とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

92枚の駒で指す中将棋のこと

2012年11月08日 | もっと文化を!そして歴史を!
一昨年より、水無瀬駒のふるさと・大阪府島本町で行われている「中将棋(ちゅうしょうぎ)公開対局」ですが、そもそも中将棋とは、どのようなものなのか・・・わたしは、このことに注目し、水無瀬駒ゆかりの水無瀬神宮で中将棋を復活させたいと願っていました。

水無瀬神宮での中将棋対局は、近江神宮の競技かるた会に匹敵するものになり得る!と閃きました。中将棋の愛好家、日本将棋連盟、水無瀬駒研究家、島本町教育委員会、多くの方の思いが集まって機が熟し、国庫補助金を獲得によって思いもかけないスピードで願いが実現しました。同時期に多方面でたくさんの方が行動されていました。

ところで、中将棋ってなんでしょう。

以下、文責は戸田になりますが、実はわたしは将棋のルールをまったく知りません。中将棋という、多くの日本人に知られていない伝統将棋の初期配置図をインターネット上でみつけ、こ、これはなんだ!指せる人がほとんどいないとは、どういうこと?と調べはじめたのが興味の入り口で、今なお、それ以上の知識がないのです。よって間違っていることもあるかもしれませんが紹介します。

さて、江戸時代以前の貴族社会で愛好された古将棋(こしょうぎ)のひとつで、92枚の駒を使用します(現在一般的に指されている将棋は40枚)。敵から取った駒を味方の駒として自由に使うことができないところが現代将棋と異なる点です。

昭和初期には京阪神を中心に盛んに指されたという中将棋、大山15世名人(中将棋を特に愛好)亡き後、中将棋を指される方が少なくなったのですが、近年は一部の熱心な愛好家がインターネットを通じて対戦されるようになりました。インターネット上での愛好家の交流がなければ幻の将棋となっていた可能性があります(大将棋などはそうなっている)。

駒の並べ方をみていただくとわかりますが、92枚の駒には「獅子」「麒麟」「酔象」など興味深い名前の駒がたくさんあります。特に「獅子」は中将棋の花形と呼ばれる豪快な駒で、1)全方位に一マス=玉将(王将)と同じ動きができる、2)全方位に二マス。そのとき相手駒が隣接する一マス目にあっても飛び越せる、3)玉将(王将)の動きが一手で2回続けて可能です。

1)と1)、あるいは1)と2)の組み合わせによって、敵駒を2枚獲得できたり、敵駒を獲得して元のマス目に戻り、いながらにして敵駒を取る「居食い」と呼ばれる手ができたり、敵駒のいないマス目に動き、元のマス目に戻ることによって結果的に動かないことになる「じっと」と呼ばれる手があったり(パスと同効果)、なかなか面白そうなのです。

ダイナミックで複雑、難易度が高いと思うのですが、子どもは素直に興味を示し、覚えてしまうようです。捕り駒が使えないというのも大きな特徴で、チェスと同じところが海外で受け入れやすいと聞き及びます。ドイツにも中将棋愛好家の組織があるらしい・・・。

相手の駒を見方につけることができる現在のルールは、後に武家社会で成立して今に至っているそうです。また、水無瀬駒は王将ではなく玉将と玉将が対峙するのが特徴ですが、本来、将棋は金銀銅玉など財宝(貴金属や宝石ですね)の奪い合いだったそうで、後の時代に武士社会で指される将棋において、片方が王将になったという説もあるらしく、興味深いことです。

水無瀬駒ゆかりの水無瀬神宮のある島本町で開催されている中将棋公開大局・中将棋教室は、中将棋の面白さを実際に知っていただく貴重な機会となっています。地味ではあっても実は全国的に注目されつつあります。地味でもよい、文化的・社会的に意義がある取り組みです。

このことを将棋ファンだけではなく、島本町民にももっと知っていただき、応援していただきたいと願っています。島本町のみなさん!将棋に興味のある方もない方も、中将棋公開対局をぜひご覧ください!もちろん町外からのご参加も大歓迎です。みなさんのご来場をお待ちしています。今年はケリヤホールで行われます。※昨日UPしたブログ記事に詳細


