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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌ民族財団、札大と連携協定 伝統、文化を普及 /北海道

2022-02-02 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2022/2/1 地方版 有料記事 410文字

協定締結に合わせて交流したウポポイ舞踊チーム(左)とウレシパクラブの学生ら=北海道白老町内で2022年1月13日、平山公崇撮影
 アイヌ民族文化財団と札幌大は、アイヌ文化の振興やアイヌの伝統や文化に関する知識の普及などを目的とする連携協力協定を締結した。
 札幌大は学内にアイヌ文化の担い手を育成する団体「ウレシパクラブ」を設立するなどアイヌの歴史や文化の教育に力を入れている。同財団には、同大の卒業生が学芸員などとして多数勤務しており、これまでも関係が深か…
この記事は有料記事です。 残り246文字(全文410文字)
https://mainichi.jp/articles/20220201/ddl/k01/040/019000c

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天才的な書き手、多面的な活躍 私財投じて「女性文化賞」 高良留美子さんを悼む

2022-02-02 | アイヌ民族関連
47リポーターズ2022/02/01 07:00
天才的な書き手、多面的な活躍 私財投じて「女性文化賞」 高良留美子さんを悼む(47リポーターズ)
 昨年12月、88歳で亡くなった高良留美子(こうら・るみこ)はスケールの大きい表現者だった。新聞の訃報欄の肩書には、詩人、評論家、女性史研究者とあったが、作家や思想家、哲学者の顔も併せ持っていた。一言でとらえきれない天才的な書き手だった。世に出した仕事の分量も極めて多かった。(女性史研究者=江刺昭子、本文敬称略)
 最も知られているのは詩人としての業績だろう。東京芸術大と慶応大に学び、フランス留学を経て、20代で詩人として出発、詩集『場所』(1962)でH氏賞を受賞した。詩論も多い。
 文学的業績としては、アジア・アフリカ文学の翻訳・紹介もあり、文学批評、エッセーも書いている。これらは『高良留美子の思想世界 自選評論集』全6巻(御茶の水書房)や『女性・戦争・アジア―詩と会い、世界と出会う』(土曜美術社出版販売)などにまとめられている。
 多分野にまたがる彼女の仕事をトータルに捉えるのは、わたしの手にあまることなので、高良が力を注いだ分野のうち、女性問題と女性の文化創造者支援の仕事に焦点を当てて紹介したい。
 高校時代から関心があったという「女性」についての論考は、43歳の時に出版した『高群逸枝とボーヴォワール』(亜紀書房)に始まる。高群逸枝は詩人で女性史学の研究者。ボーヴォワールはフランスの哲学者で女性解放思想を説き、自らもその思想によって生きた人だ。
 高良は長い時間をかけて思索を深め、亡くなる2021年に『見出された縄文の母系制と月の文化―<縄文の鏡>が照らす未来社会の像』(言叢社)に結晶させている。
 高群逸枝の母系制の研究を軸に、民俗学、考古学、古代文学研究などの最新成果を取りこみながら展開した女性史論の結論は、日本の民法における父系・父権的な制度は廃止されるべきという主張で、高良の最後のメッセージとして受けとめたい。
 あまり知られていないが、高良は1997年に個人で「女性文化賞」を創設した。賞の趣旨を次のように述べている。
 「女性の文化創造者は、いまもなお無視や偏見の見えない壁に囲まれ、経済的にも苦労しながら創作活動をつづけている。私自身、そのことを強く感じてきたため、このたび女性文化賞という賞を創設することにしました」
 文化活動における女性のフロンティアたちは有形無形の差別や偏見に苦しみ、自由な創造ができないでいる。少しでもそれを除去し、活動を後押ししたい。そんな強い思いが感じられる言葉だ。
 賞の対象を次のように明示した。
・範囲は文学を中心に文化一般とし、ジャンルは問わない。
・作品ではなく人を対象とする。個人、団体、国籍を問わない。とくにマイノリティーの方に注目している。(以下略)
 他薦を受け入れながら1人で選考し、私財を投じて賞金60万円(第9回から50万円)を贈り、2016年まで20回続けた。
 第1回の受賞者は詩人・画家・評論家の渡辺みえこ。女性と性的少数者の解放運動を行いながら創作活動を続けてきた人だ。第2回は沖縄のフリーライター、安里英子。沖縄と琉球弧の世界をこれまで表面に表れにくかった女性の目で見、女性の声で語っていると評価した。
 受賞者リストを見ると、多くは陽のあたりにくい地方で、女性文化を研究したり、表現したりしている創造者だ。
 第6回のチカップ美恵子はアイヌ文様刺しゅう家でエッセイスト。アイヌの女性に伝わる創造的魂を現代によみがえらせた。第7回の鈴木郁子は被差別部落に生まれ、差別からの解放と地域の自覚をめざして活動するフリーライター。
 第9回は日韓の歴史・文化の研究者、李修京に。生涯をかけて日韓交流に尽す覚悟をもっていると評された。第16回の一条ふみは岩手県に生まれ、農民たちの声にならない言葉を記録し続けた。『淡き綿飴のために―戦時下北方農民層の記録』、『永遠の農婦たち』を残している。
 最後の第20回はフリーライターの森川万智子。著書に元従軍慰安婦からの聞き書きと徹底した現地調査で書いた『文玉珠 ビルマ戦線 楯師団の「慰安婦」だった私』がある。
 国内にとどまらず、韓国や在日の書き手にも目を配り、テーマは性的少数者、被差別部落、アイヌ、沖縄、従軍慰安婦、東北の農民にまで及ぶ。大きなメディアはあまり取り上げないテーマであり、高良の関心領域の広さを示している。
 1970年代から始まった女性解放運動の内外で、女性たちは元気になったが、大学などに職を得られる女性は少ない。多くの女性が在野で苦労している。高良はそれを憂い、女性たちを励まし続けた。
 2017年1月27日、出版社「梨の木舎」の「あめにてぃカフェ」で開かれた第20回「女性文化賞」記念のつどいでは、参加者一同による高良への感謝の言葉が読みあげられた。
 「本日ここに、その志を女性の歴史に刻印すると同時に、姉妹の精神を20年にわたって発揮してくださったことに心から感謝します。ありがとうございました」
 なお、高良が賞の継承者を呼びかけたところ、女性史研究者で「らいてうの家」館長の米田佐代子が手を挙げ、現在までバトンがつながっている。
https://news.goo.ne.jp/article/47news_reporters/nation/47news_reporters-20220127020242.html

