暑いとは言えさすがにこの歳で、海に入る気にはなれませんが、海が好きで浜辺
には時々出かけます。
あのさざ波が「サーッ」と砂にしみ入る(心にも)音は、気持ちを穏やかにしてくれま
す。
今日も浜辺には、この焼けつくような暑さにもめげず、「浜昼顔」が彩を添えていま
す。
「君の名は」
君の名は・・・と たずねし人あり
その人の 名も知らず
今日砂山に ただひとり来て
浜昼顔(はまひるがお)に きいてみる
この歌は、昭和27年に始まったNHKのラジオドラマ(テレビのない時代の大河ドラマ?)
「君の名は」の主題歌で、「はまひるがお」の歌詞が挿入されています。
この「君の名は」こそが、「放送が始まると風呂屋が空になる」と言わしめた、今で
云う超高視聴率の元祖ドラマです。
終戦前の首都大空襲の混乱の中で、ヒロイン真知子(岸惠子)と春樹(佐田啓二)は
出会い、お互いに魅かれつつも、名も知らぬまま、数寄屋橋の上で半年後(そのま
た半年後)の再会を約束しますが、その後のそれぞれの人生の中ですれ違い重な
ってどうしても会う事が出来ず・・・真知子は心ならずも人の妻となる・・・「会えそう
で出会えない」焦(じ)らせドラマ(韓流・冬のソナタ風?)のはしりとでも言うのでしょうか?
ドラマは世の女性達の期待を背に、次第に盛り上がりを見せて、佳境へと展開し
て行きます。
主題歌に「浜昼顔」が出て来るのは、ドラマのあらすじ同様に、過酷な条件の下で
咲く浜昼顔の花と、真知子のイメージを重ね合わせたものでしょうか?
このドラマに夢中になったご婦人方(今は80歳前後の)、当時大流行したマフラー
の「真知子巻き」にきっと覚えがあるでしょう!
そう言えば、このラジオドラマのナレーションに「忘却とは忘れ去ることなり。 忘れ
得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」と云うのがあり、当時まだ幼かったはずの私なの
に何故か良く覚えています。
そうでした・・・これは太古の昔の話ではなく、ほんの少し前の話でした・・・・
~今日も良い一日であります様に~