である。

  KakaoTalk, Telegramなど特定のアプリケーションへのアクセスが遮断された場合、VPN(例えば、無料VPNとしてVPN Protonなどがある)やTorブラウザを使用することができる。

 もし、通信網遮断のような極端な状況、または大規模な集会で通信がうまくいかない場合、Bridgefyのようなメッシュネットワーク(Mesh Network)を使用することもできる。(ただし、途中で傍受される可能性があるなど、セキュリティ面では脆弱なため、現場の判断が必要である)

6.社会運動活動家や政治家の場合、捜査機関の押収捜査に備え、自分と団体の情報を守るための準備も必要である。少なくとも事前に以下のような設定を知っておく必要がある。

不要な携帯電話のロック解除が発生しないように、指紋や顔認識などの生体認証方式の代わりに、数字パスワードなどで携帯電話のロックを解除できるように設定すること。セキュリティの脅威がある場合、つまり、集会に出る時や押収の脅威がある場合、iPhoneは「遮断モード」(Lockdown Mode)、Galaxyスマートフォンは「最大制限機能」を設定すること。

デジタルセキュリティの詳細については、進歩ネットワークセンターが緊急公開した2024デジタルセキュリティガイドを参照することができる。

7.進歩ネットワークセンターは、尹錫悦退陣にとどまらず、この危機を韓国社会の人権と民主主義を一段階前進させる機会にすることを提案する。進歩ネットワークセンターもそのためのあらゆる努力を尽くす。特に、市民の情報人権とコミュニケーションの自由を守るために積極的な役割を果たす。

2024年12月4日
進歩ネットワークセンター


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【転載記事】米大統領選 ドナルド・トランプ氏勝利/カマラ・ハリス候補敗北を受けたバーニー・サンダース上院議員声明

2024-11-10 13:21:57 | その他(海外・日本と世界の関係)

米大統領選は、共和党ドナルド・トランプ候補が民主党カマラ・ハリス候補に勝利した。開票が始まった11月6日(日本時間)のうちに結果が決まる圧勝だった。元大統領の返り咲きは132年ぶりという。

私には、この大統領選はトランプ候補の勝利というよりは、民主党バイデン政権とハリス候補の「自滅」だとの思いが強い。ハリス候補の演説や言動には中身がなく、共和党やトランプ候補への批判ばかりで、米国をどうしていきたいかのスタンスが最後まで見えなかった。

何よりも、ウクライナ、ガザの2つの戦争を終わらせる気がないどころか、無抵抗の市民を一方的に虐殺し続けるイスラエル・ネタニヤフ政権にべったりで、パレスチナ・アラブ系有権者・党員から厳しい批判を受けていたにもかかわらず、イスラエル支持の姿勢を変えなかったことは犯罪と言っていい。普段からマルクス主義者を自認している私ですら、「私が大統領に返り咲いたら、ウクライナ戦争を1週間で終わらせる」と言っているだけ、トランプ候補のほうがマシだと思うほど、ハリス候補の2つの戦争への無自覚ぶりは酷すぎたからだ。

途中までバイデン大統領が再選するつもりで予備選が終わった後、高齢批判を受けてバイデン氏が選挙戦から撤退するという経緯もあった。予備選を経ないまま大統領選に臨むことになったハリス候補を、民主党員たちが本気で応援したいと思っていたかも、最後までわからないままだった。

そんな中、米民主党内でも最左派党員集団、DSA(米国民主主義的社会主義者)に所属するバーニー・サンダース上院議員が、大統領選敗北を受けて出した声明を入手した。知人が機械翻訳(Deeple)にかけたものに若干の補整を加えたものだ。事態の本質をよく表した声明なので、全文をご紹介する。(関連記事:「労働者階級を見捨てた民主党」 サンダース氏が批判、党内に波紋(2024.11.8「毎日新聞」)

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2024年大統領選挙の結果に関するサンダースの声明

労働者階級の人びとを見捨てた民主党が労働者階級から見捨てられたことに気づくのは、さほど驚くべきことではない。最初は白人労働者階級が離れ、今やラテン系や黒人の労働者が続く。民主党指導部が現状維持に努める一方で、アメリカ国民は怒り、変化を求めている。そして彼らは正しい。

今日、超富裕層が驚くほど裕福である一方、アメリカ人の60%は給料日前に生活費が尽きる暮らしを送り、所得と富の不平等はかつてなく拡大している。信じられないことだが、平均的なアメリカ人労働者のインフレを考慮した実質週給は、実のところ50年前よりも今の方が低い。

