学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

愛犬よ、さようなら

2008-11-18 22:03:11 | その他
たった今、実家から電話があり、危篤だった我が家の愛犬が亡くなったとのこと。危篤になってから、いくらか持ち直して、エサも再び食べるようになったのですが、やはり病には勝てなかったようです。

犬との思い出が頭をよぎり、今の私は何も考えることができません。天国で、大好きな散歩をいつまでも楽しんで…そうしてときどき元気な顔を見せてくれたらな、と思うのです。
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『雑器の美』を読む②

2008-11-17 10:05:25 | 読書感想
朝から素晴らしい陽気です。川辺を散歩したら、さぞ愉快なことでしょう。そんな陽気に包まれながら、私は今、机に向かっています。

さて、今日は柳宗悦『雑器の美』の内容について紹介すると共に、私の感じたことを書いてみることにしました。

柳の言う「雑器」とは「一般の民衆が用いる雑具の謂(いい)」のことで、「一般の民衆」を現在の我々、というと語弊がありますので、この本が書かれた大正、昭和初期頃の人々が用いていたと解して、具体的には日常使用する「皿、あるいは盆、あるいは箪笥」など、素朴ではありますが、人々の生活に溶け込み、共に生き、暮らしてゆくもののことです。柳はそれら職人の手仕事から生まれた雑器にこそ、素朴な美が宿ると考えたのです。

ただ、私は、それだけではなく、日本人がどのように生きるべきなのかを柳が主張しているようにも感じました。勿論、柳は直接そうした主張をしているわけではありません。あくまで私の見方です。人間はもっと素朴で、正直に生きるべきではないかと。例えば文章中に「雑器」や「器」などの言葉がたびたび出てきますが、それを「人間」と置き換えても、あまり違和感なく読めてしまうのです。「華美ではならない。強く正しき質を有たねばならない。」雑器について述べている箇所でありながら、人間の心得のようにも読めないでしょうか。

この平成という世に生きる私たち。常にどう生きるべきかをもがく私。私は柳が『雑器の美』に民藝を通して、日本人に重大なメッセージを送っているような気がしてならないのです。
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一日のなすべきこと

2008-11-16 19:56:38 | 仕事
私は出勤したら、その日自分がなすべきことを箇条書きにして、仕事の内容を明確にしてから業務に取り組みます。このことは、別に特別なことだと思いませんが、同じことを誰かもやっていると知ると、仲間がいるようで、とてもうれしくなります。それが何かしら業績を残した人物であれば尚更!

近頃、『バーナード・リーチ日本絵日記』(講談社学術文庫)を読んでいます。バーナード・リーチ(1887~1979)は民藝に強い共鳴を受けた陶芸家です。特に同じ陶芸家の濱田庄司ととても懇意にしていました。さて、同本の「序」に民藝運動の創始者柳宗悦が次のように書いています。要約しますと、リーチは毎朝、一日のなすべきことを紙に書いて、実行したらそれを一つ一つ消してゆく。だから、休んだり、居眠りしたりすることは滅多になかった、とのことです。

バーナード・リーチも朝に1日のなすべきことをきっちりと整理していたのですね。そのエピソードを読んで、私は何だかすこぶる単純にうれしくなったのでした(笑)

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部屋の掃除を通して

2008-11-14 17:50:11 | その他
近頃、30分だけ部屋の掃除をするのが日課になっています。私は、おそらく、あまり散らかさない性分の人間だと思うのですが、それでもやはり生活をする以上は何かしら物が散らかるわけです。それを掃除するということは気持ちが良いことですし、おおげさですが、心も綺麗になってゆくような気がするのです。

今日も少しだけ部屋の片付けです。初めは少し億劫でしたが、日課として3、4日継続すれば、それが良い意味でくせになる。すると自分がちょっぴり成長できた心地がする。それがたとえ錯覚でも良いのです。昨日より今日。今日より明日。絶えず新しい自分になるように心がけて生活をしていきたいものです。
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『雑器の美』を読む①

2008-11-13 09:24:10 | 読書感想
今日は休みです。それなのに、朝4時に目を覚ましたっきり、寝付けなくなりまして、傍らにあった『民藝四十年』を読んでいました。読んでいくうちに、ふと何か書けないかと思い、筆を取った次第です。

同文章は、大正15年、民藝の提唱者柳宗悦が37歳のときに著したものです。民藝とは「民衆的工藝」の意で、「著名な個人ではなく、無名の職人たち」の手仕事によって生まれた郷土色豊かな工藝のことです。例えば…、私の故郷東北を見てみますと、青森県の津軽こぎん、岩手県の南部鉄器、秋田県の樺細工、宮城県堤焼、山形県平清水焼、福島県会津塗などが挙げられます(便宜上、県単位で紹介しました。県内の至る所で作られているわけではありません)

