新年あけましておめでとうございます。
本年も備忘録的に足を運んだ寄席や落語会の情報を書き記してまいります。
元日早々どこかに足を運ぼうとあれこれ思案をしていたのですが、
お正月の初席は、どこの寄席にも豪華なメンバーの顔見世興行が行われています。
とはいえ、鈴本や国立は予約制を取っており、いずれも完売でそもそもいけない。
浅草や東洋館は人でごった返す上に持ち時間が少ないのでパス。
池袋や末廣亭は芸協の興行なのでイマイチ行く気がしない。
消去法的なところで行くと、両国寄席か連雀亭になる、と。
黒門亭も2日からスタートというわけで。
で、大みそかのうちにあれこれ情報を見ていると、
連雀亭には今話題の神田松之丞さんがトリをとる、とある。
ここのところメディアなどでも多数取り上げられていて、
話題には事欠かないお人。2月には抜擢で真打昇進も決まっています。
こりゃーちょっとダメもとで行ってみるか、ということで、
元日早々、余裕をもって神田連雀亭へ向かいます。
なお、松之丞さんは数年前に国立で拝見したことがありますが、
今ほどは話題にはなっておりませんでした。
改めて世の中で騒がれるようになったのと、
普段はあまり足を運ばない芸協の興行に出るお方なので、
そのあたりを自分の目で確かめてみよう、という心持で行ってきました。
で、余裕を持って行ったわけですが、さすがの松之丞人気。
開場の1時間前にもかかわらず整理券の配布がほぼ済んでおり、
なんとかギリギリで整理券を手に入れられる始末。
直後に札止めで、なんとも恐るべし、という感じ。
で、演目。
入り口で入場整理をしていた遊京さんがサラ口。
元旦の芸人の過ごし方から、ルンバの話に至るまで、落ち着いた語り口。
さすが、京大を出ただけあって知性を感じますよね。
この「堀之内」が私にとって本年1席目の落語になりました。
続いて、師匠宅でそこそこに飲んできたというほろ酔い気分の一左さん。
「浮世床」の「本」の部分でしたが、いい具合に力が抜けていて面白い。
会場にただ一人いたお子さんもケラケラ笑っておりました。
新年早々はこういうところで笑うのが一番かもしれません。
続いて風子さんは昨日の紅白の話題から息子さんの話へ。
シングルマザーでかれこれ10年近く噺家をされているそうですが、
そんな息子さんも今年は受験生とあって苦労が絶えないそう。
しかしそんな息子さん、母の心配とは裏腹に、
仮面ライダーになりたいという希望を持っているんだそうですが、
そんなところから新作へ入っていきます。
初めて聞く噺で、嫁姑がスーパーでの買い物をめぐって・・・という展開。
んー、年末に新作をあれこれ聞いてしまって、私の少し査定が厳しくなっているのか、
今一つ笑いが乗り切れていないというか・・・。
吉笑さんは、一瞬古典で来るのかなーと思いきや、「舌打たず」という新作。
当然ながら初めて聞くのですが、これも聞いていて少し疲れてしまう。
発想やら展開の仕方は悪くないと思うのですが、
どうも私には合わないかもしれません。んー。
仲入りをはさんで昇羊さん。この人は初見で、古典に戻って「猫の皿」。
端正な顔立ちと落ち着いた語り口でマクラをあれこれと。
ネット上では評判もいいので、ちょっと期待して聴いていたのですが、
これもやはり相性の問題なのか、ちょっと途中で疲れてしまいました。
んー、なんでしょう。
笑わせよう笑わせようという気合が伝わりすぎてきてしまっているいうか。
「猫の皿」自体、ドッカンドッカン受ける噺ではないので、
笑いを取りたい気持ちはわかるのですが・・・。
普通に演じていてもしっかりと可笑しい噺だと思うんです。どうですかね。
なな子さんは足立区のマクラから「竹取物語」へ。
昨日の酒ヤケで声が…と仰っていましたが。
師匠やたけ平さん同様、客席をいじって場を盛り上げていきます。
噺自体は、どこか小噺で聴いたことがあるような・・・。
とはいえ、立川流・芸協が続いた後で落語協会所属の安定感はあるような。
そして、円楽党からはらっ好さん。この人も初めてお目にかかります。
演目の「弥次郎」もポピュラーなところですが、これが面白い。
ここまで笑いを取ろう取ろうという空気できて、
ある意味で少し落ち着いて、そしてじっくりと聞いていて可笑しいという、
なんとなく円楽党への評価が変わってくる一席になったかもしれません。
で、トリは人気者の松之丞さん。演目は赤穂義士伝より「大石東下り」でした。
改めてこの方の講談を聞いて、人気が出るのもわかる気がしました。
笑いはしっかり取っておいて、聞かせるところはじっくりと聞かせる。
この方以外の講談もいくつか聞いてきましたが、
人を引き込む力と、登場人物への共感を得させるにおいて抜群でしょうね。
連雀亭のような小規模なところだからこそ息遣いも伝わってきてなおさら。
マクラも面白かったのですが、その辺は割愛。
いろいろと考えさせられる8席でしたが、今年の指標にはなるかも。
今年もあれこれ選り好みせず聞きに行ってみようっと。
新たな発見のある一年になりますように。
あ、帰りがけに噺家さんからのメッセージカードと千社札がお土産でつきました。