今日、テクノロジーと労働者の生産性が爆発的に向上しているにもかかわらず、多くの若者の生活水準は両親よりも悪くなっている。そして彼らの多くは、AI(人工知能)とロボット工学によって悪い状況がさらに悪化するのではないかと心配する。
 
今日、他の国々よりもはるかに多くの資金を一人当たり支出しているにもかかわらず、わが国は今もすべての人に医療を人権として保障していない唯一の富裕国であり、処方薬の価格は群を抜いて世界最高だ。主要国の中でわが国だけが有給の家族休暇や病気休暇さえ保証できずにいる。
 
今日、大多数のアメリカ人の強い反対にもかかわらず、わが国は極右ネタニヤフ政権によるパレスチナの人びとに対する全面戦争に何十億ドルもの資金を提供し続け、何千人もの子どもたちの大規模な栄養失調や飢餓という恐るべき人道的災害を引き起こしている。
 
民主党を牛耳る大金持ちや高給取りのコンサルタントたちは、この悲惨な選挙戦から何か真の教訓を学ぶだろうか? 彼らは何千万人ものアメリカ人が経験している苦痛と政治的疎外感を理解するだろうか? 彼らは、莫大な経済力と政治力を持ちますます強力になるオリガルヒ(寡頭政治)にわれわれがどう対抗できるかについて何かアイデアを持っているだろうか? おそらくノーだろう。
 
今後数週間から数か月の間に、草の根民主主義と経済的正義に関心を持つわれわれは、きわめて真剣な政治的議論をする必要がある。引き続き注目を。


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【転載記事】なぜ、ブラジル最高裁はXを禁止したのか?/超富豪イーロン・マスクの野望

2024-09-16 23:15:26 | その他(海外・日本と世界の関係)

ブラジル最高裁、「X」のサービス停止命令 偽情報対策めぐり(BBCニュース)

現地時間8月30日(日本時間31日)、ブラジル最高裁がSNSサービスのX(旧twitter)を全面禁止する判決を出した。ブラジル国内のプロバイダー事業者にXに接続できなくなるような措置を講じるよう命じるだけでなく、アクセス禁止をかいくぐって利用した国民にも1日当たり5万レアル(今日のレートで約126.5万円)の罰金を科すという徹底的に厳しい判決だ。

ブラジル最高裁をここまで強硬な判決に走らせた背景に何があるのか。商業メディアの報道ではまったく背景がわからなかったが、ジャーナリスト印鑰智哉(いんやくともや)さんによる衝撃的な記事がレイバーネット日本に掲載されたので、転載する。これを読めば、ブラジル最高裁の判決にほとんどの人が納得するはずである。

なお、この問題は単なるICT技術の問題ではなく、背景にある広範な社会問題を含むので、「IT・PC・インターネット」カテゴリではなく「その他社会・時事」カテゴリで取り扱う。また、写真を含む記事を読みたい方は、レイバーネット日本の該当記事「なぜ、ブラジル最高裁はXを禁止したのか?/超富豪イーロン・マスクの野望」に飛んでほしい。

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なぜ、ブラジル最高裁はXを禁止したのか?〜超富豪イーロン・マスクの野望

印鑰 智哉(いんやくともや・ジャーナリスト)

 ブラジル最高裁判所がブラジルにおけるX(Twitter)社の操業を禁止し、ブラジルでのXの利用は8月30日に禁止となった。VPNを通じたアクセスも禁止され、VPNを使ってXを使えば5万レアル(今日のレートで約126.5万円)の罰金が科される。個人的にもブラジルの民衆運動の動きをXを使って追ってきたが、現在は海外に拠点のある団体を除き、投稿は止まった。今、XなどのSNSがどのような影響を社会に与えているか、改めて振り返る必要がある。

 なぜ、ブラジル最高裁はXを禁止したか? 直接的には偽情報を出し続けるアカウントの規制の要求にX側が一切応じてこなかったことで、ブラジルの法制を無視したとして禁止されることになったと報道されているが、その情報だけでは、問題の全体像は見えてこない。

 イーロン・マスクがTwitterを買収して以降、イーロン・マスクがTwitterをどのように位置づけてきたかをみるべきだろう。イーロン・マスクはブラジル政権だけでなく、隣国ボリビア政権に対してもXを使って攻撃をしかけている。

