語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】柔和な人

2018年08月20日 | ●佐藤優
 <柔和な人たちは、さいわいである、彼らは地を受けつぐであろう。 --「マタイによる福音書」5章5節

 「柔和な人」とは、心が柔軟で、素直に神の教えを受け入れることができる人という意味だ。その意味で、「心の貧しい人」と同じである。心の貧しい人たちが「天の国」に入ることに対応して、柔和な人たちが地、すなわちこの世を支配することになるとイエスは言う。この世界を神の意志に基づいて保全するのは、神の意志に従う人であるということになる。
 ここでイエスが説くのは、神権による支配だ。こんなことを言うと顰蹙を買うが、実はキリスト教は人権を信用していない。なぜなら、人間は原罪を負った存在なので、悪から免れることができない。そのような人間が主張する権利は、ろくなものでないからだ。
 人権を普遍的価値と主張する欧米が行った帝国主義政策や植民地支配を客観的に見れば、神なしに生きていくことができると考える人権論者が、どれくらい危険な存在であるかがわかる。人間の限界を知り、神を恐れる者が政治に従事すべきである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「苦難に負けない言葉」の「柔和な人」を引用

 【参考】
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~
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