「9」のつく日は空倶楽部の日。
2019年12月15日 滋賀県余呉湖、夜明け前。
前日の雨もすっかり上がり、快晴の予報。
気温5℃、絶好のコンディション。
朝霧の中から現れる余呉湖、
そして、静まり返った湖面に夜明けの空が映り込む。
そんな風景を期待したのだが...
Sony α7R3 FE2.8 16-35 GM (20mm ,f/16,1/50sec,ISO800)
「風か...。」
時折、湖岸の芒が大きく揺れ、湖面も波立っている。
週間予報でこの朝の天候を何度も確認し、
機材はもちろん防寒準備など用意周到でやってきたのだが...
余呉湖が霧に包まれることも、鏡のように周囲の風景を映し込むこともなかった。
唯一の収穫といえば、一瞬ほんのりと染まった空。
期待が大きかっただけに、その時の落胆も相当なものだった。
けれども、日ごろから撮影技術をアドバイスいただいているDさんの
こんな言葉で心が救われた。
「(現地についてみて)一気に心がしぼむことも多いですが、
行かなければ、今朝の情景は見れなかったと思うようにして
次回のための種子を探します。」
確かに、あの朝焼けが一瞬のものだったことを思うと
大きな感動ではなかったにしろ、
あの日、あの時間、あの場所に立ったからこそ
見ることができた風景と言える。
そう考えると、思い通りでなかった風景であっても
それはそれで長く心に残るかもしれない、と思えてもきたのだ。
さらに、撮影場所を絞り込んで得られる経験値も
Dさんのいう「種子」のひとつかもしれないな、とも思ったりもしたのだった。