富山県中新川郡舟橋村の運用が終わると300m位しか離れていない舟橋立山天然温泉「湯めごこち」に入浴した。温泉設備は良く特に露天風呂は広く御客さんも沢山入浴していた。途中から雨がポツポツ降り出したが苦に成らず寧ろ雨の中の露天風呂は趣があった。2時間は温泉を楽しんだ後、駐車場で車中泊する心算でベットに横に成ったが眠られず思い切って富山市内を抜ける事にして自動車を走らせた。夜中の1時過ぎに場所も名前も思い出せないが途中の道の駅に入り車中泊し、翌朝小杉ICから北陸道に入り小矢部砺波JCTから東海北陸道へ最初は平坦なコースで有ったが山間部に入ると一定勾配の登り坂が続きやがて10Km以上あるトンネルの通過時は連続の上り坂でおまけに片側一車線なので後続車は追い抜きが出来ない。
我がピョンピョンⅡ号は最初は時速90Km位で走っていたが連続の登り勾配でアクセルペダルはベタ踏み状態でも最後は60Km状態にスピードダウン「此れには参った」軽四でターボ無しのエンジンでおまけにトルコン車そして車内には250Kgの荷物を積んでいたので走らないのだ。後続車の方には申し訳ない気持ちで一杯なのだが、どうする事も出来ない。やがて峠を越えて下り坂に成ると重量が有るので加速度が付いて120Kmくらいで下り坂を走りる事が出来たが この車では二度と東海北陸道は走れないと思った。飛騨白川PAで無理をしたピョンピョンⅡ号を休める目的で車を停め私もベッドに横たわり仮眠する事にした。
岐阜県側に入るとアップダウンは有るものの全体的には下り勾配で順調に進み一宮JCTで名神高速に入り直ぐの岐阜羽島ICで高速道路を降り国道18号線で安八郡安八町に向かう。安八町は岐阜県下ではQRVの少ない所で両側を揖斐川と木曾川に挟まれた町で どちらかの川の河川敷か堤防上でフルサイズのアンテナの設営が可能だろうと考えて岐阜県内での運用地と考えたのだが 思いの外人口密集地帯で両河川の近くも車で廻ったが此れと言う場所は探し当てられなかった。1時間ぐらい不慣れな町をさ迷ったが諦め高速道路を通過中に大きい河川敷が見えた2番手の運用候補地の笠松町に向かう事にした。
笠松町に入ると木曾川を目指し東に進み木曾川橋の手前を川下に少し行くと河川敷に入る道が有り其の先にアスファルト舗装された大きい駐車場が見付かった。運用場所は北緯35度21分41秒 東経136度45分30秒の写真の場所で逆Vを設営7Mhzで16:17jstから運用を開始したが7局目の小西さん(JG4SMS)との交信中だったと記憶しているがトランシーバーが動作しなく成った。発電機のエンジン音はしていたので車までのコード関係のトラブルと考え外に出て調べたが問題なく車に戻り調べようと運用卓の上の電圧計を見ると針が振れていない。この段階でも発電機の故障とは思わ無かったが発電機側の電圧計を見て初めて現実が理解出来た。
この時の移動は100%発電機頼みで予備電源として90AHのバッテリーをセパレーターで分離、走行中に充電出来る様にはしていたが発電機が停止した時に自動的に切替える事等考えて居なく最悪自動車の「バッテリーあがり」時のエンジン始動用にしか考えて居なかったので無線機側に供給する接続など考えて居なかった。急に電波が停波した事で聞いていた各局には心配は掛けているし早く電波を出す方法を考えなければと色んな事が頭の中を駆け巡ったが直ぐには妙案が浮かばなかった。時間が経つと冷静に成りバッテリーから12Vの電源端子までは「バッテリー充電コード」を代用利用し接続する事にした。予備バッテリーは2番目の写真の様にベッドの下に取付けて有るので助手席側の後ろのサイド開きのドア側からでないと(ベッド用のコンパネが片ヒンジで取り付けられ片開きであったため)結線作業が出来ない状況にあった。そしてこの時は無線機は屋根の上の荷物入れに取り付けていたので(写真とは状況が少し違う)窓ガラス越しに接続しなければ成らなかった。作業をするためにサイド・ドアを開けようとするとドアが開かない。原因を調べるとキャリアを取り付けている部分が上の重さと走行中の振動で下がりスライドドアの一部に接触してドアが動かないのだ。コンパネは写真の様に開くので車内の方からは作業が出来ない。網戸を外して窓ガラスを下ろせば可能だがサイド・ドアをあける必要性は他にも有ったので新車では有ったが下がっている部分に木片を当てて下からハンマーで叩いて修正する事にした。荒療治で「涙がポロリ」の状態で有ったが電波が出る様にしなければの思いの方が強かった。
解決策は旨く運んだがこの日は木曽川の水位が上がっており消防所から車が出て水位を監視してる状態で有ったので河川敷での車中泊は取りやめて少し上流の名鉄名古屋本線の木曽川鉄橋の下の笠松港公園の入り口の堤防上の空地で車中泊する事と成った。翌朝、昨日の場所に戻り05:32~07:59jst間を7Mhzで運用し103局と交信しこの場所での総交信数は昨日と合せて110交信に終わった。運用後、時間が有ったので発電機を調べたが発電機の中に組み込まれたレギュレーター回路(ブラック・ボックス)が故障、現地では如何する事も出来ず諦めた。この発電機は移動運用を始めるに当たりオークションで15000円で落札、外観はボロボロで有ったが分解掃除して自分で色を吹き直しして使用出来る様にした物、愛着も有ったが何よりも2009年の北海道1ヶ月、今回の2ヶ月半の運用中、時々機嫌を損ねる事も有ったが移動運用時は暑い日も寒い日も元気に働いてくれ2年半の間に30000交信に及ぶ電源を供給し続けてくれた戦友の様な物、残念ながら岐阜県羽島郡笠松町で命尽きた。
このトラブルは移動の最後の段階で発生したので「不幸中の幸い」で有ったが北海道当たりで発生していたら運用が出来なかったたと思われるので其の後の安定した移動運用が出来る様に150AHのバッテリーに載替し、電源もフローティグ方式にして発電機とバッテリーの並列運転とし発電機の燃料切れや万一の発電機がストップ時にも瞬時にバッテリー運用に切換わり即電波が停まる事の無い様に安全策を施した。この事は急激な負荷の変動を発電機に与える事無く一定回転する事により燃費を向上させた。笠松町では痛い目に有ったがトラブルを乗り越える所に意義が有り其の為に彼是考えて改善していく事にアマチュア的楽しみが有る様に思う。
写真の車には釣竿アンテナが付いているが 此れは運用終了後、修理作業中に受信する為に接続した物