三津嚴島神社ブログ

愛媛県松山市神田町に鎮座する嚴島神社の神主の記録

月次祭(つきなみさい)葉月

2019年08月22日 | 三津嚴島神社祭典
アップが大変遅くなりましたが、
8月1日
月次祭(つきなみさい)滞りなく斎行致しました。



さて、
欧米の映画やドラマなどでは、食事のシーンで家族全員がまず神様に感謝の祈りを捧げる風景がよく見られますが、
日本においても食事の前後に「いただきます」「御馳走さま」と感謝の言葉を発します。

神社神道では感謝の言葉の前に冒頭のような和歌をうた詠います。

食前感謝
「たなつもの 百(もも)の木草(きうさ)もあまてらす
             日の大神(おおかみ)の めぐみえてこそ」

 いただききます
意味:五穀やすべての木草はあまてらすおおみかみ天照大御神に象徴される太陽や
   自然の恵みのお蔭であるから感謝していただきましょう

食後感謝
「朝(あさ)よひに 物くふごとに 豊受(とようけ)の 
                    神のめぐみを 思へ世の人」

御馳走さま
意味:朝夕の食事の際には 食べ物の神様である豊受大神の恵みに深く感謝しましょう

食前感謝は伊勢の神宮の内宮の御祭神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」
食後感謝は外宮の御祭神「豊受大神(とようけのおおかみ)」にちなんだ歌です。

全国の神社が本宗と仰ぐ神宮は我が国の総氏神として各地域の神社でお札が頒布されております。
 
神職を対象とした研修会では全員が必ずこの和歌を唱和して感謝の祈りを捧げています。

私たちは自分の生命を維持する為に、動物や野菜の命を頂く訳ですが
生命ををはぐくむ天地自然の神様の恵みや、食材が届くまでに関わったいろんな人々の苦労や食物に対する感謝を込めて唱和します。

一粒の米にも万人の苦労を思い、一滴の水も天地の恵みによるものと感謝する
そういう謙虚な心が大切ではないでしょうか?

皆さんも一度家族全員で唱和してみませんか?
物が満ち足りた社会だからこそ、今、心のあり方や家族の絆が問われています。

家族全員が一堂に会して
『目の前にある、ひとつひとつの食事には、
ここに行きつくまでに実に多くの尊い神様の恵みがあり、
そしてそれにより、今ここに生かされている』

という事を食事の度に再確認することで、家族の絆も、より一層深まるのではないでしょうか。
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