ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

こんな事では、誰も新聞なんて読まなくなる…

2020-03-13 20:00:00 | 思うこと
新聞の凋落が叫ばれて久しい。
情報源をネット、とりわけスマホに奪われ、カネを払って新聞を購読する人は音を立てて減少している。
笑い話ではなく、現に教育現場では先生が
「明日の図工の時間は、古新聞を持ってきて下さい!」
と言うと、多くの生徒が 
「ウチ、新聞取ってませ〜ん!」
と手を挙げる。その様は、あたかもウチは新聞なんかよりネットで情報を取っている先進的な家庭ですよ、と生徒らが誇っているかのようだ、とある教諭は嘆いていた。

新聞を含めたマスコミの凋落は、私に言わせれば自業自得だ。
その分水嶺となったのは、9年前の3.11だったと私は思う。
先日の「Fukushima50」のレビューでも書いたが、原発安全神話というのは政府がマスコミを利用して創り上げたものであり、メディアは本当の事を伝えていなかった、と広く認識されるキッカケとなってしまったのである。

さらに、作り手のレベルダウンも目に余る。
とにかく、観たいTVがない。
私なんてニュース、スポーツ、朝ドラ、大河ドラマ、ケンミンショーしか観ない(笑)。
ネットに落ちている面白動画を抜き出して、ひな壇芸人が皮膚感覚だけでコメントするだけの番組などウンザリだ。
しかもそのコメントがご丁寧にテロップで出るのだが、コレがまた間違いだらけである。

新聞も、すっかりレベルが落ちた。
最近でも「他人事」をわざわざ「たにんごと」と間違ったルビを振ったり、芸能人の読み方もルビが間違っていたり。
とりわけコラムは、その新聞の生命線と言ってもよかろう。

そんな中、今朝の朝日新聞「天声人語」。



センバツなど高校生の全国大会の、コロナによる相次ぐ中止に触れているが、彼らへのメッセージが薄すぎて笑えないのだ。

「すぐには気持ちの整理がつかないだろう。だが積み重ねた努力は決して無駄にはならない。今回の無念を心の糧として、奮へ奮へ全国の高校生たちよ。」

こんな取って付けたようなメッセージで、高校生が奮い立つとでも思っているのか?
いや、現実に高校生の大半は新聞など読んでいないため、奮い立つ事はない。
そればかりか、センバツ出場が決まっていた我が息子が夢を断たれた親が、このコラムを見てどう思うか?

元・阪神タイガースの赤星憲広氏は
「球児達が可哀想。せめて夏の大会はセンバツ出場校も入れてあげてほしい。それで70、80校になってしまっては大変だが、大変な年だからこそ大変な事を検討してほしい」
と述べていたが、コレこそがオトナの意見ではないのか。

かつて新聞協会は、政府と結託して
「揃って『消費増税やむなし』の論調を張り、首尾よく増税出来たあかつきには新聞だけは軽減税率にしてやる」
との密約を結んだらしい。そのために
「欧米では『知には課税しない』と云われる。活字文化の醸成のために、新聞はなくしてはならない」
という我田引水も甚だしい理屈をこねた。

それだけ自分達には世の中を動かす力があるのだ、という自負が新聞社にあるのなら、一生に一度の夢に破れた球児達に何かの形で甲子園の土を踏ませてやる事ぐらい、たやすいのではないのか。
まして、天声人語は朝日新聞、他ならぬ夏の選手権大会の主催てはないか。

新聞社に求めるのは、こんな薄っぺらいコラムなどではなく、高校生の一生を変えるような響く言葉なのである…