折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

大河ドラマ「黄金の日日」

2022-03-28 | 折にふれて

日曜朝、楽しみに見ていたNHK大河ドラマ「黄金の日日」が終わった。

昭和53年(1978年)作品の再放送で

歴代大河ドラマの中でも人気作のひとつだったという。

 

群雄割拠する安土桃山時代。

泉州・堺はどの軍事勢力にも加担せず、商人たちが自治を守る自由経済都市だった。

その堺に、豪商今井家の下働きながら、貿易商を夢見る青年・助左(のちの呂宋(ルソン)助左衛門)がいた。

何事にもひた向きな仕事ぶりに、主人の今井宗久はもちろん、

千宗易(のちの利休)たち堺の人々は助左を温かく見守る。

さらには、木下藤吉郎や石田三成、高山右近など戦国武将たちまでも

助左の才覚を認め支援の手を差し伸べるのだった。

ついに助左は自分の船を持ち、ルソン交易を皮切りに豪商への道を歩みだす。

しかし、激動する時代は助左の運命を飲み込もうとする。

堺の富を我が物にせんとする権力者たちが助左の前に立ちはだかったのだ。

大切な友、そして愛する人を次々に失いながらも

助左は権力者たちに敢然と立ち向かう。堺の自由と人々の尊厳を守るために。

 

原作は城山三郎。

「黄金の日日」が放映された昭和53年は私が社会人となった年だ。

当時、本を読むなら、「太郎さん」「次郎さん」「三郎さん」と教えられたもので

その三郎さんこと、城山三郎の経済小説は、社会人一年生の私に

大人の仲間入りをしたような高揚感を味合わせてくれた。

ちなみに「太郎さん」とは司馬遼太郎、「次郎さん」は新田次郎のことだ。

司馬遼太郎の歴史観には共感することが多く、

社会人生活を通じて参考になることが多かった。

とりわけ「坂の上の雲」では日露戦争、旅順攻略戦のくだりを何度も読み返し、

二〇三高地からの景色を見たくて旅順まで出かけたくらいだ。

また、新田次郎の「富士山頂」など山岳小説からは

ずいぶんと勇気をもらったものだが、聞くところによると

某大手コンサル会社は「八甲田山死の彷徨」を

今でも人材研修の教材として使っているらしい。

 

話がずいぶんとずれてしまった。

次回話を戻して続く。

 


 
 黄金の日日 1話 オープニング


NHK交響楽団による壮大なテーマ曲。

フィリピン沖で撮影されたという落日の映像とともに

自分にとっては、このドラマの見どころのひとつだった。

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黄昏と『 I shall be released』 By空俱楽部

2022-03-09 | 折にふれて

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで



三国港の黄昏

    三国港(福井県坂井市)2022.02.12  17:42   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/18,4sec,ISO100) 

 

この光景を眺めていて気づいたことがある。

水面がふたつの表情に分かれているのだ。

そして、その瞬間。「あれかな?」と、子どもの頃に聞いた話を思い出してもいた。

小学校のバス遠足でのことだった。

バスガイドさんが三国港の河口を眺めながら教えてくれたのだが...。

三国港には源流が異なるふたつの河川が流れ込んでいる。

九頭竜川と竹田川。ふたつの流れは河口付近で合流し、日本海へと注ぎ込む。

それぞれの川は源流や中流の気候状態によって水質が異なり、また、流れの速さも違う。

それで、合流付近の水面はまったく異なるふたつの表情を見せるというのだ。

現に、子どもの時、目にした河口は澄んだ川面と濁った川面がはっきりと分かれていた。

そのことを思い出しながら、この光景に見入った次第だが

向こう岸付近は大河の九頭竜川が流れていて、

緩やかな流れゆえに鏡のような映り込みになったのかな、と思ったりした。

ただし、あくまでも想像の話。そして、どうでもいい話。

美しい光景に理屈をつける必要などないからだ。

 