画像は、島本町の依頼を受けて熊澤良尊氏が作られた中将棋駒
現在普及している駒よりも厚みがあって重厚な感じです

島本町では紙で盤と駒をつくって、おじいちゃんと
自宅で対戦しているちびっ子(幼稚園児)もいます
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島本町で水無瀬駒を楽しもう

2012年11月07日 | もっと文化を!そして歴史を!
今年も島本町で、中将棋公開対局をはじめとする「水無瀬駒」にちなんだ地域活性化事業が開催されます。文化庁の「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」として認められ、文化芸術振興補助金を得て実現しました。

◆将棋の聖地水無瀬神宮で開かれる「中将棋公開対局」が注目されています
中将棋公開対局
11月23日(祝)午後1時から
会場
島本町ふれあいセンター・1階ケリヤホール(JR島本駅から徒歩7分くらい)

入場無料
対局棋士
日本将棋連盟四段・牧野光則 対 日本将棋連盟女流初段・伊藤明日香
解説
神崎健二七段
聞き手
高浜愛子研修会員
ふれあいセンター徒歩地図

□「水無瀬駒」とは・・・
水無瀬神宮に現存する水無瀬駒(小将棋一組・中将棋駒92枚の内歩兵一枚を除く91枚・中将棋駒4枚)は、平成20年7月に施行された「島本町文化財保護条例」に基づき、町指定文化財の第1号に指定されています。

能筆家として知られた水無瀬兼成(1514年~1602年)の作で、主に高級材である黄楊(つげ)を用い、作者と制作年が特定できる日本最古の将棋駒といわれています。以降、水無瀬家は四代にわたって将棋の駒銘を書き「駒の銘は水無瀬家の筆を以って宝とす」といわれたそうです。

「水無瀬駒」は水無瀬家で作られた将棋駒の総称ですが、兼成は特に有名で、天皇や公家、大名などの依頼により、記録に残るだけでも70歳代以降に700組以上の将棋駒の字を書いています。水無瀬駒の字体は現代の将棋駒の文字の手本となり、今なお「水無瀬」はもっとも人気のある書体だそうです。

関連資料として併せて文化財指定されている「象戯圖(しょうぎず)」は、同じく水無瀬兼成の書いたものといわれ、6種の将棋の初期配置、表裏の文字、駒の進め方などが図面で示され、この時代の将棋の指し方を具体的に示す資料として大変貴重なものとなっています。今年はこの「象戯圖(しょうぎず)」の実物が特別展示されます(下記)

将棋に興味のある方もない方も、今年は中将棋公開対局をぜひご覧ください!


◆同時開催!新たな企画の「水無瀬駒ストラップづくり」
11月23日(祝) 午後1時~3時
島本町ふれあいセンター・1階集団検査室
材料費200円

◆老若男女で大盛況の「中将棋教室」が今年も行われます!
中将棋教室
11月17日(土)&12月1日(土) 
いづれも午後2時~4時
会場
島本町立歴史文化資料館(JR島本駅改札出て左、徒歩1分以内)
参加費無料
どちらか1回でも両方でも参加していただけます
棋士のみなさんが丁寧に指導してくださる日本で唯一の中将棋教室

◆「水無瀬駒関連資料の展示」が行われています
水無瀬駒関連資料の展示
10月31日~12月9日(月曜休館)午前9時半~午後5時
島本町立歴史文化資料館
※特別展示をお見逃しなく!
象戯圖実物展示 11月17日(土)11月18日(日) 午後10時~4時

□お問合せ
島本町「水無瀬駒」による地域活性化事業実行委員会
(島本町教育委員会・生涯学習課内)075・962・6316(直通)



画像は、昨年の中将棋公開対局後の「感想戦」の様子
解説は神崎健二七段と女流棋士伊藤明日初段

12×12の中将棋大盤はこの日のために
熊澤良尊氏(水無瀬駒研究)が特別に作成

92枚の個性的な駒の動きを再現し、対戦終了直後に
各局面における最善手などを検討する感想戦はこの大盤あってこそ!
他では決してみられない日本で唯一の「中将棋感想戦」になります

