東電は、福島第一原発事故前と同じ繁栄を取りもどしつつある。その証左は、半減した賞与の復元だ(検討中)【注1】。
(1)原子力賠償機構法によって、東電の生き残りが確定した。
(2)6月に閣議決定された原子力賠償法の見直しが1年以内に行われ、東電の負担に上限が設定されれば、賠償負担の大部分を国民に転化できる。
(3)東電は今も具体的なリストラ策を明らかにしない。それどころか、避難区域の除染などのため「人手が必要」とアナウンスを繰り返している。かてて加えて、9月には電気料金値上げに踏み切る可能性も出てきた【注2】。
(4)福島第一原発はどうするのか。東電関係者は解説する。・・・・経営から事故の処理業務を切り離す。廃炉や廃棄物処理と一体化し、政府のカネで“事故清算会社”を立ち上げる。国鉄が民営化する際に長期債務償還を背負わせた清算事業団のようなものだ。東電は、懐をまったく痛めず、身ぎれいになれる。
【注1】【注2】値上げにともなって、削減中の社員賞与の水準を元に戻すことも東電は検討している。【記事「東電、値上げ期間は3年間を想定 賞与半減終了も同時」(2011年9月14日付け朝日新聞)】
なお、半減しても、現状で公務員平均(行政職平均35・6歳、56万4800円)を上回る社員は多い。【記事「東電ツラの皮厚すぎ~!国会、報道、原発作業員に噴飯対応」((2011年9月14日 ZAKZAK))】
「東電に関する経営・財務調査委員会」は、認めていない。【記事「東電の賞与回復「認められない」 調査委」(2011年9月15日3時6分 asahi.com)】
批判の一例は、増沢 隆太「東電値上げとボーナス/年収へのリアクション」(2011年9月15日23:22 INSIGHT NOW!)。
【参考】「【震災】原発>息を吹き返す東京電力」
以上、鳴海祟(本誌)「フクシマ国営清算会社 許されざる東電の生き残り」(「サンデー毎日」2011年9月25日号)に拠る。
*
原子力賠償支援機構法成立後、最近はあれほど丁寧だった記者会見などでも、記者の質問に「ちょっとご質問の趣旨が分かりませんが」などと切り返す場面が見られるようになった。かつての、自分たちに不利な報道を徹底的に押さえ込んだ東電が復活しつつある。
震災以前は、メディアが少しでも原発を批判的に取り上げると、電事連が「ご説明に上がりたい」と慇懃無礼な口調で連絡してきたものだが、その時の姿勢は変わっていない。
これまで各種団体などに大盤振る舞いしてきた会費などをカットしているが、その基準は「東電から人を出しているかどうか」だ。人を派遣している団体は会費を一律半減、派遣していない団体は全部打ち切る。つまりOB押し込み先温存が眼目だ。本気で内容を精査した上でムダな支出にメスを入れる姿勢は見られない。
それどころか、震災から半年、ほとぼりが冷めつつあると見たのか、リストラの手を緩めるかのごとき動きも見られる。震災直後、東電のワシントン事務所は「会費が払えない」という理由でワシントンの商工会から脱退した。撤退のポーズをとったが、事務所は閉鎖されなかった。世論の風当たりが緩んだ、と見て方針を翻した。
北京事務所も同様だ。原発を売り込む拠点として設置された。撤退やむなし、から、民主党政権が輸出計画の断念を決断できない間に、なし崩し的に存続の方針に変わった。
東電の舵取りは勝俣会長次第だ。彼は、責任の一翼を担いながら、一向に辞める気配はない。
それどころか、8月、東電が川崎市で7千キロワットのメガソーラー「浮島太陽光発電所」の運転を開始したが、この建設工事を一括受注した東芝の広報担当者は勝俣の子だ。
癒着構造は温存されている。
記事「東京電力『反省なき値上げ』を許すな」(「週刊文春」2011年9月22日号)に拠る。
↓クリック、プリーズ。↓
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(1)原子力賠償機構法によって、東電の生き残りが確定した。
(2)6月に閣議決定された原子力賠償法の見直しが1年以内に行われ、東電の負担に上限が設定されれば、賠償負担の大部分を国民に転化できる。
(3)東電は今も具体的なリストラ策を明らかにしない。それどころか、避難区域の除染などのため「人手が必要」とアナウンスを繰り返している。かてて加えて、9月には電気料金値上げに踏み切る可能性も出てきた【注2】。
(4)福島第一原発はどうするのか。東電関係者は解説する。・・・・経営から事故の処理業務を切り離す。廃炉や廃棄物処理と一体化し、政府のカネで“事故清算会社”を立ち上げる。国鉄が民営化する際に長期債務償還を背負わせた清算事業団のようなものだ。東電は、懐をまったく痛めず、身ぎれいになれる。
【注1】【注2】値上げにともなって、削減中の社員賞与の水準を元に戻すことも東電は検討している。【記事「東電、値上げ期間は3年間を想定 賞与半減終了も同時」(2011年9月14日付け朝日新聞)】
なお、半減しても、現状で公務員平均(行政職平均35・6歳、56万4800円)を上回る社員は多い。【記事「東電ツラの皮厚すぎ~!国会、報道、原発作業員に噴飯対応」((2011年9月14日 ZAKZAK))】
「東電に関する経営・財務調査委員会」は、認めていない。【記事「東電の賞与回復「認められない」 調査委」(2011年9月15日3時6分 asahi.com)】
批判の一例は、増沢 隆太「東電値上げとボーナス/年収へのリアクション」(2011年9月15日23:22 INSIGHT NOW!)。
【参考】「【震災】原発>息を吹き返す東京電力」
以上、鳴海祟(本誌)「フクシマ国営清算会社 許されざる東電の生き残り」(「サンデー毎日」2011年9月25日号)に拠る。
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原子力賠償支援機構法成立後、最近はあれほど丁寧だった記者会見などでも、記者の質問に「ちょっとご質問の趣旨が分かりませんが」などと切り返す場面が見られるようになった。かつての、自分たちに不利な報道を徹底的に押さえ込んだ東電が復活しつつある。
震災以前は、メディアが少しでも原発を批判的に取り上げると、電事連が「ご説明に上がりたい」と慇懃無礼な口調で連絡してきたものだが、その時の姿勢は変わっていない。
これまで各種団体などに大盤振る舞いしてきた会費などをカットしているが、その基準は「東電から人を出しているかどうか」だ。人を派遣している団体は会費を一律半減、派遣していない団体は全部打ち切る。つまりOB押し込み先温存が眼目だ。本気で内容を精査した上でムダな支出にメスを入れる姿勢は見られない。
それどころか、震災から半年、ほとぼりが冷めつつあると見たのか、リストラの手を緩めるかのごとき動きも見られる。震災直後、東電のワシントン事務所は「会費が払えない」という理由でワシントンの商工会から脱退した。撤退のポーズをとったが、事務所は閉鎖されなかった。世論の風当たりが緩んだ、と見て方針を翻した。
北京事務所も同様だ。原発を売り込む拠点として設置された。撤退やむなし、から、民主党政権が輸出計画の断念を決断できない間に、なし崩し的に存続の方針に変わった。
東電の舵取りは勝俣会長次第だ。彼は、責任の一翼を担いながら、一向に辞める気配はない。
それどころか、8月、東電が川崎市で7千キロワットのメガソーラー「浮島太陽光発電所」の運転を開始したが、この建設工事を一括受注した東芝の広報担当者は勝俣の子だ。
癒着構造は温存されている。
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