さて、この時期。同じ曲を選んで同じことを書いている。

春浅い北陸では珍しく晴れあがった日の黄昏時に

決まって思い出す曲とその思い出話だ。


 The Youngbloods - I Shall Be Released 

洋楽通にはよく知られた曲。「 I shall be released」

オリジナルはボブ・ディラン。

また、最も親しまれているのはザ・バンドによるカバーだ。

さらに、古今東西、たくさんのミュージシャンが取り上げていて

洋楽のスタンダードと言っても差し支えない。

その数あるカバーの中でいちばんのお気に入りがこのバージョン。

ヤングブラッズによるものだ。

高校三年生の冬、ジャケットに惹かれ、衝動買いしたのが

この曲が収められた彼らアルバム「High on a ridge top」だった。

A面最後の曲「I shall be released」の美しいメロディにまず惹き込まれ、

何度も聴くうちに、土臭くて優しさあふれるこのアルバムが大好きになった。

受験勉強も追い込みに入った時、「解き放されたい」という歌詞への共感もあったのかもしれない。

それから50年。あの時と同じ、春を迎えようとする日。

晴れ渡った黄昏時にはこの曲を懐かしく思い出すのだ。

 

 

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同潤会代官山アパートメント 三上延

2022-02-21 | 折にふれて

「同潤会代官山アパートメント 三上延(新潮文庫)」

 


かつて、代官山に実在した同潤会アパートメントをモチーフに

そこで暮らした家族四代の物語だ。

昭和2年(1927年)に関東大震災の教訓から、

日本最初の鉄筋コンクリート造集合住宅が

東京の各地に建設された。

そのひとつ、新築されたばかりの代官山アパートメントに

震災で大切な人を失った新婚夫婦が入居してくる。

最初こそぎこちない新婚生活だったが

ふたりは次第に心を通わせ、

やがて物語は子や孫、ひ孫へと語り手を継いで

70年にわたる家族の肖像が紡がれていく。

クライマックスというべきものはない。

ただ淡々と簡潔な文章で物語は綴られる。

けれどもその中に、

人のやさしさや思いやりが幾重にも編み込まれ

それが静かな感動として何度も伝わってきた。

 

三上延という作家を知っていて、読み始めたわけではない。

新聞の広告欄で目にした「同潤会アパートメント」という言葉に惹かれたのだ。

今、建設の仕事をしているが、そのきっかけとなったのが集合住宅の企画だった。

そして、その集合住宅のあり様を考える上で、

大いに参考となったのが「同潤会アパートメント」だった。

その中でも、もっとも知られていたのは表参道の青山アパートメントだったが、

当時、折しも、老朽化によるアパートの解体と再開発が計画されていた。

また、その一方で、保存を求める声が広がってもいた。

ケヤキ並木のゆるい坂道にそって建つ青山アパートメントは

地元だけでなく、その景観を知る人たちに広く愛されていたからだ。

仕事上の興味と景観への憧れ、

さらに解体騒動がきっかけとなり、

各地の同潤会アパートメントを調べ始め、

代官山アパートメントについても知ることとなった。

 

代官山アパートメントもすでに解体されているが

その顛末は小説の最終章でも語られている。

    

  代官山 2011.01  Leica M6  Summicron F2/50㎜

掲載した写真は解体を経て、その後の再開発で建設された

高層の複合施設「代官山アドレス」付近で撮ったものだ。

 

さらに、もう一枚。

こちらは表参道に沿って続く在りし日の青山アパートメントを撮ったものだ。

傘をさして歩いている二人は家内と義母。

義母が亡くなって16年経つのでおそらくは20年以上は前の風景だ。

ちなみに、現在この地には表参道ヒルズが建っている。

    

折にふれて 記憶の中の風景 表参道にて 2013.12.13

 

「同潤会代官山アパートメント」というタイトルを目にした瞬間、

代官山と表参道の景色が蘇り、懐かしさのあまりこの小説を手にした。

そして、さわやかな読後感とともに「記憶の中の光景」をあらためて手繰り寄せようとしたのである。

 

 

 

 

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続 音壁伝説

2022-01-16 | 折にふれて

日本海側各地で大雪が続いている。

北陸も連日、注意報や警報が発令されているが

「金沢は?」というと、この通り。


   金沢市東山 2022.01.15 12:48  Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70㎜  f/5.6,1/100sec,ISO100)    

