とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

原発事故の被災地「がれき」

2012年01月18日 | 防災・減災=災害に強いまちづくり
大阪府は、昨日「大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理の指針」(12月27日発表)の説明会(市町村・一部事務組合等対象)を開いています。ネット上で会議の様子が公開されていますが、そこには島本町の担当管理職の姿が映っていました。報道などでご承知のように、前橋下大阪府知事のもと受入を表明し、検討会を開いて指針を定め、そのうえで府域の市町村、一部事務組合(複数の基礎自治体が広域連携で組合を設立して共同処理する方式のひとつ)に「協力」をもとめた説明会でした。

被災地の災害廃棄物受け入れついては、大阪府の検討会議での結果を踏まえて可否を判断するというのが島本町の考え方です。これについては、会派「人びとの新しい歩み」でともに活動している平野かおる議員が12月議会の一般質問で質し、職員や住民への説明、了解なしに受け入れを決めてはいけないと強く主張しました。平野議員は、寝屋川市が「市民の安全のために受入れない」と表明していることを示したうえで、住民の安全に責任をもつ町が決めることではないかと町長の答弁を求めました。

町長は、放射能を拡大してはならないことが大原則であるとしながらも、被災地のがれきは復興をはばんでおり日本全体の課題でもあると、必ずしも受入れを否定しない表現をしました。災害廃棄物を広域的に処理して東日本の復興を支援するのは当然のことですが、放射性物質に汚染された廃棄物となると、まったく話が異なります。放射性物質の拡散を止めるために、自らの危険を顧みず、あるいは自らに課せられた使命によって、いったいどれだけの方がどれだけの努力を事故現場でされたのかを思い出せば、答えは簡単にでるはずです。今になって「がれき」を運搬、移動することによって広域的に拡散するなど、わたしはとんでもないことだと考えています。

土壌、水、大気への拡大、拡散につながるがれき受け入れに、わたしは反対。若者や育児に責任を負う世代が、不安とともに暮らすことは避けなければなりません。引き受ければ現地の方の放射性物質への不安が減るでしょうか。被災された方は、放射性物質への不安に怯える暮らしを全国に引き受けて欲しいと思っておられるでしょうか。ひとたび事故が起これば、災害廃棄物の広域的処理がかなわないのが原子力発電所の宿命であり、真実であるとわたしは考えます。そして、それは既に起こってしまった。

松本市の菅谷(すげのや)市長は外科医で、5年にわたりチェルノブイリ原発事故の被爆者、子どもたちの治療にあたられた方ですが、10年後が甲状腺がんの発症のピークになるだろうと述べておられます(日経ビジネスのインタビュー記事2011.4.18)。先月、府の検討会を何度も傍聴された住民の方の報告(「ぴあねっと・百万年の会」12月の例会にて)を聴きましたが、災害廃棄物、すなわち放射性物質を拡散する可能性が高い「がれき」の埋め立てに関して、「埋め立てた場所には公園をつくり、子どもたちが寝転んで遊べる環境にする」というような発言があり、その際、傍聴席がにわかに大騒ぎになったと・・・傍聴席には、小さなお子さんを連れた子育て世代の方が男女を問わずたくさんおられ、抗議の声でいっぱいになったそうです。

受入れのひとつの基準として、バグフィルターが設置された焼却場であることが示されていますが、そもそもこれはダイオキシン対策のために設置されているもので、放射性物質の除去効果があるという保証はありません。焼却灰は、まちがいなく高濃度の放射性廃棄物となります。濃縮された焼却灰の埋め立てに関して、一般廃棄物の処理場の建設の際に近隣地域に市民の憩いの場を開設するのと同じ感覚で「公園」をつくり、子どもたちが遊べるようにすると発言するなど、放射性物質についての認識があまりにも浅いのではないか。受入れを前提とした検討会には、怒りにも似た疑問があります。

拡散はダメ、一歩引いて、これが外国での出来事と想像してみればよい。ある国で起こった原発事故の災害廃棄物をその国全体で処理するというニュースを美談だと思えますか。汚染区域の採石場の石が復興のためのマンションの基礎工事や道路補修に使用されるなど、政府にも、多くの国民にも、放射性物質についての認識は浅く、起こってしまってから取り返しのつかないことが繰り返されています。たとえ復興支援でも放射性物質の拡散に反対です。

そもそも、老朽化が進み、膨大な費用をかけて長寿命化しなければならない島本町の焼却炉での処理にどのような影響をもたらすのか、その詳細もわからない廃棄物を受け入れて大丈夫なのか。府域にある焼却炉は、設置場所も処理方法もそれぞれに異なっており、島本町は島本町の独自の判断で、住民議論と理解を経て、自ら判断しなければなりません。ご意見をお寄せください。


画像は、島本町の清掃工場のバグフィルター 全長約6メートル
掃除機のフィルターのような役割をしています
ダイオキシンを除去がその目的です

13日、市民グループの清掃工場見学に同行(同行議員は平野議員、外村議員と戸田)
震災時の稼働、災害廃棄物受け入れなど素朴ながら鋭い質問に
工場長が丁寧に誠実に答えていました

稼働中の焼却炉を「安全な状態に落ち着かせる」だけの発電能力しか備えていないことを
今回はじめて知りました(何度も視察しているのに、勉強不足でした)
コメント (2)
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