北海道新聞 02/21 05:00
道内で5人目の新型コロナウイルスへの感染者が確認され、風邪のように日常生活の中で広がる「市中感染」が現実となってきた。19日と20日に感染が発表された札幌市在住の男性2人は、さっぽろ雪まつりの会場で一緒に事務作業に当たっていたことが分かり、来場者からは不安の声も聞かれる。ただ、専門家は密室で作業していた2人から屋外の来場者に感染するリスクは小さいとみており、感染者の行動歴を的確に把握し、冷静に対応するよう呼び掛けている。
札幌市によると、感染した男性2人はアイヌ文化をテーマにした大通西2丁目会場の運営を任された別々の会社の社員で、2階建て延べ約50平方メートルのプレハブ小屋内で作業していた。会場はアイヌ民族の少女が活躍する人気アニメ「ゴールデンカムイ」の映像を投影するプロジェクションマッピングなどを楽しめて、今月4~11日の期間中、延べ約1万人が訪れる人気ぶりだった。
秋元克広市長は20日の記者会見で「いろいろ対策は取っていたが、雪まつりの関係者から感染者が出て非常に残念だ」と述べた。その上で、男性2人は「限られたスペースの中にいた」と説明し、来場者に感染するような状況ではなかったとの認識を示した。
感染予防コンサルタントとして道内の医療機関などに助言している看護師の伊藤幸咲さん(42)も男性2人が狭いプレハブ室内で作業していたことを踏まえ、「屋外で雪まつりを見学していた来場者に感染するリスクは低く、過度に恐れる必要はない」と強調する。その上で、雪まつり会場への来場の有無にかかわらず、熱などの症状がある人にはマスクの着用を求め、感染の不安がある人には医療機関で受診する前に保健所などの窓口に相談するよう呼び掛けている。
■町議の行動歴 調査へ
一方、道は20日、「渡島管内の60代男性」と19日に発表した道内4人目の感染者は同管内七飯町議だと公表し、発症前後の行動歴の一部を明らかにした。
記者会見した鈴木直道知事によると、1月下旬に公務で名古屋市に出張。今月3日に微熱やのどの痛みなどの症状が出た後の10日には町議会特別委員会に出席し、入院する前日の17日には函館市で開かれた函館湾流域下水道事務組合議会に出席していた。
濃厚接触者とされる中宮安一町長ら48人には20日時点、発熱などの症状は見られないが、道は一定期間、健康状態を観察し、町議の行動歴をさらに詳しく調べてほかに濃厚接触者がいないか調査を続ける。町も20日、防災無線やホームページで町内から感染者が出たと公表し、町民に手洗いやうがい、洗顔などの予防策を徹底するよう呼び掛けた。(中村征太郎、池野上遥、竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395284
道内で5人目の新型コロナウイルスへの感染者が確認され、風邪のように日常生活の中で広がる「市中感染」が現実となってきた。19日と20日に感染が発表された札幌市在住の男性2人は、さっぽろ雪まつりの会場で一緒に事務作業に当たっていたことが分かり、来場者からは不安の声も聞かれる。ただ、専門家は密室で作業していた2人から屋外の来場者に感染するリスクは小さいとみており、感染者の行動歴を的確に把握し、冷静に対応するよう呼び掛けている。
札幌市によると、感染した男性2人はアイヌ文化をテーマにした大通西2丁目会場の運営を任された別々の会社の社員で、2階建て延べ約50平方メートルのプレハブ小屋内で作業していた。会場はアイヌ民族の少女が活躍する人気アニメ「ゴールデンカムイ」の映像を投影するプロジェクションマッピングなどを楽しめて、今月4~11日の期間中、延べ約1万人が訪れる人気ぶりだった。
秋元克広市長は20日の記者会見で「いろいろ対策は取っていたが、雪まつりの関係者から感染者が出て非常に残念だ」と述べた。その上で、男性2人は「限られたスペースの中にいた」と説明し、来場者に感染するような状況ではなかったとの認識を示した。
感染予防コンサルタントとして道内の医療機関などに助言している看護師の伊藤幸咲さん(42)も男性2人が狭いプレハブ室内で作業していたことを踏まえ、「屋外で雪まつりを見学していた来場者に感染するリスクは低く、過度に恐れる必要はない」と強調する。その上で、雪まつり会場への来場の有無にかかわらず、熱などの症状がある人にはマスクの着用を求め、感染の不安がある人には医療機関で受診する前に保健所などの窓口に相談するよう呼び掛けている。
■町議の行動歴 調査へ
一方、道は20日、「渡島管内の60代男性」と19日に発表した道内4人目の感染者は同管内七飯町議だと公表し、発症前後の行動歴の一部を明らかにした。
記者会見した鈴木直道知事によると、1月下旬に公務で名古屋市に出張。今月3日に微熱やのどの痛みなどの症状が出た後の10日には町議会特別委員会に出席し、入院する前日の17日には函館市で開かれた函館湾流域下水道事務組合議会に出席していた。
濃厚接触者とされる中宮安一町長ら48人には20日時点、発熱などの症状は見られないが、道は一定期間、健康状態を観察し、町議の行動歴をさらに詳しく調べてほかに濃厚接触者がいないか調査を続ける。町も20日、防災無線やホームページで町内から感染者が出たと公表し、町民に手洗いやうがい、洗顔などの予防策を徹底するよう呼び掛けた。(中村征太郎、池野上遥、竹中達哉)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/395284