恐懼謹言。
本年も備忘録的に足を運んだ寄席や落語会の情報を書き記してまいります。
元日早々どこかに足を運ぼうとあれこれ思案をしていたのですが、
お正月の初席は、どこの寄席にも豪華なメンバーの顔見世興行が行われています。
とはいえ、鈴本や国立は予約制を取っており、いずれも完売でそもそもいけない。
浅草や東洋館は人でごった返す上に持ち時間が少ないのでパス。
池袋や末廣亭は芸協の興行なのでイマイチ行く気がしない。
消去法的なところで行くと、両国寄席か連雀亭になる、と。
黒門亭も2日からスタートというわけで。
で、大みそかのうちにあれこれ情報を見ていると、
連雀亭には今話題の神田松之丞さんがトリをとる、とある。
ここのところメディアなどでも多数取り上げられていて、
話題には事欠かないお人。2月には抜擢で真打昇進も決まっています。
こりゃーちょっとダメもとで行ってみるか、ということで、
元日早々、余裕をもって神田連雀亭へ向かいます。
なお、松之丞さんは数年前に国立で拝見したことがありますが、
今ほどは話題にはなっておりませんでした。
改めて世の中で騒がれるようになったのと、
普段はあまり足を運ばない芸協の興行に出るお方なので、
そのあたりを自分の目で確かめてみよう、という心持で行ってきました。
で、余裕を持って行ったわけですが、さすがの松之丞人気。
開場の1時間前にもかかわらず整理券の配布がほぼ済んでおり、
なんとかギリギリで整理券を手に入れられる始末。
直後に札止めで、なんとも恐るべし、という感じ。
で、演目。
入り口で入場整理をしていた遊京さんがサラ口。
元旦の芸人の過ごし方から、ルンバの話に至るまで、落ち着いた語り口。
さすが、京大を出ただけあって知性を感じますよね。
この「堀之内」が私にとって本年1席目の落語になりました。
続いて、師匠宅でそこそこに飲んできたというほろ酔い気分の一左さん。
「浮世床」の「本」の部分でしたが、いい具合に力が抜けていて面白い。
会場にただ一人いたお子さんもケラケラ笑っておりました。
新年早々はこういうところで笑うのが一番かもしれません。
続いて風子さんは昨日の紅白の話題から息子さんの話へ。
シングルマザーでかれこれ10年近く噺家をされているそうですが、
そんな息子さんも今年は受験生とあって苦労が絶えないそう。
しかしそんな息子さん、母の心配とは裏腹に、
仮面ライダーになりたいという希望を持っているんだそうですが、
そんなところから新作へ入っていきます。
初めて聞く噺で、嫁姑がスーパーでの買い物をめぐって・・・という展開。
んー、年末に新作をあれこれ聞いてしまって、私の少し査定が厳しくなっているのか、
今一つ笑いが乗り切れていないというか・・・。
吉笑さんは、一瞬古典で来るのかなーと思いきや、「舌打たず」という新作。
当然ながら初めて聞くのですが、これも聞いていて少し疲れてしまう。
発想やら展開の仕方は悪くないと思うのですが、
どうも私には合わないかもしれません。んー。
仲入りをはさんで昇羊さん。この人は初見で、古典に戻って「猫の皿」。
端正な顔立ちと落ち着いた語り口でマクラをあれこれと。
ネット上では評判もいいので、ちょっと期待して聴いていたのですが、
これもやはり相性の問題なのか、ちょっと途中で疲れてしまいました。
んー、なんでしょう。
笑わせよう笑わせようという気合が伝わりすぎてきてしまっているいうか。
「猫の皿」自体、ドッカンドッカン受ける噺ではないので、
笑いを取りたい気持ちはわかるのですが・・・。
普通に演じていてもしっかりと可笑しい噺だと思うんです。どうですかね。
なな子さんは足立区のマクラから「竹取物語」へ。
昨日の酒ヤケで声が…と仰っていましたが。
師匠やたけ平さん同様、客席をいじって場を盛り上げていきます。
噺自体は、どこか小噺で聴いたことがあるような・・・。
とはいえ、立川流・芸協が続いた後で落語協会所属の安定感はあるような。
そして、円楽党からはらっ好さん。この人も初めてお目にかかります。
演目の「弥次郎」もポピュラーなところですが、これが面白い。
ここまで笑いを取ろう取ろうという空気できて、
ある意味で少し落ち着いて、そしてじっくりと聞いていて可笑しいという、
なんとなく円楽党への評価が変わってくる一席になったかもしれません。
で、トリは人気者の松之丞さん。演目は赤穂義士伝より「大石東下り」でした。
改めてこの方の講談を聞いて、人気が出るのもわかる気がしました。
笑いはしっかり取っておいて、聞かせるところはじっくりと聞かせる。
この方以外の講談もいくつか聞いてきましたが、
人を引き込む力と、登場人物への共感を得させるにおいて抜群でしょうね。
連雀亭のような小規模なところだからこそ息遣いも伝わってきてなおさら。
マクラも面白かったのですが、その辺は割愛。
いろいろと考えさせられる8席でしたが、今年の指標にはなるかも。
今年もあれこれ選り好みせず聞きに行ってみようっと。
新たな発見のある一年になりますように。
あ、帰りがけに噺家さんからのメッセージカードと千社札がお土産でつきました。
恐懼謹言。