 

断続的に雪は降るものの、

歩道や屋根にうっすらと残るばかりで

今のところ大きな被害は聞こえていない。

けれども、まだ一月半ばのこと。

ふだん降らない近畿地方での大雪のこともあるから油断大敵。

生活者ができる大雪の対処は迅速な除雪しかないので

常に警戒だけは解かないでおこうと思う。


さて。

女性ボーカルグループ、ロネッツのリードシンガー、ロニー・スペクターが亡くなったそうだ。

ロネッツの代表曲といえばこの曲『ビー・マイ・ベイビー』。

 
 Be My Baby   The Ronettes

 

リアルタイムで聞いていたわけではないが

洋楽では最もポピュラーな曲のひとつで

「ああ、この曲!」と頷く向きも多いと思う。

自分にしてもそう。どこか懐かしく耳障りのいい曲と思っていた。

ところが昨年、ある大物プロデューサーの死をきっかけに

この曲がポピュラーなだけではなく、大きな音楽的意義を持つことを知ることになる。

『ビー・マイ・ベイビー』はそのプロデューサー、フィル・スペクターが生み出した

アレンジスタイル『Wall Of Sound(音の壁)』の代表曲でもあったのだ。

そのことは、このブログでも去年取り上げていて ( 音壁伝説 2021.02.27 )

その続編を、特に日本のミュージシャンへの影響を

書くつもりでいたのだが、つい書きそびれていた。

それで、ロニー・スペクターの追悼というわけでもないが

これを機会に記しておこうと思う。

 

門外漢が語るのもおこがましいが、

ウォール・オブ・サウンドとは、オーケストラとパーカッションを多用することで音圧を上げ

各パートが一体となった力強く、また華やかな音楽と理解している。

フィル・スペクターがプロデュースした有名なアルバムのひとつが

ビートルズの『レット・イット・ビー』であり、

ジョン・レノンやジョージ・ハリスンもその影響を受けている。

また、ビーチ・ボーイズの音楽もウォール・オブ・サウンドそのものだとも思う。

そして、日本のポップシーンにおいてもウォール・オブ・サウンドを取り入れたものは多く

山下達郎や大滝詠一の音楽にはそれが色濃く感じられる。

さらに意外にも、こんな人たちもウォール・オブ・サウンドの「チルドレン」だったようだ。

 

・加藤和彦
 
 Yuki   ドゥー・ユー・リメンバー・ミー


・佐野元春

 SOMEDAY


・鮎川 誠

 ユーメイドリーム シーナ&ロケット

 

(ウォール・オブ・サウンドは)壮大なオーケストレーションとパーカッションの多用、

オーバーダビングを駆使した独創的なサウンドと独特なエコー感覚を特徴とするもので

今まで世界中のファンを魅了してきた。

魅了するのみならず、このサウンドは、ミュージシャンを志すものなら

一度は試してみたいと思わせる媚薬のような香りも放っていたようである。

そしてチルドレンたちは思い思いに

ウォール・オブ・サウンドに身を委ね、身を焦がしてきたのであろう。

その結果が、”イミテーション”と呼ばれるサウンドしか生み出せなかったとしても...。

            抜粋:音壁JAPAN(ソニー・ミュージックエンターテインメント)

 

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謹賀新年 令和4年

2022-01-01 | 折にふれて

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

今年の年賀状は「語りかける街」をテーマに。

街が活気を取り戻し、それがまた人々の希望へと繋がりなりますように。


今年最初の選曲はシンディ・ローパー。


  Cyndi Lauper   On the Sunny Side of the Street 

朝の連ドラの挿入歌と気づく方もいらっしゃるかもしれない。

ジャズのスタンダードに彼女持ち前の元気を乗せてお届け。

 

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ブルーリバー  By空倶楽部

2021-11-09 | 折にふれて

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


三国港、エッセル堤の日没。


  三国港(福井県坂井市)2021.09.19  17:37  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/22,1/60sec,ISO640) 