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聖火の最終点火者は彭帥さん? 北京五輪開会式巡り話題に

2022-02-02 | 先住民族関連
毎日新聞2022/02/01 07:00
 オリンピックの開会式では、聖火の最終点火者が話題を呼んできた。4日に開幕する北京冬季五輪では、新型コロナウイルスの感染拡大や人権問題への注目が集まる中、渦中にある人物を起用する可能性もうわさされている。
 北京で行われた2008年夏季五輪では、1984年ロサンゼルス五輪体操男子で3個の金メダルを獲得した李寧(りねい)さんが大役を担った。李さんは「体操王子」と呼ばれるなど知名度が高く、引退後には中国ブランド「李寧体育用品有限公司」の経営者として成功を収めた。それまでは社会的なメッセージ性の強い人物が務めることが多かっただけに、李さんの起用について、自国企業の「宣伝」ではと見る向きもあった。
 ◇目立つ金メダリスト
 過去には10年バンクーバー五輪で優勝したフィギュアスケート女子の金妍児(キムヨナ)さん(韓国)が18年平昌五輪で最終点火者に選ばれるなど、金メダリストに白羽の矢が立つケースも多かった。北京市内に住む大会ボランティアの20代の女性は、平昌五輪のショートトラック男子500メートルで金メダルを獲得した武大靖(ぶだいせい)選手を候補に挙げた。中国を「金メダルゼロ」の危機から救った英雄で「若者の間では格好良くて、最終ランナーになるのではと注目されています」と話した。
 一方、国際オリンピック委員会(IOC)の記者会見では、海外メディアから中国の元副首相に性的関係を強要されたと訴えた中国の著名テニス選手、彭帥(ほうすい)さんを起用する可能性に言及する質問もあった。彭帥さんは北京夏季五輪から3大会連続で五輪に出場した。彭帥さんの問題を巡っては、テニスの女子ツアーを統括する女子テニス協会(WTA)が中国での全大会の開催を中止し、批判した。IOCのトーマス・バッハ会長は安否が懸念されている彭帥さんについて、ビデオ通話をして安全を確認したと発表。事実確認をせず、事態の沈静化を図ったとして批判された。
 ◇専門家「あり得ない話ではない」
 アジア地域研究を専門とする大阪工業大の川田進教授は、彭帥さんの起用はIOCと中国の双方にメリットがあるとみる。「中国による新疆ウイグル自治区での迫害など少数民族の人権問題、それを理由にした欧米の外交的ボイコットといった北京五輪の上に漂う『暗雲』を一時的に吹き飛ばすだけのインパクトがある」と指摘する。
 IOCのバッハ会長は大会期間中に彭帥さんと対面する見通し。バッハ会長は中国の習近平国家主席とも既に会談しており、川田教授は「あり得ない話ではない」と話している。【北京・松本晃、倉沢仁志】
 ◇過去の五輪で話題を呼んだ主な聖火最終点火者
 過去の名場面では96年夏のアトランタ五輪で、世界的な名ボクサーとして知られる60年ローマ五輪金メダリストのムハマド・アリさんが務めた。パーキンソン病を患いながら震える手で聖火をともしたのは有名なシーンだ。00年シドニー五輪では先住民族アボリジニの女性で、陸上競技のキャシー・フリーマン選手が務め、民族融和を表現した。
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/sports/mainichi-20220201k0000m050001000c.html