『雑器の美』を読んでいきますと、気がつくことがあります。まずは、人の道と申しますか、人がどのように生きるべきなのか柳流の哲学がひしひしと感じられること、2つめは柳の読者を諭すような文章力です。民藝の考えを人々の間に広めたいとの想いと、宗教への深い見識(布教もわかりやすく伝えることが必須だと思いますので)などの要因が加わって、このような文章になったのではないかと思います。わかりにくい言葉は一切使わず、文章をなるべく短く切っているのが特徴です。とかく新しい主義主張を述べようとすると人間は、言葉を次々に浴びせかけるきらいがありますが(確かにインパクトはありますよね)、柳はまったくその逆で、落ち着いていて、静かな印象、しかし、しっかりとした主張を述べているように感ぜられます。読み終えて、内容云々の前にそうしたことを思いました。

次回は『雑器の美』に著された肝心の内容についてご紹介したいと思います。
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無意識のうちに

2008-11-12 21:50:26 | 仕事
現在、当館で開催中の展覧会作品を制作した作家さんから、これらの作品がどのように生まれてきたのかを聞いてみました。すると、なんでも「筆を握ったまま、ほぼ無意識の状態を作り出して、手を自由に動かしてみる」とのこと。人間が完全に無意識の状態になることはできませんが、「ほぼ」無意識の状態で手を動かしてみることは、人間の脳のなかを画面で表現できるような気がして面白いことですよね。

私も「ほぼ」無意識の状態を作り出して、無意識のうちに文章を書ければどんなことが書けるのかしらん。でも、さすがに文字だけは無理ですよね(笑)
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だらけ気味

2008-11-11 20:37:07 | その他
最近、だらけ気味な私。別に好きでだらけているわけではないのだけれど、少し自分を律して、ちょっとめんどうだな、と思うことをすすんでやるようにしています。まるで小学生みたいですね(笑)

家へ帰り、御飯を食べてしまうと、すぐ寝てしまう私。きままな独り暮らしが別な意味で板についてきて、これではだめだと思ったのです。健全な体や精神は、規則正しい己を律した生活から生まれる…そう信じて、今日もこれから皿洗いとアイロンがけです。
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年に一度の旅行

2008-11-10 18:30:10 | その他
私は旅行が好きです。けれども、なかなか連休が取れず出かける機会があまりないのですが、年1回は必ず見知らぬ土地へ出かけて、その街の雰囲気を一寸味わってくるのです。一昨年は岡山県倉敷、昨年は岩手県盛岡、さて今年はどこへ行きましょうか。

私は東北の生まれのせいか、東北のどの街も、どんな風景も身近に感じて好きなのです。ですから、昨年に引き続き、東北のどこかへ足を運んでみたいと考えています。青森県か秋田県か。その辺りになるでしょう。

これから早速計画を立てます。旅行へ行くまでに、早く心身ともに万全にしなくては!
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或る作家との対話

2008-11-09 19:52:55 | 展覧会感想
今日、ある団体の展覧会に足を運んだ折、たまたま会場で知り合いの作家さんと会いましたので、ついつい話し込んでしまいました。

初めは絵画についての話題でしたが、しだいに話が日本文化に移行していきました。日本文化について一般的に言われることは、大陸から伝来してきた文化を消化して、独自の文化を作り上げることに特徴があるとされます。歴史的にみると、確かにそうですね。では、今はどうでしょう?という話になったのです。そのときの作家さんの意見です。

「つい先日、私のもとに、とある有名な大学の生徒が数名取材に来たんだよ。そのときの話なんだけれども、私の机上にあった「櫻」と書かれたメモを見て、これを何と読むんですかと聞くんだね。これは「さくら」と読むんだよと教えてやると、初めて知ったというんだ。私はがっかりした。「櫻」を読めないことにもがっかりしたけれども、漢字は日本の文化だよ。漢字には一つ一つ意味がある。全て読めなくてはいけないというわけではないが、漢字を知ることは文化につながることだろう。文化がないがしろにされているようで残念だよ。テレビ、インターネット、情報伝達があるのは大いに結構だが、次々に浴びせかけられて、日本文化はもう消化し切れなくてだめになるかもしれんね。」

なるほど、と感じた私。私も似たようなことを常々考えていました。私たちは文化を守ることは出来ても、もう作り出すことは出来なくなっていくんではないかと。私たちが後世に何を残せるもの、ああ、平成とはこんな時代だったのかと言えるもの、そんなものがあるのかはなはだ疑わしい気がするのです。

帰り道、私は凍えるような風の中で、ぱらぱらと散りゆく落ち葉を見ながら、ぼんやりとそんな考えてみるのでした。
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睡眠時間

2008-11-08 22:45:20 | その他
皆さんは、いつも何時間ぐらい寝ていますか?私は7時間を目安にしています。11時に就寝、6時起床です(もちろん、休日や寒い冬の日などはその限りではありません…)。

ところが、最近は少し不規則になって、10時に疲れて寝る。12時に目を覚まし、2時くらいまで眠れなくなる。よって朝は睡眠不足。そんなサイクルが続いているのです。

睡眠不足になると、私の場合は生あくびよりも、むしろ頭痛が起きて、大変な目にあいます。これに何度苦しめられたことか!明日は休日、けれども、早く眠ります。また12時に目を覚まさなければ良いのだけれど!
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