語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【加賀野有理】健康サポート薬局 ~地域包括ケアシステム~

2017年01月12日 | 医療・保健・福祉・介護
 わが国は急速な高齢化社会を迎えている。それに伴う疾患も複雑化していて、医療体制の整備が急務となっている。
 そんな中、医療体制を支援する「地域包括ケアシステム」がスタートした。重度の要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるための医療、介護、住まい、生活支援の一体的な提供システムのことだ。
 その役割を担うものとして薬局や薬剤師は、これまで以上に地域における住民の病気予防や健康サポートに積極的に関わるよう求められるようになった。厚生労働省では、そうした役割を持った薬局を「健康サポート薬局」と位置付け、今年10月から都道府県への届け出を促している。
 健康サポート薬局が従来の薬局と違うのは、単に薬などを販売するだけではなく、疾病予防から介護に至るまでの幅広い視点と対応力を持っている点にある。
 自宅近くで「健康サポート薬局」を探しておき、いざという時、いろいろなアドバイスをもらうといいだろう。

□加賀野有理(サイエンスライター)「健康サポート薬局 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2016年月日)
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【食】冬の強い味方「しょうが湯」は手作りがよい

2017年01月12日 | 医療・保健・福祉・介護
  《甲》イトク食品「蒸し生姜湯」・・・・食品(ビートグラニュー糖、でん粉、生姜、加工黒糖、本葛粉、黒酢、寒梅粉、蜂蜜)、食品添加物なし。
  《乙》クラシエフーズ「旨辛 葛しょうが湯」・・・・食品(砂糖、でん粉、黒糖、しょうが、ナツメエキス、本葛、甘草エキス、桂皮エキス)+食品添加物(香料、増粘剤〈キサンタンガム〉)。
  《丙》クラシエフーズ「クラシエほっと飲料しょうが湯」・・・・食品(砂糖、でん粉、黒糖、イソマルトオリゴ糖、しょうが、羅漢果エキス)+食品添加物(香料、甘味料〈アセスルファムK、スクラロース〉)。

 (1)しょうがは熱帯アジアを減産とするショウガ科の多年草。古来より民間薬として、ひきはじめの風邪や咳・発熱・頭痛・吐き気・食欲不振などの幅広い症状緩和に利用されてきた食材だ。特有の辛味成分は強い殺菌力を持つショウガオールと新陳代謝を促進するジンゲロンで、香り成分のモノテルペン類ゲラニオールは健胃・解毒・消臭作用を持っている。
 そのため風邪の流行する冬場には「しょうが湯」「しょうが紅茶」など、しょうが商品が市場に出回る。しょうが湯はすりおろしたしょうがorしょうが汁に熱い湯を注ぎ、しょうが紅茶はスライスしょうがなどを紅茶と一緒に飲む。甘味がほしい時は砂糖や蜂蜜を加える。

 (2)原材料に食品が多ければ、とりあえず安全。さらにその食品が「台所」になじみが深いものが多く使われているほど、安全性は高い。
 その観点からすると、安全性が一番高いのは《甲》、次いで《乙》・《丙》となる。ビートグラニュー糖、でん粉、生姜、加工黒糖、本葛粉、黒酢、寒梅粉、蜂蜜は常備されていなくても台所になじみのある食品。だから、その製造方法に若干の問題があるにせよ、安全性はある程度担保されていると考えてよい。

 (3)《乙》・《丙》で使用されている各種エキス類はだしやブイヨンの味の基本となるうま味成分。エキスとはエキストラクトの略で主に畜肉、魚介肉や昆布などの熱湯抽出物または濃縮された水溶性の成分で、製品として肉エキス、魚エキス、酵母エキスなどがある。うま味成分が主体なので、うま味成分と同義に考えられているが、いくつかの懸念が指摘されている。
  (a)使われる原料の質。コストを抑えるために、多くは廃棄するような野菜屑や動物の粗悪な内臓が使用されていると推定される(むろん、きちんとした原料を使用しているメーカーもあるだろうが)。また、製造方法の多くは効率のよい「加水分解」で、製造過程での塩酸使用が問題視されている。食品扱いとはいえ、エキス類は問題点も多く、決して安全とはいえない成分だ。
  (b)香料、増粘剤、甘味料は一括名表示の添加物だ。天然と合成がある香料は、その曝露が喘息発作の主要原因であると指摘され、また、血液脳関門をたやすく通り抜けて中枢神経系に作用し、偏頭痛の誘因になっているとの指摘もある。
  (c)増粘剤は、使用目的によって安定剤やゲル化剤に区別され、しょうが湯には食感や喉ごしをよくするために添加され、甘味料として使用されているアセスルファムKは蔗糖の200倍、スクラロースは600倍の甘さを持ち、砂糖と比べてスッキリした甘味を持っているが、動物実験では肝臓障害や免疫力低下などが報告されている。

 (4)しょうがの歴史は古く、来御来は「薑(はじかみ)」と呼ばれ、『医心方』(現存する日本最古の医術書)では「傷寒、頭痛、鼻閉、眩漱、気の上衝の主治食で、吐き気をとめる。長く食べ続けると、体臭を覗いて、精神を明らかにする」と記されている。
 古来より伝承されてきたしょうがの薬効を生かすには、しょうが湯は手作りがオススメだ。

□沢木みずほ「冷え込む冬の強い味方「しょうが湯」は手作りしたほうがいいかも・・・・です」(「週刊金曜日」2016年12月9日号)
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