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「松前漬け」発祥の地を支配した氏族・松前氏は「外部からの侵略者だったのか!?」

2022-02-02 | アイヌ民族関連
日刊大衆2月1日(火) 17:30提供:
 この正月、おせち料理で「松前漬け」を食べた人も多いのではないだろうか。スルメイカと昆布を細切りにし、醤油や酒、みりんなどで漬け込んだ保存食で、北海道の松前藩が発祥とされ、数の子入りも定番だ。
 その松前の名称は江戸時代、蝦夷地(北海道)の渡島半島の大部分を支配した氏族の松前氏に由来。
 室町、戦国時代には蠣崎氏と称し、通説によれば、徳川家康に臣従した際、彼がもともと松平氏だったことに加え、北陸の前田氏と交易していたことから松前氏に改称したともされる。
 そんな松前氏のルーツははたして、どこにあったのか。
 初代松前藩主だった慶広の六男である景広が作成した『新羅之記録』や伝承などに基づくと、概ね次のようになる。
 蝦夷地の大部分はかつてアイヌの居住地だったが、中世に和人の移住が進み、室町時代に「道南十二館」といわれる渡党(本州から渡ってきた豪族ら)の館が渡島半島に点在し、その一つが函館。
 同じく一二館の一つである花沢館(北海道上ノ国町)の主だった蠣崎季繁の婿養子となった武田信広が、松前氏の祖とされる。
 武田氏は信玄の名でよく知られる一方、甲斐の他でも守護を務め、信広は若狭守護だった武田信賢の子として生まれたが、身の危険が迫ったことから夜陰に乗じて出奔。
 享徳元年(1452)、奥州の下北半島にある蠣崎(青森県むつ市)を領し、その地名を名乗ったあと、花沢館主の季繁に身を寄せたという。
 このうち、若狭武田氏を先祖としていることについては、他ならぬ松前一族が記録した歴史書であることから改ざんの余地も残る。
 実際、室町時代の若狭武田氏の系図には、松前氏の初代とされる信広の名前がない
 何より花沢館主とされる季繁がそもそも何者なのかもよく分からない。
 通説では彼も若狭武田の一族とされるものの、それもはたして、どうか。
 ただ、松前氏のルーツを巡る説がいくつもある中、有力なものに“信広=蠣崎蔵人信純(以下=蔵人)”がある。
 蔵人は鎌倉時代から奥州で栄えた安藤氏(安東氏)の被官。
 安藤氏は十三湊(青森県五所川原市)を中心とした交易で栄え、陸奥から蝦夷地にも進出を図り、道南の一二館もその勢力圏にあった。
 だが、室町時代に奥州北部で南部氏の力が強まると、安藤氏はその風下に立たされる。
 蔵人が長禄元年(1457)、南部氏の支配に反発して乱を起こし、やがて鎮圧されると、蝦夷地に逃走したという説だ。
 確かに渡島半島は安藤氏の勢力圏で、下北半島の蠣崎城主の一族が先に蝦夷地に渡り、花沢館主になっていたと考えれば、蔵人がその後、縁戚関係を頼ったことも十分にあり得る。
 また、十三湊と若狭が日本海ルートでつながっていることから、名門の武田氏をルーツとして出自を詐称した疑いも考えられる。
 だとすれば、陸奥から蝦夷地に逃亡した蔵人がなぜ、松前氏の祖といわれるのか。
