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<北海道>”アイヌ新法案”が衆院通過 今月中に成立の見込み

2019-04-12 | アイヌ民族関連
HTB 4/11(木) 18:36配信
 アイヌ民族に関する新しい法律案が11日に、衆議院を通過しました。今月中にも成立する見通しです。
 11日に衆議院を通過したアイヌ新法案は、法律で初めてアイヌ民族を先住民族と位置づけています。先住民族に関して、国連は2007年の宣言で各国に対し先住民族の権利を保つよう求めていますが、今回の法案では土地などに関するアイヌ民族の具体的な権利については盛り込まれず、付帯決議に「アイヌ民族の自主性を尊重し、その意向が十分反映されるよう努める」と盛り込まれたのにとどまりました。法案は、今月16日からの参議院での審議を経て、今月中にも成立する見通しです。法案の制定をめぐっては、これまで専門家やアイヌの市民団体が、土地や天然資源に関する具体的な権利を盛り込むよう政府に要望してきました。これらは「先住民族の権利に関する国連宣言」が、各国の先住民族政策に求めていることですが、政府は「国民の理解が得られない」として、これらの権利について法案に盛り込みませんでした。このことに関して衆議院は、付帯決議の中で国連宣言の趣旨を踏まえ「アイヌの人々の自主性を尊重する」としました。付帯決議に法的拘束力はありませんが、国会として配慮を示した格好です。一方、10日に行われた衆議院国土交通委員会の質疑で政府は、法案に差別を禁じる理念が盛り込まれていることを踏まえ、ヘイトスピーチなどの差別事案が把握された場合「法務省と連携し、人権相談窓口などを通じて適切に対応する」と答弁しています。法案はアイヌ民族への国民理解を深めることを基本理念としています。正しく機能する法律となるのか、参議院での審議は今月16日からです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190411-00000007-htbv-hok

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国連宣言踏まえ「民族の自主性尊重」 アイヌ新法、付帯決議採択 法案11日衆院通過

2019-04-12 | アイヌ民族関連
北海道新聞 04/11 05:00
 法律で初めてアイヌ民族を「先住民族」と位置付けたアイヌ民族に関する新法案は10日、衆院国土交通委員会で日本維新の会を除く各会派の賛成多数で可決された。施策推進にあたり2007年の「先住民族の権利に関する国連宣言」の趣旨を踏まえることなどを明記した付帯決議も採択された。法案は11日に衆院を通過し、参院で審議後、今月中に成立する見通し。
 法案に明記すべきだとの意見があった先住民族の土地などの具体的な権利については、付帯決議で「国連宣言の趣旨を踏まえ、アイヌ民族が苦難を受けた歴史的事実を厳粛に受け止め、アイヌ民族の自主性を尊重し、その意向が十分反映されるよう努める」と盛り込み、国会として配慮を示した。付帯決議に法的拘束力はない。
 採決に先立つ質疑で、石井啓一国交相は、創設する市町村への交付金制度について「昨年秋以降、意見や要望を寄せてきた市町村は道内で40弱、道外で2、3あった」と明らかにした。法案に生活向上施策が示されていないとの指摘には「新交付金で各地域の創意工夫に基づく取り組みを支援する」と強調。支援策の例として文化伝承に携わる人への支援や、生活館整備、バス運営などを挙げた。
 内閣官房アイヌ総合政策室の橋本元秀室長は、法案にアイヌ民族への差別を禁ずる基本理念が示されていることを踏まえ、ヘイトスピーチ(憎悪表現)などの差別事案が把握された場合は「法務省と連携し、人権相談窓口などを通じて適切に対応する」と述べた。
 付帯決議には、アイヌに関する教育の充実や、存続の危機にあるアイヌ語の復興に向けた取り組みの推進、交付金制度の適切な運用なども盛り込まれた。
 維新は胆振管内白老町に20年4月に開設するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が「旧来のハコモノ行政になりかねない」などとして法案、付帯決議とも反対した。(金子俊介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/295296

