先住民族関連ニュース

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アイヌ民族の織り布 興味持って 苫小牧で実演

2022-02-13 | アイヌ民族関連
北海道新聞02/13 05:00

 アイヌ民族の伝統工芸品アットゥ◆(樹皮の繊維で織った布)に関する講演会「アットゥ◆織りの世界」が12日、苫小牧市美術博物館で開かれた。平取町の二風谷民芸組合の柴田幸宏さん(33)が糸作りや機織りについて実演を交えながら解説し、参加者25人が興味深そうに見入った。
 アットゥ◆は広葉樹オヒョウの樹皮が原料となる。柴田さんは乾燥させた状態の樹皮や細かく裂いて糸状にしたものなどを見せながら、糸作りの工程を紹介した。2013年3月に「二風谷アットゥ◆」が道内で初めて経済産業省の伝統的工芸品に指定されたことなどを説明した。
 参加者の前で機織りを実演。質問に対し「調子が良い時は1日1メートルくらい織れる」「7メートルあれば着物になる」などと答え、参加者はメモを取って耳を傾けた。
 6歳と9歳の娘2人と参加した厚真町の佐々木智美さん(42)は「知らないことを学べてよかった。娘たちの記憶にも残ったと思う」と話した。
 柴田さんは「木から衣服になる工程を知ってほしい。興味を持ってくれる人が増えたらうれしい」と語った。
(竹田菜七)
◆は小さいシ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/645014

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「トワノアイ」記録映画 3月にシアターキノで公開 アイヌ民族青年の葛藤描く

2022-02-13 | アイヌ民族関連
北海道新聞02/12 23:12 更新
 アイヌ民族をルーツに持つ都会の青年の葛藤を描いた舞台演劇「永遠ノ矢 トワノアイ」を記録した映画が3月12日から、札幌市中央区のシアターキノで公開される。
 演劇は俳優の宇梶剛士さんが主宰する劇団「パトスパック」(東京)が2019年に東京で上演し、昨年夏には釧路市など道内3カ所でも行われた。東京で生まれ育った主人公が、アイヌ民族の亡き父の故郷・北海道に暮らす不仲の兄を訪ね、自身のルーツや家族と向き合う内容。宇梶さんが作・演出・出演を兼ねている。
 映画は新型コロナウイルスの感染拡大により、演劇の上演地域が限られた同劇団が、より多くの人に見てもらおうと企画。上林昌嗣監督が釧路公演を映像化した。
 映画の公開初日には、宇梶さんが舞台あいさつする予定。上映は3月31日までの1日1回で、一般1800円など。問い合わせは、シアターキノ(電)011・231・9355へ。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/645022

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<教授陣のマンスリー講座>前田亮介氏(政治史) アイヌ文化振興法成立に政権交代影響

2022-02-13 | アイヌ民族関連
北海道新聞02/12 11:17
 2008年6月、国会両院が「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で可決したことを受け、当時の町村信孝官房長官は、アイヌ民族の先住性を認めるにとどめた従来の政府見解から踏みこみ、「先住民族」と明言する画期的な談話を発表した。これは前年採択の先住民族の権利に関する国連宣言を意識したものであると同時に、野党民主党が参院を掌握した「ねじれ」下の合意形成の成功例ともいえる。この点、先住民族とついに明記した「アイヌ施策推進法」(19年)の立案が、「安倍1強」下の内閣官房主導で進んだこととやや対照的かもしれない。そして民主党政権前夜の08年談話の先がけとなった「アイヌ文化振興法」(1997年)の成立も、93年の自民党下野に始まる連立政権の時代の産物だった。
 アイヌ文化振興法の起点は、自民党・社会党・新党さきがけが連立した村山内閣で、アイヌ問題に積極的で当時官房長官だった社会党の五十嵐広三氏が有識者懇談会を95年3月に発足させたことにある。ただ、北海道旧土人保護法に代わる新法は五十嵐氏の悲願ながら、連立与党内の合意も大きかった。当時運輸相だった自民党・亀井静香氏の閣議での意外な「新法推進の応援演説」に五十嵐氏は後年感謝しており、アイヌ民族初の国会議員萱野茂氏の後援会も亀井氏を「百万人の味方」と特筆した。だが亀井氏の奮闘にもかかわらず、五十嵐氏後継の野坂浩賢官房長官には理解と関心が乏しく(滝口亘著「アイヌ文化振興法成立私史」)、村山内閣は進展を示せぬまま96年1月退陣する。
 そこで法制化の鍵を握ったのが第1次・第2次橋本内閣の梶山静六官房長官である。政局に不安を抱く萱野氏に法制化への意欲を「やさしくおっしゃった」としのばれる梶山氏だが、アイヌ問題を自民党で推進したのが「自社さ」連携派でリベラルな加藤紘一氏や野中広務氏よりも、これと対立した梶山氏や亀井氏という「保・保連合」(新進党連携)派だったのは印象的である。政権交代の経験が、党内保守派の行動も変えていったのである。
 先住性・民族性を認め立法化を求めた山内昌之氏ら有識者懇の報告を96年4月に受けた梶山氏は、これを尊重する姿勢のもと自民主導での法制化を加速させていく。萱野氏含む道内旧社会党議員が野党民主党になだれこむ混乱もあり、結果として土地帰属や自決権の争点化を危ぶむ自民内の声に押され、「先住性」は国会答弁や付帯決議への反映にとどまった。
 苦渋の賛同を迫られた当時の北海道ウタリ協会理事長は法案成立時、首相官邸で2時間面会した橋本首相からテーブルに手をつき深々と頭を下げられ、梶山官房長官も過去の収奪や同化の歴史を陳謝した(2017年7月31日北海道新聞朝刊)。同法の限界にも言及した両者の非公式の謝罪は何より、自民党が長年の政権を失った1993年の政権交代の帰結であり、また再下野を前にした2008年以降の議論の加速を準備するものだったといえよう。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/644888

