昭和駅発行 100円区間ゆき片道乗車券

1980(昭和55)年5月5日に鶴見線の昭和駅で発行された、同駅から100円区間ゆきの片道乗車券です。


   

桃色こくてつ地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。

同駅は1971(昭和46)年の無人化以降、駅での乗車券類の発売は券売機による発売のみで、昭和の時代には近隣の商店による乗車券の委託発売が行われていた時期もありましたが、現在は券売機も撤去され、一切の発売がありません。


御紹介の券は昭和55年5月5日で「5並び」の日であったことから国鉄が「記念用」として同駅で出張発売されたもので、発売日の数字がゾロ目で並ぶ日のきっぷが記念用に発売されてたということで新聞やテレビニュースで話題となりました。
当然ながら同駅には常備の乗車券は設備されていませんでしたから、当時の国鉄内部では、このような乗車券を発売することを企画して上層部局の許可を貰い、特別に印刷場で調製するということは大変な苦労があったものと想像できます。
恐らくその前の昭和44年4月4日では、日本はまだ経済発展の最中でこのような余裕はなかったのではないかと思われますが、そのようなものが発売されたということを聞いたことがありませんので、「元祖ソロ目きっぷ」であったと思われます。

その後、平成になって鉄道各社はゾロ目きっぷの発売をしていますが、我々世代にはこの「昭和55.-5.-5.昭和から100円区間」のきっぷに適うものはないと思えます。


   

前回エントリーの2022年2月22日に発行された東武鉄道の普通入場券を再掲します。
現在のきっぷの発売日の表記は西暦表示が一般的であり、本当のゾロ目きっぷは2222年2月2日まで待たねばならず、コレクションをすることは叶いません。

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