 

福井県嶺北地方を横断するように流れる九頭竜川。

その大河の河口に開けるのが三国港だ。

さらに三国港を外海と隔ててているのが通称「エッセル堤」で

完成以来140年もの間、波や砂から三国港を守っている。

また、ここは人気の釣りスポットで、500メートルもの突堤を

いつもたくさんの人々が行き来している。

9月、といってもまだまだ暑かったある日の夕刻。

更新頻度が低いので、せっかくの季節を写真に織り込んでいるものの

いつも周回遅れは否めない。

それにしてもだ。

傾いた陽に向かって歩く人たちの軽装ぶりは

最近の寒さからすると度が過ぎるほど違和感がある。

...と、言い訳がましく掲載!

 


川の話題に因んで。

高校生の頃の話だが、ある音楽雑誌のレコード寸評に惹かれ買ったアルバムがある。

その寸評は音楽評論家の小倉エージさんのライナーノーツを引用したもので

こんなことが書かれてあった。

もし、あしたに大きな船に乗ってどこか遠くに出かけていく時、

たった10枚のレコードだけを持っていくことを許されるとすれば、

僕は間違いなくヴァン・ダイク・パークスの「ソングサイクル」と

ビートルズの『サージェント・ペパーズ』と、ボブ・ディランの「アナザー・サイド」

そしてエリック・アンダースンのすべてのアルバムを持っていくだろう。
                  ※「ブルーリバー」ライナーノーツより引用


稀代の名盤と並び評されてはいたものの、

当時の日本において、エリック・アンダースンは無名のミュージシャン。

半ば騙されたように買ったアルバムだったが、

それ以来、そのアルバム『ブルーリバー』を50年以上も愛聴している。

 
    Blue River    Eric Andersen

 

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Desperado

2021-09-25 | 折にふれて

彼岸花が見ごろを向かえている。

と書きだしたものの、すでにたくさんのブロガーさんがアップされていて

かなり遅れをとっている。

彼岸花は群生が特長だから、その様子を何枚か撮ったのだが

いまさら感が強く、周回遅れは否めない。

あきらめかけたところ、ふと、木々の間に遠慮がちに咲いている花を見つけた。

 


   Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (25㎜ ,f/5.6,1/125sec,ISO100) 

 

群生地からすこし離れたところ。

うっそうと木々が茂る中、

仲間たちから距離を置くように

ひっそりとその花は咲いていた。

深い緑の合間、孤独な赤に目がとまったのだが

その時ふいに、この曲の歌詞を思い出してもいた。

 
 Desperado Linda Ronstadt 

オリジナルはご存じの通りイーグルス。

ライブ映像を探したが、音質のいいものは見つからなかった。

それで、彼らの盟友リンダ・ロンシュタットの映像を貼ったのだが...。

さすがはロックの歌姫。

やさしく美しく歌い出すも、

やがては声量の豊かさ、その熱唱ぶりに圧倒される。

 

やがて50年近くも前のことになるが、

イーグルスがこの曲をリリースしたとき

邦題では「ならず者」と紹介された。

歌詞を読めばすぐにわかるが、

主人公はどの世界にもいる、生きるのが少し不器用なひと。

それを「ならず者」とはあまりにも気の毒だろう、と思っていた。

その後、多くのミュージシャンにカバーされ、

歌詞が広く知られることになったせいか

最近では原題通りの「デスペラード」で

紹介されること多くなったように思う。

友へ、部下へ、そして父から子へ。

思いやりに満ちた味わい深い内容だと思う。


『デスペラード』

デスペラード 気を取り直せよ

お前は長い間いくつもの壁を乗り越えてきた

強情なところもあるが、きっとお前なりの事情もあるのだろう

今は楽しいと思っていることも

いつかはお前を苦しめることにもなるんだ

 

ダイヤのクイーンを引こうとするんじゃない

奴は隙あらばお前を打ちのめそうとするのだから

ハートのクイーンがいつもいいカードだってことを知っているだろう

見ろよ。テーブルの上にはもう

ずいぶんといい手札が揃っているじゃないか

なのにお前はいつも手に入らないものばかりを欲しがっている

 