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アイヌの息吹感じて 群馬県立歴史博物館で企画展 日誌や儀礼用具など250点

2022-02-13 | アイヌ民族関連
東京新聞2022年2月12日 07時56分

アイヌと和人が漁をする様子を描いた「恵曽谷日誌」
 アイヌ民族の民俗や歴史を紹介する企画展「アイヌのくらし-時代・地域・さまざまな姿」が、高崎市綿貫町の群馬県立歴史博物館で開かれている。同館によると、県内でアイヌ関連資料を本格的に展示するのは初めて。漁業や交易の関連品、民族衣装、儀礼用具類など計約250点が並び、独自の伝統文化や苦難の歴史を見学できる。3月6日までの予定。(菅原洋)
 企画展は同館と公益財団法人「アイヌ民族文化財団」(札幌市)の主催。アイヌは北海道を中心に日本列島の北部周辺に先住し、独自の言語を持つ人々。歴史的な差別や偏見を背景に、伝統文化は深刻な打撃を受けてきた。
 展示の冒頭で目を引くのは、北海道西部の一部を行政支配していた米沢藩(現在の山形県)の藩士たちが残した一八七〇~七一(明治三~四)年の「恵曽谷日誌」。アイヌと本土からの和人が漁をする姿などを描いた。その様子は一見、一緒に漁をしているように見える。
 しかし、アイヌ民族文化財団の資料などによると、和人は江戸時代ごろはアイヌを漁場労働者として隷属させ、酷使や交易の不正を強いた。漁猟権や酷使を巡る争いは「シャクシャインの戦い」などの蜂起に発展し、双方に犠牲者を出した歴史的な経緯を踏まえる必要がある。
 祭具では、アイヌが神々に祈る際に用いるために木材を削って作った「イナウ」が注目される。群馬県内などで小正月を飾る「ケズリバナ」と形状が似ているのが興味深い。
 この他、日本とロシアとの間で離散に追い込まれた北千島や樺太のアイヌの品々、首・耳飾り、葬儀用具類なども並ぶ。
 武藤直美学芸員は「アイヌ民族がたどった足跡や、北海道の歴史を知らない方も多いのでは。展示を通し、アイヌとその歴史に関心を持ってほしい。イナウとケズリバナを見学し、自分たちの足元の文化も見直してもらえたら」と来館を呼び掛けている。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、事前予約を必要とし、展示の変更もあり得る。期間中に一部展示替えがある。観覧料は一般六百円、大学・高校生三百円。月曜休館。問い合わせは同館=電027(346)5522=へ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/159798

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アイヌ 文化や歴史知って 写真家・池田さん 若者や親子など写す

2022-02-13 | アイヌ民族関連
中日新聞Web2022年02月12日05時00分

 アイヌ民族の人々を撮影した写真展「現代アイヌの肖像」が十一日、金沢市本町のリファーレで始まった。十年以上にわたりアイヌの人たちと交流をする写真家の池田宏さん(41)が撮影した作品とインタビューパネルが展示されている。アイヌを巡る文化や歴史を知るきっかけになればと企画された。来月十三日まで。入場無料。
 写真は池田さんが二〇一九年三月から昨年十月までの期間に撮影したもの。アイヌの若者や夫婦、親子らの姿を写した十四点が並ぶ。初めはアイヌの人々と縁もゆかりもなかったが、〇八年から取材を続け、今では友人と呼べる関係になった。
 池田さんにとって特に印象に残っている一枚が結婚式の前撮り写真。観光地で有名な北海道帯広市の「幸福駅」にアイヌの男性と妻になる女性がベンチに腰掛けている。「前撮りをお願いしたい」。これまでは一方的に取材を依頼する側だった池田さんにとって、相手からお願いされたのは初めての出来事だった。
 写真の横に目を移すと、池田さんがインタビューを基に作成した内容が添えられている。「写真ではわからない人となりや撮影に至るまでのやりとりを可視化したい」と展示。幼いときの差別の経験や自分の子どもがいじめを受けないかという不安、アイヌの伝統を残そうとする人々の思いなどがつづられている。
 池田さんは「アイヌの人たちを一くくりで語り、それ以外の『個』を見えないようにするのはよくない。(作品からは)一方的なイメージの押しつけではなく、見た人それぞれの想像が広がれば」と話している。
 観覧は午前十時から午後四時まで。写真展は県国際交流協会が主催する「多文化が共生する県民フェスタ」の一企画として開催している。(西川優)
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-417115

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