鳩が、まるでスズメが電線にとまっているような格好で、羽を休めています。
その昔『家族ゲーム』という森田芳光監督の映画がありました。
その家族はいつも横一列に並んで食卓につきます。
家族がお互いの顔を見つめながら食事をするのではなく、家族の目線の先はいつも一方方向。
その一直線の食卓の意味するところを、奇才・森田芳光は、お互い面と向かって向き合うことのない、偽りの関係であるというメッセージをこめ、このシーンを象徴的に描きました。
ところが、ところがです。
気がつくと、我が家も夫婦ふたりになって、なんと『家族ゲーム』のように、一列に並んで食事をしていたのです。
そうして思ったのは、真正面に向き合って食事するより、直角に座るとか、横一直線に座るとかいったスタンスは、だれとお食事をするのでも、とても気楽であることに気づきました。
レストランで友人とふたりでお食事をするときに、近頃は女同士であっても、わざわざラブチェアみたいに席を用意してくれるお店もあるくらいですから。
鳩たちも、どこか気軽そうな表情で、羽を枝に休めていました。
でも、この写真の構図。子どもの目線でみたら、どんなストーリーになるのでしょう。