累計1,000万部超のベストセラー「チーム・バチスタ」シリーズの最新刊。前作『玉村警部補の災難』に続き、加納警視正&玉村警部補コンビが主人公の短編集。
今回の特徴は、四国霊場八十八ヵ所巡礼をBGMとしていること。最初の短編の冒頭で、弘法大師の波乱に充ちた生涯が、海堂尊一流のイキのよい文体で要約され、巡礼モードに引きずり込まれていく。
玉村警部補はまじめに歩いて巡礼するつもりなのだが、型破りの加納警視正が勝手に割り込んできたせいで、文明の利器を援用し、かつ、弥次喜多的な旅になってしまう。しかも、事件が相次ぐ。
本書もミステリーの片割れ。ネタバレにならない程度に結末に言及すると、海堂ドクターのライフワークらしいAi(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)が難事件解決に有力な役割を果たす。
残暑をしのぐにもってこいの、軽快なテンポの喜劇的ミステリー。
□海堂尊『玉村警部補の巡礼』(宝島社、2018)
今回の特徴は、四国霊場八十八ヵ所巡礼をBGMとしていること。最初の短編の冒頭で、弘法大師の波乱に充ちた生涯が、海堂尊一流のイキのよい文体で要約され、巡礼モードに引きずり込まれていく。
玉村警部補はまじめに歩いて巡礼するつもりなのだが、型破りの加納警視正が勝手に割り込んできたせいで、文明の利器を援用し、かつ、弥次喜多的な旅になってしまう。しかも、事件が相次ぐ。
本書もミステリーの片割れ。ネタバレにならない程度に結末に言及すると、海堂ドクターのライフワークらしいAi(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)が難事件解決に有力な役割を果たす。
残暑をしのぐにもってこいの、軽快なテンポの喜劇的ミステリー。
□海堂尊『玉村警部補の巡礼』(宝島社、2018)