北海道新聞 04/02 09:09
アイヌ文化の若き担い手を育てる活動を続ける札幌大学のウレシパクラブの専任担当職員。クラブは北海道新聞など地方新聞社と共同通信社が設けた地域再生大賞の特別賞を受け、2月に東京で開かれた表彰式にクラブを代表して出席した。「全国で注目してもらい、身の引き締まる思いだった」と振り返る。
苫小牧出身で、アイヌ民族のルーツを持つ。苫小牧駒沢大を卒業後、一般企業に就職しアイヌ文化に関わる機会は少なかった。転機は2010年。札大に全国初のアイヌ民族対象の奨学金制度ができ、ウレシパクラブも発足。「自分の出自とじっくり向き合ってみたい」との思いが高まり、31歳で札大に入学し第1期の奨学生に。クラブにも入り4年間、アイヌの言葉や文化を学んだ。
大学院にも進み研究テーマに「アイヌのシカ認識」を選び、実際にシカを狙う時にどう感じるかを知ろうと狩猟免許も取得した。「伝統だけでなく、アイヌとしての実感や体験を大切にしたい」と話す。
2年間の大学院を終え、引き続きアイヌ文化に関わり続けたいと札大に就職し、アイヌ文化紹介イベントなどのクラブの活動を裏方で支え続ける。「ウレシパ」はアイヌ語で「育て合い」の意。クラブを巣立ったアイヌ民族の卒業生は20人を超えた。「クラブと社会の関わりを深め、アイヌ民族がありのままでいられる社会になるといい」。41歳。(斉藤千絵)
◆ウレシパのシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/292502
アイヌ文化の若き担い手を育てる活動を続ける札幌大学のウレシパクラブの専任担当職員。クラブは北海道新聞など地方新聞社と共同通信社が設けた地域再生大賞の特別賞を受け、2月に東京で開かれた表彰式にクラブを代表して出席した。「全国で注目してもらい、身の引き締まる思いだった」と振り返る。
苫小牧出身で、アイヌ民族のルーツを持つ。苫小牧駒沢大を卒業後、一般企業に就職しアイヌ文化に関わる機会は少なかった。転機は2010年。札大に全国初のアイヌ民族対象の奨学金制度ができ、ウレシパクラブも発足。「自分の出自とじっくり向き合ってみたい」との思いが高まり、31歳で札大に入学し第1期の奨学生に。クラブにも入り4年間、アイヌの言葉や文化を学んだ。
大学院にも進み研究テーマに「アイヌのシカ認識」を選び、実際にシカを狙う時にどう感じるかを知ろうと狩猟免許も取得した。「伝統だけでなく、アイヌとしての実感や体験を大切にしたい」と話す。
2年間の大学院を終え、引き続きアイヌ文化に関わり続けたいと札大に就職し、アイヌ文化紹介イベントなどのクラブの活動を裏方で支え続ける。「ウレシパ」はアイヌ語で「育て合い」の意。クラブを巣立ったアイヌ民族の卒業生は20人を超えた。「クラブと社会の関わりを深め、アイヌ民族がありのままでいられる社会になるといい」。41歳。(斉藤千絵)
◆ウレシパのシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/292502