デスペラード 時間を取り戻すことはできないんだ

痛みや渇きを感じたなら家へ戻って来いよ

自由?、自由だからというのか。

それはどこかの誰かが言っていることで

世の中を独りで渡ろうとするなんて罪作りなことなんだ

 

冬になれば足は寒さに凍えるだろう

雪が降っているのか、陽が照っているのか

夜なのか、昼なのか

高ぶっているのか、落ち込んでいるのかさえもわからない

感情が失われていくなんておかしなことだろう

 

デスペラード 正気を取り戻すんだ

自分の世界から戻って、扉を開けるんだ

今は雨が降っているかもしれないが

やがてはお前の頭上に虹がかかるさ

誰かに愛されるんだ

誰かに愛されたほうがいい

手遅れにならないうちに

 

 

 

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Will You Love Me Tomorrow?

2021-08-22 | 折にふれて

加賀平野の夜明け。

 


  加賀平野の夜明け(石川県白山市) 2021.08.21 5:09 
     Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (70㎜  f/2.8,1/80sec,ISO125)    

 

加賀平野は日本海に沿って南北60Km、幅10Km。

文字通り、藩政時代から加賀百万石を支えてきた水田が広がる。

この日、ひと月ぶりに遠出を決め込み、早朝に家を出た。

そして、加賀平野を突き抜ける国道8号線を南下していたのだが

ちょうど遠い山並みに陽が昇り、まだ暗かった水田を照らし始めた。

ふだんなら、あまりにも日常すぎて、気にも留めない風景だが

その時、暗闇から徐々に現れる緑の光景が新鮮に思えたのだ。


さて、夜明けの光景の中でふと思いついた曲が

 
  Carole King - Will You Love Me Tomorrow? (BBC In Concert, February 10, 1971)

「明日になっても、まだ私を愛してくれているのかしら?」

可憐な女性の心を歌ったキャロル・キングの名曲でカバー曲も多く、

彼女が名盤「Tapestry(つづれおり)」でセルフカバーしたときには

すでに広く知れ渡っていた。

このビデオは1971年とあるから、アルバムリリースと同じ年。

この時は彼女は30歳。

すでにベテランだが、純真な歌詞だからだろうか、

時折、少女の面影が垣間見える。

貴重な映像だと思う。

 

 

 

 

 

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時よ止まれ、君は美しい

2021-07-24 | 折にふれて

 

「海の日」に始まる4連休、久しぶりにカメラを持ち出した。

 

                     越前岬(福井県越前町)2021.07.23 18:33  Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/7.1,1/200sec,ISO100) 

33度を超える猛暑日だったが、

夕方ともなると海から吹いてくる風はここちよく

日の入りまでの時間をやさしい景色の中で過ごすことができた。

 

 

さて、コロナ禍による緊急事態宣言の中、東京オリンピックが始まった。

国内外の関係者の思惑の違いが見え隠れし、

さらに、運営関係者の相次ぐ不祥事の発覚など

直前までごたごた続きの中での開催となった。

無観客での開催は致し方ないといえるが

間近での声援がない中、「表現者」としての選手たちの心持ちはどうなのだろう、と考えてしまう。

 

先の東京オリンピックが終わって間もない頃だったと思う。

市川崑監督による映画「東京オリンピック」が製作された。

その映画を暗幕を張った小学校の体育館で観た。

小学校低学年の時のことだから、やがて60年前。

記憶は断片的だが、その中で鮮明に覚えていることがある。

大きく映し出された選手たちの表情なのだが、「勝った」「負けた」の感情表現ではない。

勝負に臨む緊張した表情、そして、緊張から解き放たれた後の必死の形相などが

スローモーションでスクリーンいっぱいに映し出されていたのだ。

いや、実際にはスローモーションではなかったのかもしれない。

けれども、一瞬の選手たちの表情に長い時間、目を凝らした、

という記憶が心に焼き付いているのだ。

 