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アイヌ差別 国策が原因 塩川議員指摘 政府「重く受け止める」衆院国交委 新法案可決

2019-04-12 | アイヌ民族関連
赤旗 2019年4月11日(木)
 日本共産党の塩川鉄也議員は10日の衆院国土交通委員会で、アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記するアイヌ新法案について質疑し、政府の歴史認識と同法案の意義をただしました。
 塩川氏は「明治維新から現在に至るまで、北海道開拓と『北海道旧土人保護法』等による政府の土地政策・同化政策が、アイヌ民族の言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出した」として政府の認識を質問。石井啓一国交相は「政府の同化政策により差別と貧窮がもたらされたことは重く受け止める」と答えました。
 塩川氏は、アイヌの人々の間にある、政府の反省と謝罪を求める声を重く受け止めるべきだと述べ、「政府の施策により言語や文化を奪われて差別を受けた歴史を国民全体の認識にする責任が政府にはある」と主張しました。
 また、古老の人々の生活困窮が深刻だとして、「政府として、低年金・無年金の実態の把握と要因の分析、生活保障・生活向上策の抜本強化が必要だ」と強調。本法案の策定過程について「当事者であるアイヌの人たちが参画し、多様な意見をくみ尽くしたと言えるのか。少なくない批判が寄せられていることを重く受け止めるべきだ」と述べました。
 さらに、「先住民族の権利に関する国連宣言」を受けて2008年に採択された、アイヌ民族を先住民族とするよう求める国会決議と本法案の関係を質問しました。石井国交相は「国連宣言と国会決議を踏まえた」と答え、現行のアイヌ文化振興法との違いについて「アイヌの人々が先住民族だという認識の下、文化振興に加え、地域・産業・観光振興等を総合的に推進する」と説明。内閣官房の橋本元秀アイヌ総合政策室長は、国連宣言の趣旨を「第1条『近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み』の部分で示した」と答弁しました。
 塩川氏は「本法案に盛り込んだ『民族としての誇りをもって生活するための環境整備』が、アイヌの人々の生業(なりわい)につながることが重要だ」と強調しました。
 同法案は、同委員会で、日本維新の会を除く各会派の賛成多数で可決しました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-04-11/2019041104_05_1.html

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アイヌ施策推進法案が衆院可決

2019-04-12 | アイヌ民族関連
NHK 04月11日 16時55分
アイヌ民族を先住民族として初めて位置づけ、アイヌ文化を生かした地域振興を行うための交付金の創設などを盛り込んだ、新たな法律案は11日の衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
アイヌ施策推進法案は、11日衆議院本会議で賛成多数で可決され、参議院に送られました。
この法案はアイヌ民族を先住民族として初めて位置づけた上で、アイヌ文化を生かした地域振興を行うための交付金の創設や、関連する事業として伝統工芸品などに使う材料を森林から取ることやサケを取るための手続きの簡素化が盛り込まれています。
また、アイヌの人たちの自主性を尊重することやアイヌ語の復興に向けた取り組みを行うとした付帯決議が、10日開かれた衆議院国土交通委員会で採択されています。
法案をめぐっては「北海道アイヌ協会」は、「共生社会を建設する第一歩だ」として評価する一方、アイヌの人たちや研究者などでつくる市民団体はアイヌ民族個人の権利が保障されていないとして法案を取り下げるよう、訴えています。
法案は今の国会で成立する見通しです。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190411/0009427.html?fbclid=IwAR3dUCcSxxUgP88rfp0W8ru_sjgr7RKSz-oMP0nyNnTm-r2Xq3GUuaAjIqM

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「二風谷で見て知って!」アイヌ伝統工芸を体験「ウレシパ」オープン 魅力と期待 北海道平取町(北海道)

