恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/27(土)池袋演芸場 落語協会新作台本まつり

2021年03月27日 | 噺とか
3月下席の池袋は恒例の新作台本まつり。
寄席の定席でありながら、まるで新作の会の様相を呈しています。
この池袋に約3か月ぶりぐらいに足を運びました。
この芝居、日替わりで顔付けも変わるのですが、足を運べるのは今日ぐらい。
にもかかわらず非常に魅力的な顔付けで、期待は高まります。
それなりに席も埋まるかなとも思いましたが、
ちょうど左右一席ずつぐらい空けて座れるぐらいのちょうどいい感じ。

「つる」         ひこうき
「1パーミルの恋人」   丈二
「龍馬伝」        圓歌
「はじめての確定申告」  天どん
「太神楽」        翁家和助
「糖質制限初天神」    馬るこ
「寝かしつけ」      きく麿
 -仲入り-
「時の過ぎ行くままに」  清麿
「フィッ!」       小ゑん
「粋曲」         小菊
「旅のかかし」      はん治

こうしてみると前座さん以外すべて新作。すごいもんですね。

丈二師匠はすごく久しぶり。
この師匠の新作はどれも素晴らしい出来なのですが、なかなか出会う機会がなく。
この「1パーミルの恋人」も間違いなく代表作の一つ。
久しぶりに聞くいことができてよかった。

浅い出番での圓歌師匠は久しぶり。
普段はすっとネタに入るのですが、
丈二師匠の血液型ネタから自分自身の「B型人間」のようなマクラへ。
すべて計算の上で高座に上がっている印象の圓歌師匠ですが、
このマクラはそんな感じでもなくかなり即興だったような。
そんなこともあってかかなり伸びてしまいました。

延びてしまった後の天どん師匠、こんなことは慣れっことばかりに、
本題「はじめての確定申告」へと入っていきます。
この噺、演題は見たことあれど、初めて聞きました。
時期的に確定申告で忙しいこの時期のお話。
税務署に確定申告にやってきた一見普通の主婦が実は殺し屋、という。
天どん師匠らしい楽しい一席でした。

馬るこ師匠はおなじみの「糖質制限初天神」でした。
マクラでは、最近デビューしたArakezuriなるアーティストのMVに出演した話を。
撮影の苦労話から笑い話までありましたが、
このあとちょっとMV見てみようと思います。

きく麿師匠も安定の「寝かしつけ」で楽しませていただきました。
また、マクラで披露された正雀師匠、はん治師匠、雲助師匠のモノマネが秀逸。
YouTubeでもどんどんやってほしいものです。
マクラと本題合わせて今日で一番笑ってしまったような。

清麿師匠から小ゑん師匠と新作のベテラン勢を経てトリのはん治師匠へ。
ネタ出しで「旅のかかし」という新作台本の選に入った作品。
これで口演されるのが3回目とのことですが、そこはベテラン。すっと噺に入ります。
演題だけではどんな話か想像つかなかったのですが、
なんとなく古典の世界にありそうな、そして昔ばなしにもありそうなほのぼのとした噺。
仕事はしたくない、でもおいしい思いはしたいというだらしのない男が、
流れ流れて各地を転々と移動しながら、ある畑に入って盗みを働こうとするところを見とがめられ、
とっさの嘘をつくところからストーリーが始まります。
自分は畑で盗みをしていたのではなく、かかしになっていたのだ、と。
実質15分程度のコンパクトな噺でしたが、
もっと寄席でもかかってよさそうな感じ。

期待も大きかったのですが、実際の満足度も非常に高い池袋でした。
座席も余裕とゆとりがあり、のんびりゆったりといい時間が過ごせました。
4月の上席、昼が天どん師匠、夜は一之輔師匠。
こんな感じなら1日いても苦にならないはず。

恐懼謹言。
コメント
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