 ボリビアはイーロン・マスクが所有するテスラ社が喉から手が出るほどほしがるバッテリーの原料となるリチウムの最大の埋蔵量を持つ。ボリビア政府はその乱開発には応じようとしない。イーロン・マスクは彼の邪魔をするものは誰でも攻撃するとXに投稿している。政権が覆れば、彼は自由にボリビアからリチウムを搾り取れるからだろう。安く搾り取られて荒れ果てた荒野だけが残るというシナリオはボリビア政権もボリビアの民衆も望んではいない。

 ボリビアだけではない。ブラジルでのアマゾン破壊も止まらない。そこで威力を発揮しているのがイーロン・マスクのスターリンクだ。非合法の採掘業者がこのスターリンクを使って、アマゾンの先住民族保護地域で盗掘行為を行っている。

 南米大陸の地下資源を自由にしたいイーロン・マスク、それに対して生態系やそこで生きる人びとの権利を守る政権が彼にとっては邪魔。だからXを使って、攻撃する。でもそんなことをすればXというサービスの評判は地に落ちる。実際、Xの広告収入は激減している。イーロン・マスクにとって、Xの採算などどうでもよくて、Xは自分の他の事業の利益を拡大するための道具に過ぎない。メディアとしてのXの発展なども考えていないだろう。

 そして2023年1月に起きたブラジル連邦議会、大統領府、最高裁判所への襲撃。Xはその扇動の場となった。

 他国の民衆が選んだ大統領を、米国の一人の超富豪が倒そうとする、こんなことが人類史の中であっただろうか。

 しかし実はXだけではない。そもそもボルソナロが大統領になったのもSNSの存在を抜いては考えられない。かつて労働者党政権は貧困者対策を掲げ、飢餓ゼロを大きな政策目標に掲げた。それは長く同党が掲げていた政策であったが、政権を取ると数々の貧困者対策を打ち出し、飢餓人口が消滅して国連FAOからも表彰されるほとの成果を上げた。直接選挙で行われる大統領選挙に民衆側の大統領が選出されるまでに至ったブラジルだが、しかし、富裕層が保持する権力は強大で、富裕層からの増税などには踏み込めなかった。貧困層は生活レベルが改善したが、中間層は変わらない。その矛盾に労働者党政権への憎悪を募らせる偽の情報がWhatsAppやFacebookを通じて大量に流された。これがなければそもそもボルソナロが大統領に選出されることもなかっただろう。

 ボルソナロ前政権が生まれたのは人類の不幸だった。アマゾンの森林破壊は急ピッチで進んだ。アマゾン森林の砂漠化・サバンナ化が懸念される中、保護政策を強化しなければならない決定的な時期に、その逆に森林を破壊し、農地に転換したり、鉱山資源を採掘するという最悪の破壊行為がボルソナロ政権下で行われたのだから。この夏、アマゾンでは日本の農地の半分におよぶ森林が消失してしまったが、もしボルソナロ政権が誕生しなかったら、状況は大きく違っていただろう。ボルソナロのせいで人類の生存はさらに危険になった。

 Twitterは画期的なメディアだった。スマホ一つさえあれば情報発信ができる。ブラジルは社会的格差が大きく、特に貧困層が住むファベラは麻薬組織に牛耳られ、軍警察と麻薬組織の両方に住民は苦しめられる。僕自身、リオデジャネイロに滞在していた1990年代前半、住んでいたアパート近くで、夜通し銃撃の音が鳴り止まない夜もあった。そこで何が起きているかは報道されず、翌日の新聞で何人死んだと報道されてお終いだった。しかしTwitterの登場で、それが変わった。住民が情報発信できるようになったからだ。

 小さな市民団体がつながり、大きなうねりを作り出していく、そんな動きも地球の裏からも知ることもできた。Twitterなしにそれは不可能だった。こんな画期的なメディアが誕生したのは初めてのことだろう。

 しかし、このすばらしいメディアの命脈も長く続かなかった。市民にとっては重要でも、大企業にとって都合の悪い情報を発信することには制約が設けられる一方、市民を惑わして企業を利するアカウントは野放しになった。そしてイーロン・マスクが買収して以降はXは、よりヘイトの場となった。

 ナチスドイツは少数であったにも関わらず、あたかも自分たちが多数派であるかのように装うことでその影響力を拡大したと言われるが、このXも同様に、数少ない少数の差別者がアカウントを多数作って、マイノリティを攻撃することで、差別が当たり前であるかのようなおぞましい言論空間を作り出した。