 当時、アイヌはコシャマインという首長の一人に率いられて一斉に蜂起し、詳しい理由は分からないものの、志濃里(函館市)の和人の村にあった鍛冶屋を訪ねた青年が、言い争いの末に殺される事件があったという。
 コシャマイン率いるアイヌは強く、前述の一二館中、花沢館と別の一館を残し、すべてが陥落し、この危機を信広が救ったといわれる。
 信広はやがて勝山館(上ノ国町)に新たな拠点を築き、蠣崎氏が道南の和人社会で覇権を確立。
 信広から三代を経て、初代松前藩主の蠣崎慶広は天正一〇年(1582)、中央で本能寺の変が起きた年に家督を相続した。
 慶広は難しい時代を乗り切り、豊臣秀吉が小田原を制圧して天下を統一すると、その後、奥羽方面の仕置がなされ、同一八年(1590)一二月に謁見して臣従。
 秀吉の時代に「志摩守」の官職を与えられ、「しまのかみ=島主」、すなわち蝦夷地の支配者として地位とアイヌとの交易徴税権が認められたのだ。
 その後、前述のように家康に臣従して松前藩が誕生することになるが、この時点では蝦夷地の侵略者とは言えない。
■和人の蝦夷地の侵略が徐々に進んでいった!
 松前藩は渡島半島の大部分を和人居住地として誕生させたわけだが、広大な蝦夷地の大半はアイヌの人々の居住地だった。
 蝦夷地では当時、米が穫れず、松前藩は「無高大名」と呼ばれたが、城下におけるアイヌの人々との交易で藩は潤っていた。
 その後、アイヌの居住地域に「商場」と呼ばれる交易場所が設けられ、松前藩士がそこに出向いて取引する制度に転換。
 ところが、松前藩側がアイヌに不要な交易品を押しつけたばかりか、不正取引が横行したこともあり、寛文九年(16ー69)、首長の一人であるシャクシャインが蜂起。
 松前藩は彼に和睦交渉を勧告しつつ、それに乗ったシャクシャインを謀殺し、強引に蜂起を鎮圧しただけでなく、交易方法を商人の請負制に転換し、アイヌの人々の負担はより大きくなった。
 というのも、藩士らが「商場」の経営権を商人に委ねる代わりに、毎年一定の売上を運上金として納めさせることにしたからだ。
 商人らは藩士への上納金プラス利潤を確保するため、アイヌの人たちから過酷な取り立てを行い、和人による蝦夷地の圧政や侵略の度合いがこうして少しずつ進んだと言える。
 一方、江戸時代に源平合戦の英雄である源義経が蝦夷地に逃亡したとの噂がしきりに囁かれ、儒学者である新井白石は、彼をアイヌの神であるオキクルミと同一視しているが、そこにはアイヌの人々を和人と同化させるという政治的な意味合いがなかったとは言い切れない。
●跡部蛮(あとべ・ばん)1960年、大阪府生まれ。歴史作家、歴史研究家。佛教大学大学院博士後期課程修了。戦国時代を中心に日本史の幅広い時代をテーマに著述活動、講演活動を行う。主な著作に『信長は光秀に「本能寺で家康を討て!」と命じていた』『信長、秀吉、家康「捏造された歴史」』『明智光秀は二人いた!』(いずれも双葉社)などがある。
https://news.ameba.jp/entry/20220201-791/

