スミレ の花色には個体差があることは承知していた。
咲き初めの濃い花色も咲き進むに従って色褪せてくることも勿論承知していた。
この濃い花色は開花とともに薄れてくるだろうが この株は色の濃い部類だ。
次の株は少し赤味がかった花の色。
昨年の調査で初めて出会った白い花の スミレ。
アリアケスミレ かと思ったが・・・・・。
魚沼に アリアケスミレ が姿を見せ始めたのは昭和の終わりから平成の始めの頃だと思っている。
関越道が全通した頃だったからそれに乗ってきたのかな・・・と思っている。
今回の調査エリアは魚沼の市街とは一本のトンネルだけでつながっている袋小路のような場所だ。
調査を始めた頃 アリアケスミレ がまだ進入していない地域のようだと思っていた。
ある日 2坪ほどの範囲に10株ほど咲いていた 白いスミレを見てやっぱり進入していたんだ・・・・。
と 思って標本を採取したら根は アリアケスミレ のものでは無く スミレ の根だった。
その花は スミレ(マンジュリカ)の白花品だった。
帰宅してから近くの農道に咲く アリアケスミレ の根を掘ってもう一度確かめてみた。
根まで見なければ確かめられないとは スミレ の世界の奥は深い。
環境省の生態系被害防止外来種リストで重点対策外来種に指定されている植物を二種。
昭和廿年代 jokichi 小学生の頃から オオアワダチソウ は家の周りに咲いていた。
茅葺きの家の裏 水路沿いに咲いていた オオアワダチソウ は現在も少し位置は変わったが咲き続けている。
夏の暑い盛りに草丈1m前後で黄色い花を咲かせるこの花は調査エリアでも咲いていた。
移植または捨てられて根付いたのでは・・・と思う場所にひっっそりと咲いていた。
セイタカアワダチソウ のような繁殖力を持たないこの草が 重点対策外来種 とは少々考えにくい。
日本の晩秋の景色として定着してしまった セイタカアワダチソウ は調査エリアでも何カ所かで咲いていた。
あざやかな黄色の花は庭に植えていた家もあったが今では市報で駆除を呼びかけている。
草はそんなことには無頓着でどんどん生育範囲を広げている。
2020年環境調査での出会い 紫の花を二題。
道路沿いの杉林の下を ツルニチニチソウ が覆い尽くしていた。
地主さんが植えたのだろう。つややかな明るい葉は在来の雑草より勢いがいいようだった。
GWの頃には青紫色の花を爽やかに咲かせていた。
ノジスミレ は スミレ にそっくり。花の中を覗かないと区別ができない。
路傍に咲くたくさんの花を一株ずつ調べてゆく。側弁の内側の毛の有無が決め手だという。
ほとんどが スミレ だが ある一角でヒットした。
もう少し中まで見えるように撮らないと説得力に欠けるが この株は毛の無い ノジスミレ だった。
雪の話ばかり続いたので 山野草 と 高山植物 のことを綴ってみます。
2020年の環境調査で出会った花を二題。 双方とも同じ池で観察しました。
水中から花だけを水面に出して咲く ミズオオバコ は淡い桃色を帯びた一日花。
受粉すると花茎はらせん状になり子房は水中に沈む。
ホソバミズヒキモ とは10年ぶりの出会いだった。
外見は コバノヒルムシロ と酷似しており 種子の形状で区別するのだと言う。
10年前は結実するまで水槽で育てて種子を確認した。
今回は前年の種子が残っていたのでその場で同定することができた。
背景の細く色の濃い葉が水中葉で水面に浮かぶ葉の色は明るく広い。
この花も受粉すると水中に沈むが蕾の内に顔を出すので3日間くらいは水上にとどまる。
急斜面の雪がさらさらと崩れ落ち崖下に小山を作るようになると
小さな沢の水は流れを止めて水音を消す。
冷たすぎる景色に少し色をつけてみました。(1/11)