2019-04-12 | アイヌ民族関連
STV 4/11(木) 16:22配信

アイヌ文化を発信する動きが進んでいます。来年の東京オリンピックの開会式に合わせてアイヌ文化でまちづくりに取り組んでいる平取町に伝統工芸を楽しめる施設がオープンしました。
アイヌ料理の煮込み汁や鹿肉の焼き物。代表的なアイヌの伝統食です。この料理を伝統家屋である「チセ」をイメージした個室で楽しめるのは札幌市内の飲食店です。アイヌ文化が身近な形で知られるようになっています。
日高の平取町・二風谷地区です。アイヌ民族が住んでいた「チセ」を再現した広場が整備され、今月、アイヌ工芸伝承館「ウレシパ」が本格的にオープンしました。
アイヌ工芸品を手掛ける貝沢守さんです。
(二風谷民芸組合 貝澤守代表理事)
「彫刻スペースとして利用しています」
工芸家を目指す人たちが技術を学ぶ空間です。染物に使う釜が備えられたり、織物を作るスペースなどが用意されています。
(二風谷民芸組合 貝澤守代表理事)
「レーザー彫刻体験だとかこういうものができたり…」
訪れた人は、パソコンでデザインを選んで、その場でボトルにアイヌ文様を彫刻する体験ができます。
(水谷記者リポート)
「きれいです。STVって入っています」
また、アイヌ文様が入ったペンダントを選んで、加工し自分だけのアクセサリーを作ることもできます。
(水谷記者リポート)
「完成しました。どうでしょうか?」
(二風谷民芸組合 貝澤守代表理事)
「来年の東京オリンピック白老の博物館も利用しつつもっとアイヌ文化が発展していければ。いろいろな人がアイヌ文化に興味をもってもらって二風谷に来ていろんなものを見て知ってもらいたい」
平取をアイヌ文化の交流ができるマチにしたいと、地元の期待が広がっています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190411-00000180-stv-hok