オリンピックの記録映画は「東京」以前から残されていて、

その後も「白い恋人たち/グルノーブルの13日」など名作も生まれている。

ところが、最近のオリンピックでは作られたという話をまったく聞かない。

オリンピックそのものが商業化されて

なにがしかの利権がそれを阻んでいるのかもしれない。

しかし、コロナ禍というかつてない状況の中での開催、

しかも、無観客だからこそ、しっかりとした記録として残してみてはどうだろう。

競技の記録ではなく、「表現者」としての選手たちの映像の記録としてである。

 

「時よ止まれ、君は美しい」

ミュンヘン・オリンピックの記録映画につけられたタイトルは

半世紀の時を経ても色褪せない。

この感動的な言葉をすべての選手に贈りたい。

 


Keiko Lee - We Will Rock You 

 

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ワクチン顛末記

2021-06-27 | 折にふれて

昨年、訪れた醒ヶ井宿で心に留めた深緑、青紅葉。

この時節らしい雰囲気を感じていただけたら幸いだ。


 醒ヶ井宿(滋賀県長浜市)  Sony α7S2  Planar 50㎜/f1.4 ZA SSM (f/2.0 , 1/60sec , ISO100) 

 

先週末、2回目のワクチン接種を終えた。

「65歳以上」の枠組みの中で早めに対処できたのは幸いだが、

ただ、私の場合、年齢のわりには強い副反応が出てしまうようだ。

それで、これから接種を受ける方にとって少しでも参考になればと

その顛末記をご紹介。

 

一回目の接種を受けたのが6月4日の金曜日。

その日、ワクチンを打った個所に多少の痛みはあったものの違和感程度だった。

副反応が出始めたのは翌朝9時ころから。

その腕が猛烈に痛くなり、軽く触っても激痛。

当然ながら手を上げることすらもできない。

熱も出始めて、お昼時点では37.5度。

平熱が36度以下なので、この程度でも私にとってはつらい。

さらに夕方には38度まで上がったので水分を多めにとって

食事を摂ることもできずに休んだ。

12時ころまでは1時間ごとに目が覚める。

熱に浮かされるというのはこのことかと思ったりもして

心細くもなりかけたが、その後、急速に熱が下がったようでぐっと寝入ることができた。

そして、翌朝。

5時に目が覚めた時にはすっかり回復し、腕の痛みも和らいでいた。

 

それで6月25日、二回目のワクチン接種のこと。

一回目で38度の熱が出たことを医師に訴えたのだが

「珍しいですね。私がこれまで打った中で初めて聞きました。」とあっさり。

また「抗体がしっかりできている証拠です。」とまともに取り合ってもくれない。

「初めて聞いた...」と言いつつも

この程度の副反応は予想しているようだ。

そして、一般的には二回目の方が副反応が強く出ると言われているが...。

副反応の症状、現れるタイミングはまったく同じ。

いや、現時点でも微熱があるので、やはり強く現れているのかもしれない。

けれども今回はさほどつらくはなかった。

打つ前から解熱剤や冷感シップなど準備し、

適宜、処方したからで、腕に激痛は走らなかったし、熱も37.5度止まりだった。

厚生労働省のホームページにワクチン接種に関する「Q&A」のコーナーがあって

そこには副反応のことも細かく書かれている。

市販の薬でも緩和でき、その成分も明示されている。

そもそも、副反応は病気ではないので主治医以外の病院では

薬の処方をしないことが一般的らしい。

なので、副反応が心配な方はぜひそのコーナーをご参考いただきたい。

 

さて、微熱による多少の気だるさの中、この記事を書き出し

そして、youtubeで今の気分にあった音楽を探してみた。


 PETER, PAUL AND MARY ALIVE  "500 Miles" 

ピーター・ポール&マリーの「500マイル」で

このブログでも何度か取り上げているが

今回はライブ映像だ。

彼らの様子からするとかなりの晩年。

マリー・トラバースはすでに亡くなっているので

貴重なライブ映像だと思う。

語りかけるようなマリーの歌声、

そして、その歌声を控えめながら、しっかりと支える

ピーターとポールのコーラス。

心洗われる気がした

 

 

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