 社会にはいつも、ヘイトに与するよりも与さない人の方が多いと思うが、ヘイトしだした人を止めようと動ける人は多くない。そんな空間ができてしまうと、多数は黙ったままになる。その結果、マイノリティはさらに孤立し、差別・ヘイトが蔓延し、ヘイトが普通という恐ろしい場へと変わっていってしまう。実際、影響され変わっていく自分の知人を見かけると、本当に暗澹たる気分にならざるをえない。

 だからこそ、このようなプラットフォーム運営者は、そのような投稿を止めさせなければならないのだが、イーロン・マスク自身がヘイト投稿を続けるのだから、X社が止めることは期待できない。

 さらに、イーロン・マスクによる技術者大量解雇でXのバグは放置され、Xのイノベーションも止まった。広告収入も激減し、Xのサービスはさらに悪化する以外ないだろう。もはやXは死んだも同様だ。

 ブラジル最高裁が全会一致でX禁止を決めたことはこうした背景を考えていけば合理的な判断であったと言えるだろう。しかし、Xで個人的な関係、さらにはビジネスを築いてきた人にとっては、それがいきなり消失するということになる。自身が築いた社会的関係を奪われた人にとっては理不尽な決定に感じられてしまう。実際、ブラジルでは半数を超える人がこの決定に不満で、この決定の提案を行ったアレシャンドレ・ジ・モライス判事が攻撃されている。その攻撃と共にまたボルソナロ一派の政治勢力が息を吹き返している。もはやこれはX社の問題を超えた政治問題になっている。

 しかし、死んだものは死んだのだ。もはやXを使い続けることには合理性がないし、正当化が困難な状況になってきている。それではどうするのか? ブラジルではこの決定後、旧Twitter社の技術者が立ち上げたBuleskyに多くの人が移行している。ブラジルだけでなく、世界の多くの市民団体もBlueskyを使い始めているようだ。

 ということで、TwitterからBlueskyへの移行を今後、今後進めることを考えたいと思っている。Twitterでしかつながっていない人たちのことを考えると、すぐに断ち切ることはできないけれども、時間をかけて移行したいと思う。


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【転載記事】飛幡祐規 パリの窓から:フランスの総選挙 予測を覆した「新人民戦線」の勝利

2024-07-11 22:23:47 | その他(海外・日本と世界の関係)
パリ在住の日本人・飛幡祐規(たかはたゆうき)さんによるレイバーネットの名物連載「パリの窓から」で、フランス総選挙が取り上げられています。左翼「新人民戦線」が第1勢力に躍り出るという予想だにしなかった結果について、現地の目でレポート。

以下、全文を転載しますが、リンク先のレイバーネットには写真も豊富にアップされています。写真を含めてご覧になりたい方は、リンク先に飛んでください。

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飛幡祐規 パリの窓から:フランスの総選挙:予測を覆した「新人民戦線」の勝利(レイバーネット日本)

 7月7日の夜、フランス各地で歓声が上がった。総選挙の決選投票の結果、すべてのメディアと世論調査の予測を覆し、左派連合の新人民戦線NFPが1位(議席数)を獲得したのだ。マクロン与党連合が2位、第1回投票で得票率1位になった国民連合RN(と保守共和党一部の共闘)は3位にとどまり、極右による政権掌握は免れた。「極右を通すな」と奮起した左派の市民の呼びかけと行動が実を結び、フランス民主主義の一大危機はしばらくのあいだ遠ざかったのだ。50年生きたフランスで最も嬉しくほっとした瞬間だった。

 577議席のうち新人民戦線は182、マクロン与党は163、極右は143、その他に保守共和党、少数派候補がいるので、最終的な力関係はまだ定かでない。前回2022年の国会でもマクロン与党は過半数をとれなかったが、今回はさらに大幅に後退し、三つの陣営のうち左派と極右が議席を伸ばした。この状況でどのような政府を組織できるのか、現時点ではわからない。

極右を阻んだ市民

 投票率は67%で近年では記録的に高い。第五共和政下(1958年以来)の最初の30年間、フランスの国民議会選挙の投票率は7〜8割に及ぶほどフランス人は政治的国民と言われてきたのだが、1980年代の末から棄権が増え続け、マクロン大統領が当選した2017年以降はなんと過半数が棄権するようになっていた。棄権の増加は、ネオリベラル経済政策が進行した時期と重なる現象である点に注目したい。左翼が保守とほとんど変わらないネオリベ政策を行うと、「右も左も変わらない、暮らしは悪くなった」「政治(家)に期待しても無駄」という政治不信と諦めが、庶民階層(労働者や低所得従業員、失業者の層)に広がるのだろう。ところが、今回の電撃総選挙の第1回投票で2割近くも投票率が増えたのには、何か変えたい(マクロン政治への拒否、制裁)という国民の意思が表されている。マクロン与党の大幅な後退は、6月9日の欧州議会選挙でも示されていた(投票率は51,5%だが近年では高い)。

