学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

その一日

2008-03-20 21:32:28 | その他
やはりどうも体調が元に戻らないのです。ここ数週間、倦怠感がずっと付きまとって離れません。体はだるいし、食事をすると胃痛を起こす。まったく情けない話です。医者に行けばいいのですが、なんだかそれすらも億劫でしかたなし。

栄養バランスが崩れているのかと思って、今日は久々にみかんを買って、ビタミンCと取りました。これで治る・・・わけがないか。

3月ももうすぐ終わり、4月からまた新しい展示が始まります。最近はその準備に追われています。終わったと思ったら、また始まり…。少し長期の休みが欲しい今日この頃です。
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ラディゲ『肉体の悪魔』を読む

2008-03-17 19:40:45 | 読書感想
光文社古典新訳文庫の『肉体の悪魔』を読んだ。作者はレーモン・ラディゲ(1903~1923)。フランスの小説家である。

官能的なタイトル。主人公は15歳の「僕」(12歳の「僕」から物語は始まる)は、父を介して、マルテに出会う。彼女は19歳で、すでに婚約の身であった。「僕」はそんなマルテに恋し、またマルテも「僕」を愛し始めるようになる。危険な道へ踏み込んだ二人。やがてマルテは妊娠するが、そのことで「僕」は複雑な心持となり、一方のマルテは…。

二人の年齢は、子供から大人へと変容する時期である。特に「僕」は、ところどころにあどけなさを残しながら、一方では大人のような思考や振る舞いをする。それが交互に現れるから、読み手は「僕」が一体何歳なのか錯綜する。複雑な心理を描写した、いわゆる天才ラディゲの巧妙さのひとつだろう。

また、ラストシーンの不倫の果てに「いつかは世の中の秩序が自然に回復していくことを悟った」との言葉が印象的である。それが当時18歳であったラディゲの思考から生まれたことに驚かざる得ない。私が18歳のときを思い起こすと、なおさらである。彗星の如く登場し、生涯二作品(もう一作は『ドルジェル伯の舞踏会』)のみで去ったラディゲに私は多少興味が沸いてきた。
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プロトタイプ

2008-03-15 23:12:27 | その他
近頃、芥川龍之介に凝りだして、彼の小説ばかりを読んでいます。そのなかでちょっと気になる言葉。芥川晩年の作『闇中問答』より。

或声「お前の書いたものは独創的だ。」
僕 「いや、決して独創的ではない。第一誰が独創的だったのだ?古今の天才たちが書いたものでもプロトタイプは至る所にある。就中(なかんづく)僕は度たび盗んだ。」

ここで登場する「僕」とは、芥川自身のことであると思います。「或声」は客観的に見た自分自身の言葉でしょう。「僕」は、天才と言われている人たちでさえ、何かしらの模倣を行っていると主張します。これはとても面白いことです。

これは美術においても当てはまるでしょう。誰しもが、何らかの影響を強く受けて、創作活動に打ち込みます。あのピカソでさえ、まずは模倣から入っていったのですから。創造的な仕事、というとさぞその人間が特別と思われがちですが、確かにプロトタイプの存在は認めなければならないでしょう。

これから春、4月になれば、新しい一歩を踏み出す人も少なくないはず。何か創造的なことをしたくなったら、まずは模倣から入ると良いのかもしれませんね。
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旧青木家那須別邸にて

2008-03-13 18:32:15 | その他
先日、栃木県黒磯市にある旧青木家那須別邸へ行きました。青木って、どちらの青木さんですか、と思われるでしょうが、明治時代の外交官青木周蔵(1844~1914)の別邸なのです。彼はドイツに心酔しておりまして、建物の設計もドイツ建築を模したもの。なんとなく屋根窓や外壁もフッチェンロイター製のコーヒーカップを思わせるような(わかりにくいですね:笑)デザインです。

私はいわゆる洋館が好きで、色々と周って歩いています。今度はどんな洋館に出会えるのか楽しみです。
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ホームページ完成!

2008-03-11 19:15:15 | その他
今日は休日を利用して、ホームページを作っていました。美術館のではありません。私個人のホームページです。

隠していたわけではありませんが、私は2年前に自分の趣味を紹介したり、日記を書く目的でホームページを作っておりました。ところが、ブログの方が情報を伝えるのに容易であることに気付き、ブログを開始してからは、目的を失ったホームページは幽霊船の如くネット上にほったらかしにされていたわけです。

公開していた情報の原本は、昨年のパソコンの大破により、ほとんど失ってしまいましたが、下書きが残っておりましたので、それらをもとに復旧作業を行いました。ブログではあまり長文は書けないので、ホームページでは読書感想や民芸歩き、洋館巡りなどあくまで仕事とは関係のない趣味をつづりました。

まだ岩波文庫の感想だけの未熟なホームページですが、徐々にアップさせていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

