北海道新聞 02/19 05:00
道は、老朽化が進む北海道百年記念塔(札幌市厚別区)について、新年度予算案に解体に向けた事前調査費など約1千万円を計上する方針を固めた。早ければ2021年度から解体を始める。18年末に解体を決めていたが、地元住民らの反発を受けて未着手だった。
塔は道立野幌森林公園内にあり、北海道命名100年に当たる1968年に着工して70年に完成した。高さ100メートルの鉄骨トラス構造で、老朽化が進んで外壁の剥落(はくらく)などの危険性があるため、道は14年から立ち入りを禁止。18年12月に解体を正式に決めた。
道の試算で解体費は約4億円。事前調査では、解体作業での安全を確保するため、塔の内部構造や電気系統などを調べる。跡地に造る記念モニュメントなど、解体後の地域活性化策についても検討する。記念モニュメントについては、塔に対してアイヌ民族から「同化政策の象徴だ」との批判があることも踏まえ、「多様性を認め合い、未来志向の北海道を象徴するもの」としたい考えだ。
一方、塔の解体方針に対し、地元有志らでつくる「北海道百年記念塔を守る会」が昨年2月、道に約6千人分の反対署名を提出。同12月には札幌市内の建築家らでつくる「北海道百年記念塔の未来を考える会」が鈴木直道知事宛てに公開質問状を提出し、道側は存続させた場合の巨額な維持費用などを理由に解体方針を維持する考えを示していた。
鈴木知事は1月6日の記者会見で「塔を残したいという方々には丁寧に対応していく必要がある」と述べていた。解体に向けた調査費計上に対し、反対派住民らが反発を強めるのは必至とみられ、今後の道の対応が注目される。(安倍諒)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/394551
道は、老朽化が進む北海道百年記念塔(札幌市厚別区)について、新年度予算案に解体に向けた事前調査費など約1千万円を計上する方針を固めた。早ければ2021年度から解体を始める。18年末に解体を決めていたが、地元住民らの反発を受けて未着手だった。
塔は道立野幌森林公園内にあり、北海道命名100年に当たる1968年に着工して70年に完成した。高さ100メートルの鉄骨トラス構造で、老朽化が進んで外壁の剥落(はくらく)などの危険性があるため、道は14年から立ち入りを禁止。18年12月に解体を正式に決めた。
道の試算で解体費は約4億円。事前調査では、解体作業での安全を確保するため、塔の内部構造や電気系統などを調べる。跡地に造る記念モニュメントなど、解体後の地域活性化策についても検討する。記念モニュメントについては、塔に対してアイヌ民族から「同化政策の象徴だ」との批判があることも踏まえ、「多様性を認め合い、未来志向の北海道を象徴するもの」としたい考えだ。
一方、塔の解体方針に対し、地元有志らでつくる「北海道百年記念塔を守る会」が昨年2月、道に約6千人分の反対署名を提出。同12月には札幌市内の建築家らでつくる「北海道百年記念塔の未来を考える会」が鈴木直道知事宛てに公開質問状を提出し、道側は存続させた場合の巨額な維持費用などを理由に解体方針を維持する考えを示していた。
鈴木知事は1月6日の記者会見で「塔を残したいという方々には丁寧に対応していく必要がある」と述べていた。解体に向けた調査費計上に対し、反対派住民らが反発を強めるのは必至とみられ、今後の道の対応が注目される。(安倍諒)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/394551