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マレーシア料理、おいしくないって? 国民食で確かめた

2019-04-12 | 先住民族関連
朝日新聞 2019年4月10日11時43分 クアラルンプール=守真弓
 「マレーシア料理は世界では不人気」
 先月、こんな見出しがマレーシアメディアの見出しを飾った。世論調査会社ユーガブが世界24カ国の計2万5千人に各国の料理の評価を聞いたところ、マレーシア料理は34カ国中20位。マレーシア国民の97%は高く評価したものの、世界全体でマレーシア料理をおいしいと答えたのは48%だった。
 「マレーシア料理を誇っていた我々は幻想の中に生きていたのか」「サンプルに使われた食事の出来が悪かったのではないか」――。地元メディアはこの結果を驚きをもって報じた。ラジオ番組のDJは、食文化の似ているシンガポールやインドネシアにも順位で負けたことに「我々は対外アピールが下手すぎる」と怒った。
【特集】きょうも世界はおいしそう…「地球を食べる」
多民族国家のマレーシア
 このニュースを見ていて不思議になった。マレーシアは国民の6割を「ブミプトラ(土地の子)」と呼ばれるマレー系や先住民が、2割を中華系が、1割弱をインド系が占める多民族国家だ。マレーシア料理と言われてもどんな料理を指すのか、ぴんと来ない。
 そんな疑問を元通信社記者でフードコラムニストのショーン・ヨンさんにぶつけると、すぐに答えが返ってきた。「ナシレマはマレーシアの国民食と言っていいと思います」
 ショーンさんによると、ナシレマとはココナツミルクで炊いたごはんのこと。マレー語でナシはごはん、レマは油を意味する。唐辛子やスパイスをペースト状にしたサンバル、ゆで卵、カリッと揚げた小魚と一緒に食べる一皿料理で、もとはバナナの葉に包んで持ち歩く、マレー系労働者の朝ご飯だった。
 マレーシアでは30年ほど前から、国の発展とともに外食産業が発達し、家庭内で食べられていた料理を他の民族も口にする機会が増え、食文化が急速に混ざり合っていった。中でもすべての民族に共通して愛されるようになったのが、ナシレマなのだという。「マレーシアの土地で潤沢にとれるコメとココナツはどの民族も食べていた。だから誰にでも親しみやすい味だったんです」
 そういえば、昨年はマクドナルドがココナツ風味のチキンを使ったナシレマバーガーを売り出したとニュースになった。ほかにもナシレマ味のアイスクリームや、ナシレマの材料を使ったすし、ごはんごと乗せたピザ……。街を見渡せばマレーシア人のナシレマ愛はそこかしこにあふれていた。
ナシレマキング
 中でも「世界で一番有名なナシレマ店」があると聞いて、クアラルンプール市内の「ビレッジパーク」を訪ねた。
 すいている時間を狙い、平日午後2時すぎに向かったのに、まだ満席に近い。過去3代の首相が来店したこともあるといい、壁にはナシレマを食べるマハティール首相夫妻の巨大な写真が飾られていた。
 最もスタンダードな10・5リンギ(約280円)のセットを注文。数分でプラスチックの皿にサンバル、小魚、卵の3点セットに揚げた鶏肉がついたナシレマが到着した。
 まずはごはんだけ口に入れる。ふわっとほどける軽い食感で、薄い塩味だが後味にはココナツの甘さがほのかに香る。辛いサンバルをなめるとこの甘みが引き立つ。揚げたチキンの肉汁との相性もばつぐんだ。サンバル、ごはん、チキン、ごはん、サンバル、ごはん……。快感のループが止まらずあっという間にごはんがなくなった。
 人気の理由に納得しつつ店内を見渡すと、レジから分厚い札束を取り出し数えている男性と目が合った。「ナシレマキング」と呼ばれる店のオーナー、モード・シャミルさん(63)だ。食材の仕入れに出かける前のひととき、店の歴史を聞かせてもらった。
 中華系のイスラム教徒のモードさんは20代の頃はテクノ系の音楽プロデューサーとしてシンガポールで働いていた。だが40歳の時、「安定した仕事をしてほしい」と妻に諭され、レストランの開業を決意。そのとき、迷いなくナシレマで勝負することに決めた。「すべての民族がすべての時間帯に食べる料理で顧客層が一番広い。絶対にもうかる」
 2003年に開業してから半年ほどは試行錯誤が続いたが、材料を厳選したことで徐々に人気が浸透した。鶏肉はその日に処理したものだけを仕入れ、コメはタイ米やバスマティライスなどをまぜることで空気を多く含むようにした。引退直後だったマハティール首相が連日通いつめたことなどから話題になり、メディアでも多く取り上げられる有名店となった。
 今では多い日で1日にコメ400キロ、1万リンギ(約27万円)ほどを売り上げる。日本人の常連客も多い。20分ほど話を聞いていると、モードさんは時計を見て慌ただしく立ち上がった。「さあもう働かなければ。じきに夜ごはんのお客さんが並ぶからね」