 501議席がたたかわれた決選投票も高い投票率だった。左派の市民は「極右を通すな」と呼びかけ、集会を催し、これまで政治活動をしたことがなかった人たち(とりわけ若い層)が大勢、ビラ配りや戸別訪問など選挙キャンペーンに参加した(前回のコラム参照)。また、マクロン与党陣営でも、極右を脅威だと考える人たちは投票所に出向いた。前回述べたように、極右に対抗するために、国民連合が1位になった選挙区で、次点ではなく3位になった新人民戦線の候補は(決選投票を闘う権利はあるが)候補を取り下げた(全部で132人)。マクロン陣営では「極右と極左の双方を拒む」という立場から退くのを拒んだ候補もいたため、取り下げたのは82人だった。三候補者による選挙区が89に減り、二候補一騎打ちが409選挙区に増えた状況で、この戦術のおかげで極右の議席の大幅な増加が抑えられた。同時に、マクロン陣営も左派の取り下げのおかげで、多くの議席を確保できたのである(それがなければ50議席以下だったと推算されている)。

 選挙後の世論調査によると、新人民戦線の支持者は極右を阻むために、支持しないマクロン陣営の候補に72%が投票した(極右には3%)。それに対し、マクロン陣営支持者は候補者が「服従しないフランスLFI」以外のNFP候補の場合は54%(極右に15%)、LFIの候補には43%(極右に19%)が投票し、極右を阻もうという意識がより低いことがわかる。保守の共和党支持者ではさらに低く、LFI以外のNFP候補に29%(極右に34%)、LFIの候補者には26%(極右に38%)だった。つまり、左派の市民は極右を堰きとめる役割をかなり忠実に果たしたが、マクロン陣営では15〜19%が極右を選び、その割合は保守では3分の1を超え、左派より極右を選ぶ人が優勢だった。

 それにもかかわらず、マクロン陣営やメディアは早速、新人民戦線は過半数を取ったわけではないから政府を任せるわけにはいかないというシナリオを展開している。NFPの右派(社会党内など)の人を引き抜き、共和党からも少し引き抜いて、マクロン陣営中心の「大連立」政府をつくるアイデアだ。ドイツなど他のヨーロッパの国では、互いに相容れない政党も含む複数の党で連立政府をつくることがあるが、フランスの第五共和政でその例はない。欧米の主要メディアは、フランスの政治状況は今後不安定さが続くだろうと推測している。一方、新人民戦線は選挙で1位になったから政権に就くのが当然だと主張。短期、中期、長期に分けて支出とその融資方法も考えた政策プログラムがあるから、すぐに政府をつくれると指摘する。選挙の翌日の7月8日、アタル首相は辞任を提出したが、マクロンは次の政府が成立するまで現政府を続行することに決めた。

極右の浸透を招いたメディア

 この歴史的な選挙に居合わせて、極右勢力の増長に主要メディア(とりわけ極右の億万長者ボロレが所有する24時間テレビ、ラジオ、新聞・雑誌)と世論調査がいかに寄与したかを痛感した。ジャン=マリー・ルペン(マリーヌの父)が1972年に創始した「国民戦線FN」(2018年から「国民連合RN」に変名)が唱える排外主義と差別思想(すべての悪は移民・外国人のせい)は、1980年代半ばからしだいに社会に浸透していった。マリーヌ・ルペンが大統領選に出馬した2012年以降は、彼女が父親ほど極端な言い方をしなくなったからと、多くのメディアはこの極右政党(ナチスとヴィシー政権協力者を創立メンバーに含み、国務院も「極右」と認定している)をしだいに普通の政党のように扱うようになった。

 なかでも、ボロレが所有する24時間テレビCNews, C8などでは反移民・反イスラムの差別的発言を頻発するジャーナリストのゼムール(後に政党を作って2022年の大統領選に出馬)をはじめ、多くのコメンテーターが反移民の差別的言説を四六時中述べるようになった。とりわけ2015年のイスラム過激派による連続テロ以降は、移民が多い地区でイスラム原理主義の影響が増大しているという「やらせ」ルポなども作られ、国内のイスラム教徒を原理主義者やテロリストと混同して疑い、移民系フランス人を敵視する論調が主要メディアにも広がった。オランド社会党政権とマクロン政権はこの風潮に呑まれたかのように、たとえば移民系の若者たちが頻繁に受ける警察の不当な暴力に対して公平に対処せず、マクロンは差別的な治安法と移民法まで可決させた。

 国民連合を支持する人に話を聞くと、「テレビで見た、聞いた」と言う。そしてRNの政策内容は知らず(難民・移民への援助金をやめ、追い出すこと以外は)、時には候補者が誰かも知らないが、彼らに投票すれば「変わる」と言う。RNが国会で最低賃金の引き上げに反対票を投じたと指摘しても、「外国人や働かない人を援助しなければ暮らしはよくなる」と思っている。経済学者のステファノ・パロンバリーニによれば、フランスでもここ40年来、ネオリベラル思想が支配的になったため、労働者層の人にも社会の進歩(公平なより良い社会)を信じず、「企業(会社)」は階級闘争の場ではなく競争力が重要だと思う人が増えた。彼らに向けて極右は庶民層を分断し、「フランス人のあなたを安全に守ってあげる、移民・難民、イスラム教徒への援助をやめればあなたの税金を減らせる」と語りかけるのだとパロンバリーニ言う。そして、この間違った論理を受け入れる人には差別意識があると指摘する。フランス社会に構造的なレイシズムは昔からあったが、かつては人前で差別発言をすることは憚れた。近年の現象は、ボロレ所有のテレビなどで平気で言う人が増えたので、開き直るようになったことだと。

 極右は欧州議会選挙以来、ブルジョワ陣営にも支持者を獲得した。マクロンの政治のやり方がひどくて人気を失い、弱体化したのを感じたブルジョワ陣営にとって、ネオリベラル政策との決別を掲げる左派(新人民戦線とくに服従しないフランス)は増税をもたらすから危険なため、ネオリベ政策にもEUにも反対しなくなった極右に投票する人が出てきたのだ。

 国民連合(共闘した共和党含む)は今回の選挙で55議席も増やしたが、577人の候補者のうちレイシズム、LGBT差別発言、暴力、陰謀説などの問題がある人が100人以上もいることが、極右取材専門のジャーナリストたちと市民の協力によって判明した(多くは落選)。これまでも差別発言をしたRNの議員がいたが、メディアはそれを特に重大な問題としては報道しなかった。その一方、服従しないフランスのメランションや議員、候補についての事実無根の中傷やデマ(反ユダヤ主義、テロリズム誘発、プーチン支持など)を多くの政治家やジャーナリストが検証せずに語り、訂正もされない。これまで2件、メランションに対する暗殺計画が未遂に終わり、極右の首謀者2人は9年と18年の有罪になったが、それも大きなニュースにはならなかった。現在もLFIの議員複数が極右から脅迫を受け続けている。極右の暴力や差別主義を大目にみる一方で、「ネオリベラル政策との決別」を掲げる左派勢力を不当に悪く言い続ける状況は、民主主義にとってとても危ういものに感じられる。

 新国会は7月9日に開催されたが、マクロンは新人民戦線の勝利をいまだ認めず、この陣営から首相を選ぶことを拒否している。市民が発揮しためざましい民主主義のほとばしりが踏みにじられずに、新人民戦線政府が誕生することを願う。

・コラム第91回 欧州議会選挙での極右の勝利とフランスの「新人民戦線」
・コラム第92回 フランスの総選挙前夜:極右による権力掌握の危機に対抗する「新人民戦線」の希望
・コラム第93回 フランスの総選挙決選投票前夜:極右、新人民戦線、マクロン陣営

服従しないフランスの政策プログラムの日本語訳『共同の未来 <民衆連合>のためのプログラム』がもうすぐ出版されます。

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【転載記事】国連人権理事会「ビジネスと人権に関する作業部会」報告書の日本語仮訳が公開されました

2024-07-08 23:00:08 | その他(海外・日本と世界の関係)
管理人よりお知らせです。

国連人権理事会「⼈権及び多国籍企業並びにその他の企業の問題に関する作業部会」(通称:ビジネスと人権作業部会)は、これまで特別報告者による訪日調査などを行い、日本企業のビジネスと人権に関する実態を明らかにする作業を続けてきました。

この問題については、国連や、日本国内の人権団体が問題にしたかったのとはまったく異なる方向から注目を浴びました。その経緯を含め、当ブログでは過去に一度、取り上げています(当ブログ2023年9月22日付け記事「問題は本当にジャニーズだけか? 日本企業に「行動変容」迫る「ビジネスと人権」の大波」参照)。

