共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

意外なところで

2014年03月24日 20時51分36秒 | 日記
小田原に降り立ってから教室に行く前に、小田原駅ビル《LUSCA》の5階にある有隣堂に立ち寄って立ち読みをしていました。その時この本が目に留まったので、思わず買ってしまいました。現在、日本国内に残っている日本刀の銘品の中から、更に御物(皇室の所蔵品)や国宝・重要文化財に指定されている、貴重な逸品の写真が多数掲載されています。

源頼光が酒呑童子を斬り捨てたという伝説の剛剣、今年の大河ドラマに主人公・黒田勘兵衛所蔵の名物、日蓮上人の命を救った守り刀、稲荷明神の化身が相槌を務めたと伝わり、その伝説が能《小鍛治》として伝わる三条宗近作の国宝…これだけの刀剣の名品がズラリと勢揃いしている、なかなか見応えのある一冊です。

そして面白いのが、刀にまつわる言葉が沢山紹介されているページです。

相槌を打つ、しのぎを削る、付け焼き刃、伝家の宝刀、元の鞘に収まる、単刀直入…といった馴染み深いものも勿論ですが、意外なところではすっぱ抜く、切羽詰まる、抜き打ち、目貫き通り…といった言葉も、実は刀がもとになっているのだそうです。

一番驚いたのが『やさぐれる』という言葉も、実は刀がもとになっている言葉なのだそうです。『やさぐれる』の『やさ』というのは『さや(鞘)』の反転語、『ぐれ』は『外れる(はぐれる)』のこと…つまり、刀のさやを家に例え、家出することや家出人そのものを『やさぐれ』と言ったのだとか。

刀にまつわる言葉が意外なかたちで今日まで使われていることに、いかに日本人の生活に刀が密着していたかを再認識させられました。勿論、刀剣の写真そのものも美しいので、一度書店で御覧になってみて下さい。
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