豚肉カレーナシレマ
 翌朝、中華系住民の多い市中心部のプードゥー地区に向かった。ショッピングセンター内にある巨大な屋台街の奥に「アンナシレマ」を訪ねるためだ。豚の皮を使った「中華系」ナシレマが有名な店だという。
 「店を始めた時、屋台街にはあらゆる食べ物がそろっていた。なんとか目立ちたくて考案したメニューが偶然、当たっただけ」。店を創業したアン・クウェさん(62)は笑う。
 もともとは料理が趣味の専業主婦だったが、家庭で不幸が続き、屋台を始めた。はじめは中華総菜を売っていたが、固定客がなかなかつかない。他店でナシレマがよく売れているのを見て、捨てられることの多かった安価な豚の皮をおかずとして合わせることを思いついた。マレー系の食事だったナシレマにイスラム教徒が不浄とする豚肉を合わせる店は当時ほとんどなかった。中華系の客を中心にすぐに評判になった。
 豚の皮を洗って日干しし、乾いたらたくさんの油で揚げる。かりかりになった皮を水に戻してからカレー味のスープで軟らかく煮込む。これをナシレマにかけたのが、一番人気の豚皮カレーナシレマ(6リンギ、約160円)だ。
 豚皮を一切れかむと、肉厚な油揚げのような食感。甘めのカレースープがじわりと染みだし、塩味強めのココナツごはんとよく合った。
 「ナシレマは実は中華のおかずとも合うんだよ」とアンさん。2日連続でナシレマを食べたが、ごはんが軽いせいか不思議と飽きは来ない。
トランスジェンダーの店
 最後にもう1店、うわさの店に行ってみることにした。
 午後6時、クアラルンプール市南部の住宅街に到着した。閉店した銀行の軒下、すらっと背の高いエプロン姿の女性が、3人も入ればいっぱいになる小さな屋台を組み立てていた。
 店の名前は「ナシレマポンダン」。ポンダンとはマレー語でトランスジェンダーを指す。店主のジョージーさん自身が、女性の心を持ちながら男性として生まれたことにちなんで名付けた。
 マレー系の家に生まれた17人きょうだいの8番目。警察官だった父親は若くして精神を病み、母親がナシレマの屋台一つで全員を育てた。ジョージーさんは物心ついた時から自分は女性だとわかっていて、家族もそれを自然に受け入れてくれた。「ナシレマ作りも私が一番手伝った。出来のいい娘だと母も喜んでくれた」
 だが、大人になって就職先を探した時に初めて壁にぶつかった。アパレル企業で下働きをさせてもらったが、接客など表の仕事には使ってもらえない。希望していたウェディング産業の企業でもことごとく不採用だった。2年前、「自由になろう」と屋台を始めることを決めた。
 店名は、みんなにトランスジェンダーのことを知ってほしいから。マレーシアでは男性同士の性行為は刑法で禁じられているなど、性的マイノリティーへの風当たりは強く、特にトランスジェンダーの人は性風俗産業で働いているというステレオタイプの認識が根強くある
 「トランスジェンダーも『普通』の仕事ができる。そういうイメージが広がってほしくて」
おいしさ、多様性から
 午後7時、開店前から屋台の前には常連客が並び始めた。当初はテレビなどにも取り上げられ話題になったが、今も人気が続いているのはおいしいからだと自負している。
 ココナツごはんには香りをよくするために南洋植物のパンダンとバナナの葉、そしてたっぷりのショウガを入れる。一番の自慢は毎日新鮮な材料からつくるサンバルだ。ニンニクとタマネギを炒めて香りが立ったらチリ、砂糖、塩、ほんの少しのうま味調味料、そして秘密のスパイスを入れて、多めの油で2時間半炒め続ける。最後にタマリンドの果汁を足せば完成だ。
 「甘さもしょっぱさも辛さもうまみもすっぱさも全部入った味。最初は味がぶつかっても丁寧に混ぜ続ければおいしくなる」
 ココナツごはんとサンバル。どちらもたくさんの食材が互いを引き立て合って、深い味わいを生んでいる。「まるでマレーシア社会そのものって書いたら新聞記事っぽいんじゃない?」。たっぷりと出されたサンバルを味わいながら考え込んでいたら、ジョージーさんに頭の中を言い当てられてしまった。
 マレーシア料理はおいしい。少なくともナシレマはおいしい。3食連続で「国民食」を食べてみて、マレーシア国民の誇るおいしさがわかった気がした。
 「マレー、中華、インド。すべての民族の味がブレンドして魅力的な風味を生んでいる。知って、食べてさえもらえれば、おいしさは世界にも伝わると思う」
 ショーンさんの言葉に深くうなずいた。(地球を食べる)(クアラルンプール=守真弓)
https://digital.asahi.com/articles/ASM466DH9M46UHBI028.html?_requesturl=articles%2FASM466DH9M46UHBI028.html&rm=1201

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