伊予里神楽について
各地に伝承される神楽は数多くあり、時代とともに盛衰はあれど中予から南予にかけては現在でも盛んに行われています。
松山では現在、城北・城西地区の神職を中心として組織する「惟神会(いしんかい)」という神楽組で神楽を演じています。
この「伊予里神楽」は江戸時代より伝承されていて、五穀豊穣・家内安全・無病息災を祈願するための神事芸能として奉納されています。 現在実施されている神楽の演目は、「舞之口(まいのくち)」から「弓之舞(ゆみのまい)」まで全部で十番演じ、約二時間かかります。
また、「伊予里神楽」は伊勢の神宮 式年遷宮奉祝行事に愛媛県の代表として奉納する3団体の一つに選ばれ、10月27日に外宮にて奉納することが決定しております。
「舞の口(まいのくち)」は、神楽の最初の舞として五方の神,天神七代地神五代の神、一國一宮の神々等を勧請する舞です。
「稚児神楽(ちごかぐら)」は、稚児(子供)の舞で、すべての神楽の基本となる舞です。
「神迎(かみむかえ)」は、御幣と扇を中央に立てる仕草から榊を土に立て神籬勧請する、神を迎える二人舞です。その仕草が田植えに似ているとも言われています。
「山之翁(やまのおう)」は、住吉之神が沖より現れて舞う白髪の翁の舞で、山探しの舞とも言います。
「手草(たぐさ)」は、笹の葉を持って打ち振るうことにより穢れを祓う、二人舞です。手草が田草となり田植えにつながるとも言われています。
「三面(さんめん)」は、神宮皇后が軍神としての弓矢太刀之神である鹿島之大神・香取之大神を引連れ、筑紫を経て三韓征伐のため旅立つ舞です。
「四天(してん)」は、四道之将軍として國を警固する四天王の舞です。
「大魔(だいま)」は、神に大いに仇なす大魔、将軍に仇なす悪魔や外道、尺魔ともいう邪気の舞で笹を持って舞います。最後に四天王との太刀打ちがある勇壮な舞で、四天に降参した後は笹を氏子の人々に撒き与え、氏子の人々はこの笹を「魔除けの笹」として玄関口に立てておきます。
「鬼帰(きがえし)」は、大魔を退治し邪気が帰った後、穢れを祓う舞です。
「弓之舞(ゆみのまい)」は、治めの舞で、氏子の人々の禍事罪穢れを祓い、産土の里が豊かな処でありますようにと祈願する舞です。
現在は次の神社の祭典に奉納されております。
四月上旬の日曜 朝日八幡神社(南江戸) 四月十九日 生石八幡神社(高岡町) 五月 一日 奥土居神社 (東垣生町) 五月 二日 日吉神社 (南斎院町) 五月十五日 素鵞社 (西長戸町) 五月十六日 久枝神社(古三津町) 五月下旬の日曜 金刀比羅神社(高浜) 七月十七日 厳島神社(神田町1-7) 七月二十八日 住吉神社(西垣生町) 十月下旬の日曜 橘若宮神社(立花)