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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

新潟県三条市へ、研修テーマは給食

2015年11月19日 | やります!子ども・子育て・人びと支援
一カ月も前のことになりますが、10月21日、22日、民生教育消防委員会の研修で石川県かほく市と新潟県三条市に行ってきました。石川県かほく市では「総合型スポーツクラブ「クラブパレット」の取り組みについて、三条市では「次世代を担う子どもたちへの食育と完全米飯給食」について学びました。

三条市への研修は戸田が希望したものです。基本週5日米飯とした「完全米飯給食」は既に複数市で取り組まれていますが、三条市は牛乳の提供を試行的に停止されたことで注目され、その検証の結果を知りたいと思い提案しました。

三条市は、新潟県のほぼ中央に位置し、人口は平成27年9月末現在101,109人。多様な農産物に恵まれる一方、三条鍛冶の伝統を受け継ぐキッチン用品、大工道具、リビング用品、住設機器などの金属加工を中心とした金属産業都市です。

以下、三条市における食育推進と学校給食について学んできたことをご紹介します。

食育推進の経過
三条市では、平成15年には原則米飯(月に1,2度はパンまたは麺類)の学校給食を導入され、平成16年、食育推進室を設置、公衆栄養、給食、農業の連携に取り組むと同時に、保育所食育推進事業を開始されました。

保同年、特別栽培米(農薬等ガイドラインをクリアした県の認定米)の導入を開始、市内全校に導入(=残留農薬の心配を払拭)した時点で保護者の了解を得て平成19年度より七分つき米を導入されました。

平成20年には有機栽培米を導入(現在、全量の2割に至る)、完全米飯給食へ移行、パンや麺類の日を例外なくなくされました。平成24年には自校方式による学校給食(ただし翌年、共同調理場は民間委託)にされています。

学校給食と食育
学校給食が子どもたちの食事に占める割合はわずか17%、だからこそ本当によいものを提供したいと三条市は考えておられます。安心安全の視点からではなく、大人になったとき選んでほしい食事を提供し、米飯、和食を習慣化して、食を選び取る知識と技術を身につけることをめざしておられます。

なおかつ、すべての小学5年生、中学1年生を対象に身体測定・血液検査を行い、要指導、要受診の児童生徒と保護者に生活改善への支援を行い検証されています。さらには医師会、栄養士会からの助言と協力により、県立高校での授業支援もはじめられました。

企業(北陸ガス)の要望もあって、調理体験を通じて調理技術を身に着ける取り組みとして「食生活の自立」「食生活とスポーツ栄養」「自分でできる健康管理」の授業、三条市の多くの子どもが多く進学する県立大学で支援されています。

学校給食と牛乳
平成18年。保護者より市長に「ご飯を主食にした給食に牛乳は合わない!」とたよりが届いたそうです。市長の英断もあり、翌年度、牛乳飲用と昼食の分離を試行されますが学校側の反対が多く棚上げになったそうです。

平成25年12月、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを機に、次世代へ和食を継ぐ取り組みとして、平成26年12月~翌3月までの4か月、牛乳の提供を試行的に停止され、全国的に注目されることになりました。

しかしながら、検証の結果、残食には大きな変化がみられなかったものの、中学校給食において、栄養面で脂肪、ビタミンB2がやや不足気味、塩分が過剰となる傾向があるとわかりました。同じ食材の多用等により献立内容が固定化、なおかつ洋風化し、本来の目的を阻害するものになってしまったそうです。

いずれも国の定める栄養基準を遵守するなかで生じる矛盾ともいえますが、結果として牛乳廃止の実現には至りませんでした。平成27年2学期からは牛乳飲用時間(ドリンクタイム)を設けて牛乳飲用と昼食を分離されています。


ふりかえって
2000年以上も続いてきた米を主食に、主菜、副菜、汁物がそろった「お膳」のかたちとすることは、特別なことではなく自然なことです。三条市の学校給食における食育の考え方が先進的と呼ばれる現状に冷静な目を向け、来年度から始まる学校給食には米飯中心の考え方を求めていきます。また、国政レベルで見直されるべき問題であることも理解できました。

三条市の牛乳廃止への取り組みは、よくかめば食事中の飲み物は不要!、おかずとご飯、汁物を交互に上手に食べることで薄味に対する味覚形成を促すことができるという考え方がベースになっています。食育という言葉が腑に落ちた研修となりました。

お忙しいなか丁寧な説明で対応してくださった三条市職員のみなさんに感謝申し上げます。


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