恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/28(水)薬研堀縁日講談の会 宝井琴調「中村仲蔵」

2020年10月28日 | 噺とか
先ほどの連雀亭ワンコイン寄席が終わったのち、
かわら版に掲載されていて気になった講談の会があったので、行ってみました。
寄席などでもおなじみの宝井琴調先生、「薬研堀不動尊」なるお寺で講談の会があると。
木戸銭も「投げ銭」とあるので、お高くもなかろうと。
なんでも、このお不動様、講談発祥の地なんだそうで、
講談師の方々とも縁が深く、年末には「張扇供養」なんかもやっているようです。

神田から浅草橋まで散策を兼ねて歩いて向かいます。
開演が14時ということとで30分ほど前に到着するとすでに先客が。
平日の昼間だからと油断していましたが、なかなか人が来るもので。
最終的には満員で札止めとなりました。

住職による挨拶があって間もなく琴調先生の登場。
演目はネタ出しされていて「中村仲蔵」でした。
これも神田伯山先生が披露目で演じたものをYouTubeで見たきりではありますが、
落語でも広く演じられており、比較的メジャーなものかと。
そもそも歌舞伎の知識がないと本当の意味でこの講談は楽しめないのかもしれませんが、
ところどころに注釈を入れてもらえるのでそこは楽しめるのですがね。

なんにせよ講談にしても落語にしても芝居の知識があればもっと楽しみが広がりそうですね。
もっとも、そういう知識がなくても寄席では楽しめるとは思うのですが。

約40分の高座が終わって終演となりました。
再びご住職が出てあれこれとお話をいただきました。
お坊さんのお話も面白いものですね。
縁日ということで15時から本堂で法要があるため、そちらにもお邪魔しました。
真言宗の法要の様子ってあんまり見る機会がないですからね。
真言を唱え、護摩木を焚く。
じっとそこにいただけではありますが、神秘的な空間なのでありました。

近くにありながら足を運んだことのない場所も、
行ってみるといろいろな発見があります。
ワンコイン寄席からお不動様での講談と密教の法要。
充実した一日でした。

恐懼謹言。
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10/28(水)連雀亭ワンコイン寄席

2020年10月28日 | 噺とか
平日休みにあたりまして、ちょっと遠出しようとも思ったのですが、
タイミングが合わず断念。
何もやることを考えておらず、ふらっと神田連雀亭へ行ってまいりました。

「マーケロボ」  吉笑
「のめる」    志のぽん
「ぐつぐつ」   扇兵衛

吉笑さんは連雀亭では2回目。
前回の新作は何となくピンと来なかったのですが、今回はヒット。
会場のお客さんも吉笑さん目当ての人が多かったのかな?
この夏に「DX」なる企業から商品をPRする新作落語を作ってほしい、
と依頼されて作ったのがこの作品なんだそうで。
実際に後で調べてみるときちんと実在するサービスなんですね。当たり前だけど。
立川流の上層部はデジタルへの理解が少なく、
実際にホームページの重要性すらわからず廃止してしまったこともあるようで、
そんなデジタル音痴なベテラン落語家をうまく絡めて楽しい新作に仕上がっていました。
途中、どういうわけか啖呵を切る場面で言い立てもあり、聴きどころ満載でした。

そんな「熱い」高座の後は、飄々とした志のぽんさん。
この日の出番をめぐって、吉笑さんとひと悶着あったようですが、
難なくここで2番目の高座を務めます。
寄席でもおなじみの「のめる」ですが、細部は聞いたことのないシーンも。
そこまで数多く聞いているわけでもないのですが、
落ち着いた語り口で、なんともゆったり楽しめる一席でした。

トリの扇兵衛さん。体格に関するマクラから東京デブサミットの話題をあれこれ。
落語協会では歌武蔵師匠に次ぐ体重がありながら、デブサミットメンバーの補欠に甘んじている。
メンバーの一琴師匠や圓十郎師匠、一蔵さんと比べても遜色ないんですけどね。
そんな話題から食べ物の話へ移って、おでんの話題へ。
よもやとは思いましたが、この流れから「ぐつぐつ」へと入っていきました。
扇兵衛さんもこの噺を持っていたんですね。
基本的には小ゑん師匠の型そのままなのですが、
さすがに夏を除いて年中寄席でこの噺をやっている小ゑん師匠のイメージが強すぎるため、
まだまだ自分の噺にはなっていないのかなと思います。
とはいえ、おなじみのくすぐりやギャグは盛り込まれていて、楽しい一席でした。
「コブは正蔵になった」のくすぐりはやはり入れられなかったですね。

新作2本と古典1本という、連雀亭では比較的珍しい構成だったかもしれません。
それでもこれでワンコイン、なかなか中身の濃い内容でありました。

恐懼謹言。
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