※ブックマークの「Let's change」が私のホームページです。
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年度事業は終わり…

2008-03-10 21:07:18 | 仕事
一昨日、昨日で、無事今年度事業が全て終了しました。満足感?いいえ、もう疲れた!の言葉しか出てこないです(苦笑)ちょっとさびしいですね。

今日は家でのんびりと過ごしました。谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』を読んだり、人生初のクッキー作りに挑戦しました(画像は恥ずかしくて載せられません:笑)もうすぐホワイトデーですから、自分でもどういう風の吹き回しか、職場へ持って行くことにしました。肝心の味は、まあまあ。でも、見た目がパンみたい。困ったものです。

久々に美術館巡りへ繰り出したいところですが、体調がまだ元に戻らないので、家で大人しくすることにしました。明日は随分暖かくなるそうです。もう春ですね。
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北風に吹かれながら

2008-03-07 22:51:58 | 仕事
近頃、歩いて職場まで通っています。別段車で行けない理由もないのですが、歩いたほうが景色を見ながらのんびりできるし、職場に着くまで仕事の流れを整理できるという利点があります。

しかし、行きはいいのですが、帰りは強い北風にあおられて、すこぶる寒い思いをせねばなりません。花粉のシーズンなのだから、少しは寒さも手加減してくれてよさそうなものですが、それもありません。肩をすぼめながら、買い物袋を片手に帰宅する。一人暮らしも慣れたものです。

風を絵で表現してみなさい、なんて課題はなかなかどうして難しい。小学校の時分、風に流れる稲穂が美しく、夏休みの課題にその風景を描いてみましたが、自分の目に写る姿とはかけ離れて、平面的な情けない絵になった覚えがあります。風は目に見えないから、雲の流れや木々、草花などを上手に揺らさなければなりません。風の表現は面白いですが、やはり難しいものです。

明日は、車で出勤する予定です。明日のイベントさえ終われば、ようやく眠れる…。無事終わることを祈りつつ。

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花粉症

2008-03-05 21:54:41 | その他
花粉症のシーズンです。昨日、今日と少し鼻がむずがゆい気がしてきました。収蔵庫で作品を扱うときは、さすがにくしゃみは出来ませんから、マスクをしなければなりません。

花粉症で嫌なのは、頭がぼうとして仕事に集中できないことにあります。風邪を引いているわけでもないのに、ぼうとするのはどうもいただけない。

私はアロエヨーグルトと相性がいいらしく、食べると一日平気になります。そろそろヨーグルトの出番かな、と思いつる今日このごろ。

明日は作品展示。へとへとになることは十分に予想されますが、しっかり展示をしてきたいと思います。
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「先生と私」を音読する

2008-03-04 21:39:49 | 仕事
昨日の脳に関する本を読んでおりましたら、朝は脳のウォーミングアップが大事とのことで、それには音読が良いとの話でした。音読なら何でも良いというので、本棚から夏目漱石の「こころ」を取ってきて、「先生と私」を朝から音読していました。なぜ「こころ」なのだ、と思われるのは至極当然のことと思いますが、あまり深い意味はありません(笑)

それで出勤したわけですが、いつもとあまり変わらないかな?今までさび付いていてた脳がすぐに活力で満ちるなんて、うまい話はありませんから、もう少々時間がかかりそうです。




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ハードディスク

2008-03-03 20:33:28 | その他
パソコンにはHD(ハードディスク)が内蔵されていて、それで動く仕掛けになっているのは、皆様、百も承知のことと思います。人間で言えば、HDは脳のようなもの。近頃、脳に関する書籍が沢山出ているけれど、気になる二冊を買ってみました。築山節氏が書かれた「フリーズする脳」(NHK出版)です。

話のなかに指示語が多い、アイディアが浮かばない、人や物の名前を思い出せない、物をよくなくす、頭の中で考えていることが言葉に出ない…悲しいかな、まさしく今の私…。自分でも最近どうも変だなと思っていたけど、もしかして脳がフリーズしていた?ここのところ、私は「なんと言ったらいいのかな…」とか「言葉でうまく表現できないのだけれど・・・」が口癖になっていて、自分の言葉が出てこなくなっていたのをごまかしていたのですが、正直ショックです。

再び脳を立ち上げさせるには、やはり築山節氏の「脳が冴える15の習慣」(NHK出版)が有効らしい。一言で述べれば規則正しい生活をおくることが第一歩で、そのなかでも朝は手足を動かすと良いとか夜は知識を蓄積すると良いなどの科学的なアドバイスがあります。築山氏の履歴を見ますと、医学博士であり、脳神経について相当な実績をお持ちの方ですから、説得力も強いものがあります。パソコンにもハードディスクのクリーンアップがあるように、人間にもクリーンアップが必要のようですね。
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