2010/11/10upわかる目次 |
国語授業案中学「地球温暖化は人間のせいだ」5 国語サークル模擬授業参加者感想 |
*教授内容「読むことは知ることではない・判断することだ」
★(教員の方へ/模擬授業日2010年11月6日)
「この模擬授業について、思ったこと・気づいたこと・考えたことを書いてください」
(模擬授業を受けてくださったのは6人。すべて公立中学校・国語科・担任です)
(1)M・Aさん
はじめて知った情報がたくさんありました。
「内容は B 本当ではない」という選択肢があるので、
本当ではない情報もあるのかなと思いました。
「B 知らなかった」を選ぶと内容はBかCを選ばざるを得ないと思いました。
実際は地球温暖化は人間のせいなんでしょうか?
答えを知りたいです。
質問:内容を理解できない生徒は、どうやって○をするのでしょう?
それから、この授業の目的を知りたいです!!
① 地球温暖化が人間のせいかどうかは、自分で調べて考えなさい、と伝えたいです。
② 内容を理解できない生徒…考えませんでした。授業は流し続けると思います。
③ 授業の目的は「読むことは知ることではない・判断することだ」と理解させることです。
ただ本音は国語サークルメンバーが地球温暖化について
どれくらい知っているか知りたかっただけです。
(2)M・Mさん
途中からの参加、失礼いたしました。
「地球温暖化」とは身近なもので、
自分にとっても十分に内容を知っている事柄だ
というぐらいに思っていたのですが、
実際に詳しく触れてみると、知らないことが沢山あるんだなと改めて感じました。
中でも特に驚いたことは、
人間の産業活動よりも砂漠の方がより二酸化炭素を排出しているのだ
ということでした。
ありがとうございました。
① MMさんからも質疑の時間に「答えは?」と訊かれました。上記通りお答えしました。
② 模擬授業と関係ありませんが、若手でMMさんだけが同僚の教員のかたを、
「**センセイ」ではなく「**さん」と呼んでいらっしゃいました。
僕は、教員同士が「センセイ」と呼び合うのをとても気持ち悪いと思っています。
教員以外からも、おかしいと思われているだろうと感じています。
(3)Hさん
問い12の文章が出てきた時に、「あれ?」さっき同じ文章があった・・・。
ということで、ないような知らなかったことが、
どこかでこの説を読んだから「知っている」に丸をつけたのですが、
これでよかったのでしょうか?
たくさんの説を読むことで知識量は増えていきます。
しかし、それをうのみにするのではなく、
自分で判断して何が事実であるかということを吟味することが大切だと思いました。
この授業は最終的にどこにむかっていくのでしょうか?
ぜひ知りたいので教えてください。
テンポが速く、とても集中して授業を受けられました。
評価も一人一人にして下さったので、次やる時のポイントなども意識できました。
① 「これでよかったのか」どうかは、僕には何とも言えないのです。
② 「どこにむかっていくか」あまり考えずにやりました。
以前から、マスコミがあまりにも当たり前に、
地球温暖化・人間・CO2の問題をつなげるのにうんざりしていました。
理科の先生に訊けばすぐ答えてくれますが、温暖化と人間の行為の関連が薄いことは、
以前からわかっていたことだそうです。
(3)Sさん
「~ですよ」と言われることの中には、知っていることもあるけれど、
「本当かどうか?」と聞かれると、
案外はっきりと言い切ることはできないのだなあ、と思いました。
結局、私は地球温暖化の研究をしているわけではないので、
どの文章も本当かどうかは分かりません。
人はたくさんの情報から知識を得るけど、
こうたくさんありすぎたら大変だなあと思いました。
① 本当かどうかは、誰も答えを出してくれないということです。
② 『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書) 竹内 薫』
は、人生観を変えてくれるとても面白い本です。
(4)Tさん
同じ文章を読んでいるにも関わらず、答えが同じにならなかった。
それはなぜかと言うと、内容の一部を知っているような気になってしまったからだ。
また、用語が難しかったため、理解することに時間がかかり、
文章の途中から、訳がわからなくなってしまったためでもある。
結局答えはどうなのだろう?
① 質疑の時間に、
「中学3年生には文章が難しすぎる」
「速く読ませすぎる。生徒が理解できない」
という指摘を多く受けました。
万が一、僕が授業できたら、気をつけたいです。
(5)A・Cさん
・ずっと緊張感を持続させられるのがさすがです。
・たくさんほめていました。ほめられるとうれしいです。
・スピードはずいぶん速いですね。
中学生では無理でしょう。
自分でも文章は短いのに頭の中に入ってくる前に判断を求められて、
かなり辛かったです。
でも後半になると慣れてくるものですね。
・横書きの意図は?
・実際世の中に出ると、たくさん読んで(情報をとり込んで)
どんどん判断することが必要なので、
こういうトレーニングもありかなと思いますが、ちょっときついかな。
・「物事にはいろいろな見方がある」という点では、
いい題材だと思います。このトレーニングは絶対必要ですね。
① A・Cさんは「・」をつけて箇条書きなさいました。
僕もこういう箇条書きのときは、必ず①、②と番号を振ります。
職員会議の提案文書や、指導案でも同様です。
こういう書き方を教えることは、とても重要です。
② 「横書きの意図」は、ネット上の文章は99.999パーセント横書きだからです。
現在「新しい情報」を得るとき、インターネットを検索しない人のほうが稀です。
「横書き」を読むことのほうが、普通なのです。
縦書きは、文系の文章形態です。
レポートの書き方類の著作で、縦書きを奨励するものはないはずです。
「聴写」のすすめのすすめ・メモ能力の重要性
に書きましたが、
国語授業で「横書きの読み書き」の授業が必要です。
(6)A・Mさん
① ねらいは面白いし、題材もよいです。
② ただ、全体として投げ出しすぎで、方向性が示されないので、
何を学んだか整理ができない。
それが目的なら一つわからないでもないが、宙ぶらりんでおわっています。
③ ちなみに、C どちらとも言えない、は「逃げみち」になりやすいので、
この場合適してない気がするがどうですか。
④ でも、異論を闘わせるという方法論は
「何か」を生むだろうという気はするのだけど。
① A・Mさんは①、②と番号を振って箇条書きなさいました。
② 宙ぶらりんは、質疑でも多くのかたに指摘して頂きました。
③ 「どちらとも言えない」は、世の中のほとんどすべてのことがどちらとも言えない、
という点で、項目に入れざるを得ないと判断しました。
④ 「詰めていない」「模擬授業」であったことは、皆さんの指摘どおりです。
<最後に>
(1)模擬授業時間は「18分25秒」でした。長すぎました。
穴があったら入りたい気分です。
(2)今、いちばん関心のあることを取り上げました。
それでいいと思っています。
(3)最重要事は「模擬授業をすること」だということです。
詰めていない模擬授業につき合わさせて、申し訳ありません。
しかし、詰めていなくても模擬授業をしないよりするべきです。
(4)もしも、お時間がありましたら、
「模擬授業にこだわるのは」
をお読みください。
(以上)