今年は伊藤明日香初段が昨年の勝者牧野光則四段に挑戦
水無瀬駒を活かした島本町の地域活性化事業
ますます面白くなってきました
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辻元清美さんの永田町航海記

2012年11月05日 | とだ*やすこの活動日記
「衆議院議員・辻元清美の永田町航海記」in島本が開催されます

11月11日(日) 午後6時15分~7時30分
島本町ふれあいセンター 2階年長者座敷
ゲストは東京から。女性学のパイオニア、上野千鶴子さんです。

上野さんといえば「おひとりさまの老後」。この度、島本町に来られるというので本を購入、少し目を通しました。「なるほど!もっとも!」と「う~ん、そうはいっても」という思いが半分半分でしょうか。強い人、恵まれた人、頑張れた人には共感できる内容かもしれないけれど、わたしには無理・・・というのが正直な印象。

結婚していようがいまいが、だれでも最後はひとり。確かにそうですが「おひとりさまの老後」という言葉のニュアンスが、わたしはどうも好きになれません。

もっとも、上野千鶴子さんの経歴をみれば、「わたしには無理」などとわが身に比べて考えること自体どうかというものです。1994年『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞を受賞されています。売れるタイトルの売れる本の内容で安易に判断するのではなく、社会学的にキチンとお話を聴いておきたい。

11日夜、島本町ふれあいセンターで、性差を問わず自立して老後を迎えることの意味を考えたいと思います。そして、そのために政治がどうあるべきか、辻元清美さんの考えも聴きたいところ。上野千鶴子さんを島本町にお呼びすることはそう簡単に実現するものではありませんから、みなさん、ぜひお運びくださいませ。

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もっとたくさんのお米を食べよう!

2012年11月03日 | やります!子ども・子育て・人びと支援
完全米飯という言葉をご存知でしょうか。学校給食において週5日の米飯を基本にし、米飯を中心にした献立が見直されつつあります。わたしは、一昨年の今頃、NPO再生塾で川西市のまちづくりについて調査研究して以来、島本町での「完全米飯」実現に強い思いをもっています。

それはなぜか・・・

和食が中心となる完全米飯は、肥満、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病予防につながるといわれています。また、地元の米、野菜などの消費拡大によって、安全な食材の確保、生産者との交流による食に対する感謝の心が育まれると期待できます。

箸を使い和食に親しむことで、伝統的な日本の食生活が身につき、地域の食材を使用することで郷土への関心を深める機会となるという考え方もあります。10月に総務文教委員会研修で訪ねた静岡県・三島市も、これらの点から米飯食を段階的に導入され(週3日、4日)、現在は週5日、米飯を軸とする和食の献立にしておられます。

輸入に頼らざるを得ない小麦、アレルギーの原因になる添加物の含まれた加工品が少なくなる点も見逃せません。月に幾度かは麺の日、パンの日があるとしても、朝ご飯にパン、お腹がすいたらインスタントラーメンという食生活が珍しくない若者が多い現代では、給食でお米のご飯を食べることは、極めて理にかなっていると思います。

夕食までの間食が減るという効果もあるそうで、成長期の生徒の放課後のクラブ活動の充実にもつながるはずです。ただし、三島市が生徒・保護者に行われた米飯給食についての食育アンケートの結果によると、生徒は必ずしも週5日の米飯給食について「よい」と思っているわけではありません。

にもかかわらず、80%近くの生徒が「美味しい」と答えている点は興味深いところです。「生徒たちは本来素材のよいものを見抜く力があり、ご飯・アジの干物・切干大根・豚汁などは意外に好評です」「味覚の熟成こそが大事」と女性担当職員がおっしゃいました(おそらく栄養士さん)。本当にそう思います。

なお、米飯導入に際して、パン業者ならびに製麺業者からの要望が文書で提出されたそうですが、炊飯の委託業者がパンを搬入していた業者と同一であったこと、同社は既に広範囲に給食食材を担当し事業規模が大きくなっていることなどから、実際には、三島市の米飯導入がパン業者に及ぼす影響は少なかったようです。

