恵 [惠] ケイ・エ・めぐむ 心部
解字 金文から旧字まで「心(こころ)+叀セン(紡錘車)」の会意。叀センは糸をつむぐ道具で円盤に棒をさした紡錘車の形。これをくるくる回しながら糸を縒るのが専[專]センで、糸が常にひとつの中心をまわるので、もっぱらの意がある。叀センは専センと同じ意味と考えられ、これに心のついた惠ケイは、心をもっぱら相手にむけること。自分でなく相手にもっぱら心をつくすことから、めぐむ意となる。新字体は旧字の惠⇒恵に変化する。
意味 (1)めぐむ(恵む)。なさけをかける。いつくしむ。「恩恵オンケイ」(恩も恵も、めぐむ意) (2)めぐみ(恵)。ほどこす。「恵贈ケイゾウ」(人から物を贈っていただく)「恵方エホウ」(その年の恵のある方角) (3)かしこい。さとい。「智恵チエ」 (4)「恵存ケイソン・ケイゾン」とは、人にもの(本など)を贈るとき宛名の下に添える語。とっておいてくださいの意)
イメージ
「めぐみ」(恵・穂)
「形声字」(蟪)
音の変化 ケイ:恵・蟪 スイ:穂
めぐみ
穂 スイ・ほ 禾部
解字 旧字は穗スイで「禾(いね)+惠(めぐみ)」の会意。稲のなかで太陽の恵みを受けて稔った穂。新字体は、穗⇒穂に変化。
なお穗スイは、同音の穟スイから変化した字。 穟スイは「 禾(いね)+遂スイ(とげる)」で、稔りを成し遂げた禾(いね)の穂の意。穗スイは穟スイの遂⇒惠に入れ替えてスイの発音とした会意字。
意味 (1)ほ(穂)。穀物の穂。稲や麦などの花軸の先に実が密集して付いたもの。「初穂はつほ」「穂先ほさき」「出穂期シュッスイキ」「稲穂いなほ」「麦穂バクスイ」(むぎのほ) (2)ほ(穂)。槍の先・筆の先など。「槍の穂先」
形声字
蟪 ケイ 虫部
解字 「虫(むし)+惠(ケイ)」の形声。ケイという名の蝉(せみ)をいう。
意味 「蟪蛄ケイコ」に用いられる字。「蟪蛄ケイコ」とは、夏蝉なつぜみをいう。短命のたとえ。「蟪蛄は春秋を知らず」(『荘子』逍遙遊篇一)
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
専[專] セン・もっぱら 寸部
解字 「寸(手)+叀(紡錘車)」の会意形声。音符「専セン」を参照。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 金文から旧字まで「心(こころ)+叀セン(紡錘車)」の会意。叀センは糸をつむぐ道具で円盤に棒をさした紡錘車の形。これをくるくる回しながら糸を縒るのが専[專]センで、糸が常にひとつの中心をまわるので、もっぱらの意がある。叀センは専センと同じ意味と考えられ、これに心のついた惠ケイは、心をもっぱら相手にむけること。自分でなく相手にもっぱら心をつくすことから、めぐむ意となる。新字体は旧字の惠⇒恵に変化する。
意味 (1)めぐむ(恵む)。なさけをかける。いつくしむ。「恩恵オンケイ」(恩も恵も、めぐむ意) (2)めぐみ(恵)。ほどこす。「恵贈ケイゾウ」(人から物を贈っていただく)「恵方エホウ」(その年の恵のある方角) (3)かしこい。さとい。「智恵チエ」 (4)「恵存ケイソン・ケイゾン」とは、人にもの(本など)を贈るとき宛名の下に添える語。とっておいてくださいの意)
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「めぐみ」(恵・穂)
「形声字」(蟪)
音の変化 ケイ:恵・蟪 スイ:穂
めぐみ
穂 スイ・ほ 禾部
解字 旧字は穗スイで「禾(いね)+惠(めぐみ)」の会意。稲のなかで太陽の恵みを受けて稔った穂。新字体は、穗⇒穂に変化。
なお穗スイは、同音の穟スイから変化した字。 穟スイは「 禾(いね)+遂スイ(とげる)」で、稔りを成し遂げた禾(いね)の穂の意。穗スイは穟スイの遂⇒惠に入れ替えてスイの発音とした会意字。
意味 (1)ほ(穂)。穀物の穂。稲や麦などの花軸の先に実が密集して付いたもの。「初穂はつほ」「穂先ほさき」「出穂期シュッスイキ」「稲穂いなほ」「麦穂バクスイ」(むぎのほ) (2)ほ(穂)。槍の先・筆の先など。「槍の穂先」
形声字
蟪 ケイ 虫部
解字 「虫(むし)+惠(ケイ)」の形声。ケイという名の蝉(せみ)をいう。
意味 「蟪蛄ケイコ」に用いられる字。「蟪蛄ケイコ」とは、夏蝉なつぜみをいう。短命のたとえ。「蟪蛄は春秋を知らず」(『荘子』逍遙遊篇一)
<紫色は常用漢字>
<関連音符>
専[專] セン・もっぱら 寸部
解字 「寸(手)+叀(紡錘車)」の会意形声。音符「専セン」を参照。
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