この作業部会の報告書がこのほどまとまり、国連ホームページに英語で公表されました。人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」関係者による日本語仮訳が同団体のホームページに掲載されましたので、ご紹介します。

なお、当ブログの文字数制限を超えるおそれがあるため、全文の転載はしません。見たい方は、「ヒューマンライツ・ナウ」ホームページの該当コンテンツへ、直接飛んでください。

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イスラエル軍関係者の宿泊を拒否した京都のホテルに連帯を表明します

2024-06-23 23:13:57 | その他(海外・日本と世界の関係)
6月11日、京都市東山区のホテルが、イスラエル人男性の宿泊客を「軍関係者の可能性がある」として拒否したことがニュースになっている。

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京都市のホテル、イスラエル人の宿泊拒否 市が運営会社を行政指導(毎日)

 京都市東山区のホテルが、イスラエル国籍の男性の宿泊を断っていたことが21日、明らかとなった。市は旅館業法に基づき、ホテルの運営会社を行政指導した。

 市によると、イスラエル国籍の男性が宿泊拒否されたという投稿が、SNS(ネット交流サービス)で拡散しているとの情報が17日に寄せられた。ホテル側に事実関係を確認したところ、男性をイスラエル軍の関係者であるとみなし、パレスチナ自治区ガザ地区への侵攻も踏まえ、宿泊予約をキャンセルするよう求めたという。

 同法は、賭博などで風紀を乱すおそれがある場合などを除き、宿泊を拒んではならないと定めている。市は、ホテルによる説明は、宿泊を拒否できる理由には該当しないと判断した。

 イスラエル大使館はホテル側に「明らかな差別事件だ」とする抗議の書面を送った。【南陽子】
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日本のメディアは、イスラエルに対して何を忖度しているのか知らないが、最も重要なことを(おそらく意図的に)無視している。旅館業法は、確かに正当な理由のない宿泊拒否を禁止している。しかし一方で、「宿泊しようとする者が賭博その他の違法行為又は風紀を乱す行為をするおそれがあると認められるとき」(旅館業法第5条1項2号)は宿泊拒否できることを定めている。「その他の違法行為」と旅館業法に規定されているにもかかわらず、毎日新聞はなぜ意図的にそこだけをぼかすのか。

イスラエル軍が行っている行為は明確な違法行為に当たる。日本も批准しているジュネーブ条約追加第一議定書第41条1項は、「戦闘外にあると認められる者又はその状況において戦闘外にあると認められるべき者は、攻撃の対象としてはならない」と明確に定めている。今、ガザで行われていることが非戦闘員への攻撃でないとすれば一体何なのか。攻撃正当化のためイスラエル政府が使っている「ガザ地区に住んでいる者は全員がハマスの戦闘員である」などという屁理屈を信じる者は、イスラエル国民の中にさえそれほど多くないだろう。

ガザで行われている人類史上最悪レベルの戦争犯罪に比べれば、イスラエル人宿泊客の宿泊拒否など取るに足らないものだ。宿泊拒否によって誰かが死んだり飢えたり傷ついたりしているわけでもない。旅館業法が定める違法行為には、当然、ジュネーブ条約に基づく戦争犯罪も含まれており、京都市の解釈は間違っている。ガザでの停戦が実現するまで、むしろイスラエル国籍者全員の宿泊を拒否すべきだと当ブログは考える。当ブログはこのホテルに断固として連帯を表明する。次の関西遠征時にはぜひ宿泊して応援したいと思っている。

<参考法令>
旅館業法
1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(略称:ジュネーブ条約追加第一議定書)

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ウクライナ・パレスチナに平和を! 2.24札幌集会開催

2024-02-25 00:31:31 | その他(海外・日本と世界の関係)
(この記事は、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に寄稿した内容をそのまま転載したものです。)

ウクライナ戦争開始から2年となる24日午前11時から、札幌駅前で「ウクライナ・パレスチナに平和を! 2.24札幌集会」(主催:戦争をさせない北海道委員会)が開かれ約100人が集まった。

主催者あいさつの後、清末愛砂・室蘭工業大学教授(憲法学;「戦争をさせない北海道委員会」呼びかけ人)がスピーチ。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」との日本国憲法前文を引用し「時間が経つほど戦争への関心が薄れていくのを感じる。ガザは平和的生存権の適用除外対象ではない。私たちがジェノサイドを見逃せば見逃すほど、同様の行為が繰り返される。イスラエル軍は、南部ラファに住民を押し込めておいてから攻撃を加えようとしている。こうした卑劣な行為を私たちが見逃さないことが大切だ」と述べた。また、最近も国連安全保障理事会で停戦を求める決議に拒否権を発動した米国を批判した。

