福島第1原発、原子炉格納容器で水位が低下傾向=東京電力(ロイター)
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[東京 19日 ロイター] - 東京電力は19日、福島第1原子力発電所1、3号機の原子炉格納容器の水位が低下傾向にあると発表した。
18日に1号機の原子炉格納容器の水位が低下したことから、他のパラメーターを確認したところ、1号機で15日以降、3号機で17日以降、原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向がみられたという。
東電では、原子炉圧力容器底部温度や格納容器ガス管理システムの放射能、敷地境界のモニタリングポストなどに有意な変動はなく、外部への影響はないと判断している。
水位低下の要因としては、福島県沖で13日に発生した地震の影響による格納容器損傷部の状況変化も考えられるため、今後もパラメータを注視して監視していくとしている。
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この事態を引き起こしたのは、紛れもなく13日の激しい地震だろう。福島時代の関係者から「地震の揺れだけの比較なら、10年前の3.11より今回のほうが激しかった」という声すら聞こえてくる。10年前と比べ、震源が福島県寄りだったことも、そう感じる理由だろう。
10年前の3.11と異なり、わずか数時間で格納容器の水分が抜けて空になるというような事態は、今後よほど大きな余震などがない限りは想定しにくい。しかし、今後、東京電力がこの事態を収拾できず、水位低下が長く続くようであれば、注意は必要だろう。福島第1原発の3号機は燃料の取り出しがまだ完全には終わっておらず、1号機に至っては、まだ開始すらしていないからだ。
以下、東京電力公式ホームページから
・使用済燃料プールからの燃料取り出しの状況
・1号機使用済燃料プールからの燃料取り出し
・3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し
東京電力公表資料「福島第一原子力発電所 1号機および3号機原子炉格納容器における水位低下について」によれば、水位低下は18日段階で確認されていたが、東電お得意芸「隠蔽」により19日午後になって公表された。どう見ても、電力関連株価への悪影響を与えないよう、金曜日の証券取引所が取引を終える午後3時を待ったとしか思えない。
まもなく3.11から10年を迎えるが、この時期に起きた巨大な余震、東北新幹線の長引く不通と交通の混乱、東電の後手後手かつ隠蔽を疑わせるような対応ぶりを見ていると、すべてが10年前の「あの日」の記憶をフラッシュバックさせる方向へと向かっていることがわかる。今すぐ破局的事態というわけではないものの、壊れたままになっている原発のこんな重大事態が、国内のメディアではほとんど報じられず、最も詳しく伝えているのが外国通信社のロイターというのも10年前と同じであまりに情けない。「水位低下」はメディアも東電と大して変わらない。
いずれにしても、福島県民をはじめ原発周辺地域の人たちは万一に備えてほしい。
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[東京 19日 ロイター] - 東京電力は19日、福島第1原子力発電所1、3号機の原子炉格納容器の水位が低下傾向にあると発表した。
18日に1号機の原子炉格納容器の水位が低下したことから、他のパラメーターを確認したところ、1号機で15日以降、3号機で17日以降、原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向がみられたという。
東電では、原子炉圧力容器底部温度や格納容器ガス管理システムの放射能、敷地境界のモニタリングポストなどに有意な変動はなく、外部への影響はないと判断している。
水位低下の要因としては、福島県沖で13日に発生した地震の影響による格納容器損傷部の状況変化も考えられるため、今後もパラメータを注視して監視していくとしている。
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この事態を引き起こしたのは、紛れもなく13日の激しい地震だろう。福島時代の関係者から「地震の揺れだけの比較なら、10年前の3.11より今回のほうが激しかった」という声すら聞こえてくる。10年前と比べ、震源が福島県寄りだったことも、そう感じる理由だろう。
10年前の3.11と異なり、わずか数時間で格納容器の水分が抜けて空になるというような事態は、今後よほど大きな余震などがない限りは想定しにくい。しかし、今後、東京電力がこの事態を収拾できず、水位低下が長く続くようであれば、注意は必要だろう。福島第1原発の3号機は燃料の取り出しがまだ完全には終わっておらず、1号機に至っては、まだ開始すらしていないからだ。
以下、東京電力公式ホームページから
・使用済燃料プールからの燃料取り出しの状況
・1号機使用済燃料プールからの燃料取り出し
・3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し
東京電力公表資料「福島第一原子力発電所 1号機および3号機原子炉格納容器における水位低下について」によれば、水位低下は18日段階で確認されていたが、東電お得意芸「隠蔽」により19日午後になって公表された。どう見ても、電力関連株価への悪影響を与えないよう、金曜日の証券取引所が取引を終える午後3時を待ったとしか思えない。
まもなく3.11から10年を迎えるが、この時期に起きた巨大な余震、東北新幹線の長引く不通と交通の混乱、東電の後手後手かつ隠蔽を疑わせるような対応ぶりを見ていると、すべてが10年前の「あの日」の記憶をフラッシュバックさせる方向へと向かっていることがわかる。今すぐ破局的事態というわけではないものの、壊れたままになっている原発のこんな重大事態が、国内のメディアではほとんど報じられず、最も詳しく伝えているのが外国通信社のロイターというのも10年前と同じであまりに情けない。「水位低下」はメディアも東電と大して変わらない。
いずれにしても、福島県民をはじめ原発周辺地域の人たちは万一に備えてほしい。