JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
愛国駅発行 愛国駅観光記念 普通入場券
本日2月14日はバレンタインデーです。バレンタインデーは世界各地で「恋人たちの日」として祝われており、日本でも、女性が男性にチョコレートを贈る日として知られています。
バレンタインの由来は3世紀のローマにまでさかのぼり、ローマ皇帝・クラウディウス2世が、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で兵士たちの婚姻を禁止しておりましたが、その政策に反対し、隠れて多くの兵士たちを結婚させていたキリスト教司祭のバレンティヌスに因んでいます。
その噂はやがて皇帝の耳に入り、怒った皇帝は、ウァレンティヌスに二度とそのようなことがないように、またローマの宗教に改宗するように命令しました。しかし、ウァレンティヌスは愛の尊さを説きその命令に従わなかったため、西暦270年頃の2月14日に処刑されてしまいます。
後世の人々はヴァレンチノ司祭の勇気ある行動を讃え、彼を愛の守護聖神「聖バレンタイン」としてまつるようになり、ヴァレンチノ司祭が処刑された2月14日を「Saint Valentine’s Day(=聖バレンタインの日)」と呼び、お祈りをするようになったということです。
バレンタインデーのうんちくはこの辺までにしておいて、今回はバレンタインに因んだものを御紹介したいと思います。
1986(昭和61)年9月に、1987(昭和62)年2月に廃線となった広尾線愛国駅で発行された観光記念の普通入場券です。
左側にイラストのあるD型大人専用券で、札幌印刷場で調製されたものと思われます。発行駅は愛国駅になっていますが、この券は広尾線の起点駅にあたります帯広駅で購入したものです。
当時、国鉄では入場券ブームにあやかって、増収策として各地で観光記念入場券が乱発されていましたが、この券もそのなかの一つになります。
裏面です。券番の他に「コメント」が印刷されています。
この券が発券された年の6月に新たに釧路鉄道管理局が発行したようですが、2~3ヶ月の間に500枚を超しており、まずまずの売上のように見えますが、当時は釧路局管内のみどりの窓口では大抵発売されておりましたので、駅ごとに割り当てされており、帯広駅だけで500枚以上が発売されたのではないため、実際にどのくらいの枚数が発売されたのかは分かりませんが、おそらく帯広駅と釧路駅がツートップだったのでは無いかと思います。
「コメント」部分を拡大してみました。
> サァー愛の国への旅立ちです。
と、いかにも当時の国鉄の企画担当職員が考え出しそうな出だしで始まります。