20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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セイタカアワダチソウ

2013年10月31日 | Weblog

           

 セイタカアワダチソウが咲いています。

 お台場が、まだ埋立地として荒れ野だったころ。

 私は日野啓三の『夢の島』(講談社文芸文庫)の世界に惹かれ、大井町からバスにのって東京湾の埋立地を通り抜けたことがあります。

 あのころは、あの場所がこんな近未来都市になるなんて、夢にも思いませんでした。

 

 あたりにはゴミが積み上げられ、カラスがそのまわりを回っています。

 荒廃としたその場所に一本だけ出来ている道を、曇り空の下をバスはひた走ります。

 ふと、遠くをみると黄色いセイタカアワダチソウの群生が・・・。

 無機質な埋め立て地で、はじめて見た色彩でした。

 そのとたん、脳裏をかすめたのがルース・クラウスと、マーク・シーモントの名作絵本『はなをくんくん』(福音館書店)です。

 

 いまでも、セイタカアワダチソウをみるたび、絵本の、冬眠から目覚めた動物たちの顔や、荒涼とした東京湾の埋め立て地の光景を思い出します。

コメント (2)
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