師走のある日、
羽田空港展望デッキで眺めたなにげない光景。
RICOH GR DIGITAL3 ( f4.0 10sec)
午後6時の便の搭乗前だったはずだから
5時前後の頃かと思う。
黄昏時とはいうものの、
東京の日の入り4時半を過ぎていて、
あたりはすでに薄暗い。
その展望デッキに立つ人影。
仕事帰りのサラリーマン、恋人たち、学生、子供の手をとる母親、
そして、カメラマン...など。
それぞれの生活のある瞬間にここに立ち、
それぞれの思いで飛び立つ飛行機を見つめる。
さらに、それぞれがひとつの光景の中に納まっている。
そう思っただけで、目の前で、
まるで群像劇が繰り広げられているように
興味深く見入ってしまったのだ。
さらに思ったことがある。
「それぞれが立つあの間合いはなんだろう?」
なんとなく一定の「間」を取っているように見え、
その「間」には何か理由があるように感じたからだ。
そしてその時、ふと、ある言葉を思い出していた。
ダレソ、カレ・・・誰ですか、あなたは...?
江戸時代、人の区別がつかない夕暮れ時を指す言葉として使われたそうで
転じて「たそがれ」。
デッキに立ち、飛行機を眺めながら、
自分だけの世界に入り込んでいる人たち。
あの「間」はそれぞれの人たちがお互いにジャマされない、
つまりは「ダレソ、カレ?」の距離感たったのかな、と
思ったりしたのだった。