前回、冬枯れの空と題して雪の科学館がある風景を取り上げた。
雪の科学館の展示は中谷宇吉郎博士の研究業績を紹介するものだが、
設計者の磯崎 新氏の設計は展示施設だけに留まらない。
周辺環境も取り込んで、いや、柴山潟や白山も加えるなら、
数キロ、数十キロにも及ぶ風景も設計に取り込んでいる。
つまり、人の視界を大きく超えたスケールの風景設計が
雪の科学館のもうひとつの魅力だと思うのだ。
前回の記事で、「自分だけの風景を探してみて」と記したのは
人の視界を大きく超えた風景設計だから、
ここを訪れた誰もが違う景色を探すことができるということを言いたかったのだ。
前置きが長くなったが、雪の科学館がある景色をいくつかご紹介。
科学館に続く長いスロープを行くと建物の正面にたどり着く。
そこから館内に入るのだが、今は地震災害の為、ここは閉鎖され
1階の通用口が臨時の入館経路となっている。
これから復旧工事に入り、正規の通路に戻るはずだが、
それは一年後のことになる。
建物脇の放水路から眺めた柴山潟と白山連邦。
科学館の裏手、柴山潟のほとりにはカフェスペースがあって
その付近から眺めた白山連邦だ。
実は。今回ご紹介した写真は現在のものではない。
10日間居座った寒波が緩み、晴れ間が出るとの予報だったので
昨日、雪の科学館に向かったのだが、期待したほどの天候とはならなかった。
それでも、あらためて雪の科学館を紹介したいという「お国自慢」が治まらない。
それで、7年前に訪れた時に撮った写真を探し出し、蔵出しとした次第だ。
雪の科学館は長い改修工事に入る。
2027年から28年にかけての冬にこの風景が戻ってくることを
期待してやまない。