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サケ皮で靴作り アイヌ民族の昔の暮らしに触れる 白老

2022-02-02 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2022.02.01
アイヌ民族が狩猟の際に履いたサケ皮の靴「チェプケリ」作りを体験する行事が1月29、30日に白老町のしらおいイオル事務所チキサニで開かれた。町民ら8人が参加し、靴作りを通じてアイヌの昔の暮らしに思いをはせた。

次田さん(右)の指導を受けながらチェプケリ作りを学ぶ参加者  
 一般社団法人白老モシリがイオル(伝統的生活空間)体験交流事業として初めて企画した催し。同団体の会員次田雅基さん(68)が講師を務めた。
 材料は昨年11月、今回の参加者がチキサニで自らサケを解体し、天日干した皮を使用。靴作りの一連を体験してもらうのが狙いだ。
 参加者は、乾燥させた皮に水を掛けて軟らかくした後、自身の足の大きさに合わせて切断。靴の形に整えて、麻のひもで縫う作業に臨んだ。材料は1足にサケ2匹分の皮を使った。
 チェプケリは、アイヌ民族が冬場の山猟の際などに履いた。靴の中に干し草を詰めて、保温性を高めたという。
 次田さんの指導を受けながら製作に取り組んだ町北吉原の女性(66)は「文様刺しゅうなどに挑戦したことはありますが、サケ皮の靴作りは初めて」とし、「皮を干す工程から体験したことで、アイヌ民族の昔の生活により理解が深まりました」と話した。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/24416

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宇梶剛士が作・演出を務めた舞台『永遠の矢〜トワノアイ』の上演記録映画が札幌で上映

2022-02-02 | アイヌ民族関連
Pen2022.02.01 文:野村萌々
本映画『永遠の矢〜トワノアイ』は昨年7月1日に釧路で行われた舞台の上演記録だ。2019年東京高円寺で上演された宇梶剛士主催『劇団パトスパック』による舞台『永遠の矢』は1週間という短い期間で2000人近い来客を記録、また多くの北海道やアイヌ関係者が訪れた。その中で北海道でも上演してほしいとの声が相次ぎ、2021年・夏札幌を始め、道内7か所での上演を予定。しかし、コロナ禍の影響で釧路・平取・北見の3か所のみの公演に。観ることが出来なかった北海道の人のため、今回の映画が企画された。

物語は、遠い昔(1669年)、アイヌの弓の名手・イソンクルは、松前藩の鉄砲隊を率いる大将を射止めんがために木立の大木の上にいた。イソンクルは矢筒に収められた矢の1本を掴むと他の矢は捨ててしまう。そして決戦に臨むイソンクルは弓に、唯1本だけの矢をつがえるが、その矢は敵の大将ではなく、空に向かって放たれた。残されたのは空っぽの矢筒だけ。この負の遺産のような矢筒が代々受け渡されてきて。今は、東京で生まれ育ちながらも亡き父の影を追うように北海道にやってきて暮らしている菅野家の長男一矢の手にある。そこに父親の墓のことで一矢を訪ねてやってくる次男・海を中心に繰り広げられる。
それぞれが考えさせられるストーリー
東京でぼんやり暮らすひとりの若者。家を出て北海道で暮らす兄を探しに訪れた北の大地で アイヌに起因する自身のルーツを知るとともに『アイヌ文化の魅力』や『アイヌの人々の優しさ』を体感。しかし、同時にその裏にある『アイヌの悲しい歴史』や『今も根強く残るアイヌ差別』を知ることとなる。そして『アイヌであることの葛藤』を抱えながらも未来に希望をもって生きる人々やアイヌの血は流れていなくても、アイヌ文化の伝承に携わる若者とのかかわりの中で自身の生き方を見つめ直し、短い期間の中で人間として成長を遂げるストーリー。
『永遠の矢(トワノアイ)劇場版』
監督/宇梶剛士
出演/宇梶剛士、金井良信ほか 2022年 日本映画
2時間08分(予定) 3月12日よりシアターキノにて上映
https://www.pen-online.jp/article/009935.html

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