いずれにしても業者の事情を鑑みて妥協することなどなく、生徒自身に向き合って、どのような給食が望ましいのかを検討することが肝要です。島本町でも平成28年度から実施される中学校給食は、ぜひとも米飯を軸にしたい、そうすべきであると訴えていきます。


画像は、大根の葉っぱをお雑魚と花かつおと胡麻でさっと炒めたもの
地元の桜井の葉っぱつき大根が手に入ったら作る我が家の定番

これをパンと牛乳で食べるなんて無理
想像できません!!
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静岡県で中学校給食を学ぶ

2012年11月02日 | やります!子ども・子育て・人びと支援
10月中旬、所属している総務文教委員会の議員研修で静岡県・三島市に行ってきました。学びのテーマは中学校給食。三島市では、中学校全7校、約3000人の生徒を対象に、自校親子方式、委託方式で中学校給食を実施されています。

平成7年9月「三島市議会給食問題特別委員会」を設置され、平成10年に、教育制度の一環として「中学校給食を早期に実施すべき」と議会より提案をされていました。導入にあたっては、平成11年5月に「中学校給食実施検討委員会」設置、学校現場の視点から実施に際しての問題点などを検討されています。

さらに「実施検討庁内特別部会」「実施検討会」「運営検討会」などを経て、入念に検討を重ね、導入されていることがわかりました。そうした過程で、財政状況、敷地の確保の点から自校親子方式をベストの選択と判断されそうです。

平成13年度の予算編成において、共同調理場建設工事・配膳室改修工事・調理・配送業務委託等を可決され、平成13年度中に、説明会を随時開催、「中学校給食運営委員会」を設置、平成14年度から開始されています。

その後、平成22年度からは週5日の米飯、いわゆる完全米飯給食を実施されているのです。これらの経緯は、ご提供いただいた資料「三島市中学校給食の概要」に「沿革」として時系列で記されてしました。一方、島本町教育委員会は、現時点で詳細はなにも決まっていないとして、検討の過程を文書化していません。

小さな自治体の規模で、ひとりひとりの担当職務の守備範囲が広いことは理解していますが、記録するということの意義は深く、情報提供(未来への情報提供を含む!)に誠実であってほしいと思います。

三島市の中学校給食は、食材受注までは市の栄養士が担当されていますが、調理業務は民間委託。調理員の人事管理の必要がなく事務が軽減できる点を利点とし、委託業者のスキルによって調理業務の質が左右される点を欠点と認識されています。後者については、島本町でもこの春から入札により業者が変わった第4小学校の給食が、急に美味しくなくなったという問題がありました(改善されたとのこと)。


思うに、中学校給食施設整備事業費=初期投資は、わが町の財政状況からして重い負担ですが、そうだとしても、府の補助金(イニシャルコストのみ)と起債によって将来にわたり公立中学校生徒の体力、体格、体質を育む給食導入が実現するならば、望ましいこと。

給食費の保護者負担については、食材の安全安心性の確保、生産者の育成などの視点から、総合的に考慮して社会的に妥当な金額に設定することが大事であり、安易に保護者負担を軽減することを目的とせず、生産者に無理な負担をかけない持続可能な運営を考慮する必要があると思っています。三島市の中学校給食費月額は4991円、1食305円でした。

また、特筆すべき点として、三島市では給食の廃油を業者に販売して得た利益を、食材の放射能検査費用に充てておられます(これはよい考え!)。食の安全安心、環境への配慮、財源の確保、こういった視点はぜひとも見習いたいです。

島本町の場合、府の方針によって導入を検討した経緯があるので、今後は、教師、保護者からの意見徴収を含めて教育現場で検討を重ね(「中学校給食実施検討委員会」などの設置)、教師、保護者、生徒の視点から、課題、問題、要望を精査する必要があります。みなさんの関心をお寄せください。


画像は、過日、自主的な行政視察で訪ねた
高槻市のある小学校の給食調理室の様子
11月から先行的に小中学校親子方式を導入されます

オスマン帝国の宮殿(トルコ共和国のトプカプ宮殿)に
展示されていた巨大調理具のような大鍋!
給食調理室は食品工場並みの衛生管理が求められる

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