事の本質を見極めず、ハマスの攻撃がこのような事態を招いたとする主張が、イスラエル支持の根拠として今も根強くある。清末さんはそのような表面的な見方を否定。長く続いたイスラエルのガザ占領が今日の事態を招いた歴史を正しく理解するよう、市民に訴えた。





集会は30分間で終了し、11時30分からは引き続き「戦争をさせない市民の風・北海道」主催のスタンディングが行われた。動画撮影をしているだけで手がかじかむ氷点下3度の寒風の中だったが、これでも札幌の平年と比べると暖かいほうだ。ウクライナ各地では札幌と同等かそれ以下の寒空の中、市民が死の恐怖に直面している。集会参加者は私語もせずスピーチに聞き入っていた。

ウクライナ戦争開始から2年を迎える中、メディア報道も開戦当初の「ロシアの侵略に負けるな」一色から、一般市民の犠牲の増加を憂えるもの、両国での徴兵拒否の増加を伝えるものが多くなっているのは良い方向への変化といえる。平和と引き替えにウクライナがロシアによる占領地をあきらめなければならない可能性に言及する報道も出てきている。

1967年の第3次中東戦争でシナイ半島はイスラエルに占領されたが、エジプトは1980年代に入り、イスラエルとの交渉で返還を実現させた。武力で奪われた領土を、後日、交渉により平和的に回復した実例は、歴史をひもとけばいくらでもある。罪のない市民の犠牲をこれ以上増やさないため、ウクライナでもガザでも直ちに停戦を実現し、領土の帰属は国際社会を交えた話し合いで決める必要がある。

2024.2.24 ウクライナ・パレスチナに平和を! 2.24札幌集会


(取材・文責:黒鉄好)

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【転載記事】ICJ(国際司法裁判所)によるイスラエルに対する「ジェノサイド防止命令」の日本語訳(その2;判決部分)

2024-02-20 18:47:42 | その他(海外・日本と世界の関係)
86. 以上を根拠として、当裁判所は、次の各号の仮保全措置を提示する。

(1) 15対2によって、イスラエル国は、ジェノサイド条約に基づく義務に従い、ガザのパレスチナ人との関係において、特に以下の行為を含めこの条約の第2条の範囲内のすべての行為の実行を防止するために、その権限内にあるすべての措置をとるものとする:

(a) 集団構成員を殺すこと;
(b)集団構成員に対して重大な身体的または精神的な危害を加えること;
(c)全部または一部に身体的破壊をもたらすことを意図する生活条件を集団に対して故意に課すること;
および
(d)集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(2) 15対2によって、イスラエル国はその軍隊が上記(1)のいかなる行為も行わないことを直ちに確保するものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(3) 16対1によって、イスラエル国は、ガザ地区のパレスチナ人集団のメンバーに関しジェノサイドの実行を直接的かつ公然と扇動する行為を防止および罰するために、その権力の及ぶ限りあらゆる措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、バラク特任裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官

(4) 16対1によって、イスラエル国は、ガザ地区のパレスチナ人が直面する不利な生活状況に対処するため、緊急に必要とされる基本的サービスと人道支援の提供を可能とする即時かつ効果的な措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、バラク特任裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官

(5) 15対2によって、イスラエル国は、ジェノサイド条約第2条および第3条の範囲内の、ガザ地区のパレスチナ人集団の構成員に対する行為について、申し立てに関する証拠の破壊防止と保全確保のための効果的な措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(6) 15対2によって、イスラエル国は、この決定の日付から1カ月以内に、この決定を実現するためにとられたすべての措置に関する報告書を当裁判所に提出するものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

ハーグの平和宮において、2024年1月26日に、英語とフランス語で作成され、英語版が権威を持つ。作成された3部のうち1部は当裁判所文書施設に保管され、他の2部はそれぞれ南アフリカ共和国政府とイスラエル国政府とに送付される。

(署名) ジョアン・E・ドナヒュー、裁判長
(署名) フィリップ・ゴティエ、書記官
シュエイ裁判官は当裁判所の決定について宣言書を提出、セブティンデー裁判官は当裁判所の決定について反対意見を提出、バンダーリ裁判官とノーテ裁判官はそれぞれ当裁判所の決定について宣言書を提出、バラク特任裁判官は当裁判所の決定について個別意見書を提出。

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