別府鉄道 野口線用片道車内乗車券

1983(昭和58)年6月に別府鉄道野口線の列車内で購入した、野口線用の片道車内乗車券です。


   

灰色TTDてつどう地紋の軟券で、入鋏式になっています。区間は固定式になっていて、発売日のみせん孔して発売する形になっており、乗車駅へのせん孔はしていません。
これは、旅客の殆どが国鉄高砂線加古川駅発の列車からの乗換客であったことと、野口駅では高砂線の列車との連絡時間がほぼ1分程度であったこと、野口線の乗車時間がわずか11分しかなかったことから、運転確認の合間に車掌が発券する時間を短縮させるため、専用券として設備されていたものと思われます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

別府鉄道 別府港駅発行 普通入場券

今からちょうど43年前の1981(昭和56)年2月6日に別府鉄道の別府港駅で発行された普通入場券です。


   

白色無地紋のB型大人専用券で、日本交通印刷で調製されたものです。

別府鉄道(べっぷではなく、べふ)は、かつて 兵庫県加古川市にあった鉄道路線で、御紹介の別府港駅から国鉄高砂線(廃線)の野口駅に至る野口線と、国鉄山陽本線の土山駅に至る土山線の2路線がありましたが、それぞれ営業キロが3.7kmと4.1kmと短い路線でした。もともと 別府港にある多木製肥所(現・多木化学)で製造された化学肥料や製鉄化学工業(現・住友精化)の製品を輸送するために開業していますが、野口線の貨物輸送は早々と終了し、土山線が貨物輸送主体だったようです。
1984(昭和59)年1月末日の営業を以て鉄道事業から撤退し、その後はタクシーや貸切バスの事業者として営業継続していましたが、現在は旅客輸送については他事業者へ譲渡して旅客輸送事業から完全撤退し、不動産管理事業者として事業を継続しているようです。

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

JR西日本 富山駅発行 高岡駅まで 往復乗車券

1988(昭和63)年10月に、北陸本線富山駅で発行された、同じ北陸本線の高岡駅までの往復乗車券です。


   

桃色JRW地紋のA型大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。


   

裏面です。券番と発行駅名の他、下車前途無効の文言があります。


高岡駅は高岡市の中心駅で、富山市に次いで、富山県内第2の都市になります。中心地間の距離も20km程度であり、比較的往来が盛んな区間であることが推測されます。

そのためなのでしょうか、窓口には高岡までの往復券の設備がありました。この券は旅客の利便性を考えて設備されたのが始まりと思われますが、同区間は富山地方鉄道がバス路線を運行しており、復路をバスの便に奪われないようにするため、敢えて往復乗車券を設備していた可能性があります。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

大島連絡船 小松港営業所発行 大畠駅ゆき片道乗車券

恐らく廃札券ではないかと思われますが、1976(昭和51)年7月に大島連絡船(大島航路)の小松港営業所で発行された、大畠駅ゆきの片道乗車券です。


   

青色こくてつ地紋のB型一般式大人・小児用券で、広島印刷場で調製されたものです。
全区間船舶に乗船するもので、「乗船券」的なものではありますが、国鉄の鉄道連絡船には乗船券というものはなく、乗車券のみが制定されておりましたので、民間の旅客船会社が発行しているような乗船券とは性格が異なります。
そのため、「発売当日限り有効」の横に「下車前途無効」と記載されていますが、同航路には途中駅はありませんでしたので、無くても差し支えないとは思いますが、鉄道乗車券に倣ったためにこのようになったものと思われます。

大島航路は山陽本線の大畠駅と周防大島にある小松港の間を運航していた国鉄の鉄道連絡船です。この航路は山口県の県営航路として1937(昭和12)年に開設された運賃無料の渡船で、相当の赤字を抱えた航路であったようですが、島民の足になっていることから廃止するわけにもいかず、戦後の1946(昭和21)年4月に国が運航を引き受けた経緯があるようです。

当時、国の運輸部門の現業機関といえば国鉄ということであり、自然の成り行きによってそのようになったものと推測されます。
そして最盛期には、大畠~小松港2.8km(擬制キロ3.0km)、明け方の4時台の小松港発から深夜の22時台の大畠発まで1日34往復が運航されていました。

大島航路は島民の足として車両航送を行ってカーフェリーのような形に発展し、国鉄の鉄道連絡船ではただ一つの黒字路線であったそうですが、1976(昭和51)年7月4日に、当時の日本道路公団が「大島大橋有料道路」として開通させた大島大橋の完成で周防大島は事実上の陸続きとなり、連絡船は一夜にして不要となり、同日を以て廃止されてしまっています。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »