先住民族関連ニュース

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世界遺産、欧米偏重からの脱却に論議

2010-08-05 | 先住民族関連
(AFP BBニュース 2010年08月04日 11:10 発信地:ブラジリア/ブラジル)
ブラジルで3日閉幕した国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産委員会は、2日夜までに新たに21か所を世界遺産(World Heritage)に指定し、登録遺産を過去最高の911か所とすることを決めた。
 今回登録された中で、すでに世界的に観光地などとして著名なのは、フランスの「アルビ(Albi)の司教都市」やアムステルダム(Amsterdam)の「運河網」など少数で、ほかは中国の辺境の山林からイランの複合バザールや、アフリカ・タンザニアの「ンゴロンゴロ(Ngorongoro)保全地域」や、14世紀の韓国の村跡など、後進国にあるこれまで見過ごされてきたユニークな場所が多い。
 冷戦時代に米国が核実験を行ったマーシャル諸島のビキニ環礁(Bikini Atoll)といった意表を突いた選出もあったが、タジキスタン、マーシャル諸島、南太平洋の国キリバスの3か国からは初の世界遺産も生まれた。
 遺産委員会の中には、記録が残る欧州の文化遺産への偏りをなくそうという一致した意識と努力があった。議長を務めたブラジルのジュカ・フェレイラ(Juca Ferreira)文化相は「ある種の不均衡がある。アフリカや南米、アジアといった地域が(欧州の文化遺産ほど)選ばれていない」と述べた。フランチェスコ・バンダリン(Francesco Bandarin)ユネスコ世界遺産センター長によると今回の審議中、「南半球の国々は非常に存在感を増していた」
 しかし一方で、後進地域を世界遺産に指定することについて論議も起きている。オーストラリアでは先住民アボリジニの活動家たちが、これ以上「白人のオーストラリア人」の場所を登録すると、自分たちの遺産が消滅してしまうと非難の声を挙げた。
 また国家として独立していないパレスチナ自治区にあるエリコ(Jericho)市街やベツレヘム(Bethlehem)の聖誕教会(Church of the Natibity)といった文化遺産については議論が足踏み状態で、「イスラエル、パレスチナの両者の話し合いを促進しようとしている」(バンダリン氏)と語るにとどまった。(c)AFP/Yana Marull
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2745906/6041112

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反核イベント:「ホピの精神、被爆地へ」 先住民の子孫が舞踊披露--つくば /茨城

2010-08-05 | 先住民族関連
(毎日新聞 2010年8月4日 地方版)
 核兵器開発に伴うウラン採掘で被ばくした米先住民の「平和への願い」を日本の被爆者に伝えようと、広島と長崎の原爆忌に合わせて両地を訪ねる舞踊家のデリック・デービスさん(43)らが3日、広島訪問に先立ち、つくば市のノバホールで反核イベントに参加し、先住民の舞踊「フープダンス」を披露した。訪日を企画した広島の被爆者、村上啓子さん(73)=牛久市=も、別の先住民の演奏に合わせ、広島の被爆が風化する現状を危惧(きぐ)する詩を朗読。米国による65年前の原爆投下と、今も続くウラン採掘被ばくの痛みを共有し合い、核廃絶を訴えた。 2人は4~9日に両地を訪問、デービスさんはその後も約1週間かけ、国内各地でパフォーマンスを披露する。つくばのイベントは、県内で戦争体験を語り継ぐ女性の会が主催、自費で来日したデービスさんらの交通費を支援しようと、有料で開き、2回の公演で約400人が訪れた。
 イベントで村上さんは、6月に現地で鉱山労働者の夫をがんで失った先住民女性(81)と会った経験を語り、政府による被ばく認定の審査が厳しいことや補償が十分に進まない実態に「不条理を感じた」と振り返った。
 デービスさんは「すべては輪になってつながっている」ことなど示す5本の輪(フープ)を使い、踊りを披露。村上さんの知人で、2人を仲介した米国在住のミュージシャン、小塩賢さん(44)らの演奏に合わせ、輪で球体や鳥の翼などを形づくるなどして先住民の精神性を表現した。
 デービスさんは76年の国連総会で核開発中止を呼びかけたホピ族の母を持つ。公演後、デービスさんは「自分の踊りを通じ、痛みを癒やすホピの精神性を両被爆地に伝えたい」と語った。【高橋慶浩】
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20100804ddlk08040187000c.html

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「五稜郭残党伝」 13、14日、函館で初上演 佐々木譲さんの小説 舞台化

2010-08-05 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 08/04 15:44)
 札幌に拠点を置く劇団さっぽろ(西村善孝代表)が創立50周年を記念し、直木賞作家佐々木譲さんの小説「五稜郭残党伝」を舞台化、13、14日に函館市芸術ホール(五稜郭町)で初めて上演する。劇団専務の佐々木恒心(こうしん)さん(55)は「五稜郭から始まる物語を、まず函館の人に見てほしい」と話している。
 「五稜郭残党伝」は箱館戦争の“後日談”を題材にしたフィクション。明治政府に追われて五稜郭から北へ脱走する男たちがアイヌ民族やキリスト教徒たちと出会いながら、理想の国家像を探っていく。
 主要な出演者は同劇団の役者だが、劇団函館創芸の長谷川艶子代表(57)ら6人がアイヌ民族役などで出演する。脚本、演出はアイヌ文化の伝承に努める「ヤイユーカラの森」(札幌)の計良光範さん(65)で、7月25日には函館市内で初けいこを行い、段取りなどを確認した。
 劇団さっぽろは道内の劇場のほか、小中高校での公演も行っている。「五稜郭残党伝」は来年以降、道内各地で公演する予定だ。同劇団の佐々木専務は「五稜郭では箱館奉行所が復元されたばかり。史実とは違う歴史観を函館の舞台で感じてほしい」という。
 原作者の佐々木さんは同劇団に「いろいろな意味で舞台化の難しい作品の上演に挑んでくれた。読ませてもらった台本もすばらしい」とのコメントを寄せたという。
 函館公演は13日午後7時、14日午後1時の2回。チケットは前売り1800円、当日2千円。市内プレイガイドなどで扱っている。同劇団は施設などに入所する高齢者ら200人を無料招待する。希望者は6日までに劇団さっぽろ(電)011・663・6259へ。(久保吉史)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki2/244751.html

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アイヌ新政策 原点に立ち理解広めて

2010-08-05 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 8月4日)
 アイヌ民族を先住民族と認め、さまざまな政策を打ち出した政府の「有識者懇談会」の報告書提出から1年たった。しかし、実際の成果は乏しい。
 国の同化政策が、アイヌの人々の暮らしや文化に打撃を与えたことを認め、国の責任で施策を講じることを明確にしたのが報告書の画期的なところであり、原点だった。
 文化振興のほか、生活向上策の実施など幅広い提言は、その原点の上でこそ実を結ぶ。政府は、そのことをいま一度、再確認して、取り組みを加速するべきだ。
 道民も、「先住民族の知恵に学ぶ」「多文化共生」などという言葉だけでなく、民族の歴史と文化への理解をいっそう深めたい。
 昨年7月に提出された報告書では、アイヌ民族が和人に支配され差別された歴史を明記し、国民の間にそうした歴史への理解を広める必要性を強調した。
 具体的には、義務教育が終わるまでに基礎知識を学ぶこと、「アイヌ民族の日(仮称)」を設けることなどだ。また、教育・研究、展示、慰霊施設を核とする「民族共生の象徴空間」の設置も求めた。
 これを受けて政府は昨年8月、内閣官房にアイヌ総合政策室を設置。今年1月には、官房長官が座長となるアイヌ政策推進会議を発足させている。妥当な対応だ。
 だが、目に見える成果は少ない。
 総事業費100億円を見込む「象徴空間」は、候補地が「苫小牧、白老町」にようやく決まったところ。生活向上策に必要なアイヌ民族の認定についての論議は進んでいない。
 これには、政府との交渉窓口になる道アイヌ協会がこの1年、不適切な会計処理をめぐる対応に追われてきたという事情も影響していよう。
 それ以上に、「先住民族政策」に取り組む政府の強い意志が見えないことが問題ではないか。目玉とも言える「象徴空間」の設置は、多くの国民には単なるハコモノのひとつと見られる可能性もある。
 鳩山由紀夫前首相は昨年10月、就任後初の所信表明演説で、首相として初めてアイヌ民族を「先住民族」と明言した。菅直人首相も、こうした姿勢をしっかり引き継いでもらいたい。来年度予算での位置づけには注目だ。
 政府がすでに取り組んでいる「イオル(伝統的生活空間)再生事業」は、文化継承事業として意義深い。
 しかし、土地や資源の利活用、生活向上関連施策の全国展開、という次の段階を報告書は求めている。そのための立法も課題だ。
 カギは全国民の理解と納得で、それを広める責任は政府にある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/244656.html

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アイヌ語集:最古の古文書、福井の寺で発見 空念が1704年に記録、日本語訳も

2010-08-05 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2010年8月4日 東京朝刊
 江戸中期に全国を行脚した越前出身の僧侶・空念が、1704(宝永元)年に蝦夷(北海道)でアイヌ語と日本語の対訳を記録した古文書が、福井市南山町の普門寺で見つかった。記録年が明らかなアイヌ語集としては国内最古。研究者は「語数が豊富で、内容も幅広い。アイヌ語の古い史料はほとんど現存しておらず、一級の史料だ」としている。
 古文書は約150ページのうち26ページでアイヌ語を紹介。「春ハ はいかる」「夏ハ さく」など季節の言葉のほか、「雲ヲハ にしくろ」「星ヲハ のちう」など気象に関する言葉、物の数え方、家族関係を示す言葉など約460語句が記されている。末尾に「拙僧が島々を回って聞き覚えた蝦夷言葉を記す」と書かれ、「宝永元年」の年号と署名もあった。
 大分県宇佐市の極楽寺住職、国東(くにさき)利行さん(83)が、空念ゆかりの記録をたどって発見。古文書は火災で周縁が焦げるなど損傷が激しいが、文字は読める状態だった。
 北海道大の佐藤知己教授(言語学)によると、現存する最古のアイヌ語集は、約150語句を収録する「松前ノ言(こと)」で、室町末期から江戸初期に記されたとされるが、正確な記録年ははっきりしていない。佐藤教授は「現在は解読不可能なアイヌ語の古い形を反映しており貴重な史料だ。相手の呼び方などに敬語表現もあり、興味深い」と話している。【安藤大介】
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100804ddm012040023000c.html

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