折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

CIRCUS

2021-07-10 | 折にふれて

先月の話になるが

21世紀美術館で開催された「北陸二科展」へ行ってきた。

そこに展示された家内の絵を見に行ったのだ。

「CIRCUS」というタイトルの三枚の絵だが

飾られたとはいえ、これはまだ、

秋に東京で開催される「二科展」に向けた研究展示でしかない。

けれども、絵を描き始めてやがて5年。

そのひとつの成果だと考えるなら、喜ばしいことだ。

 

 

         

 

そのことはともかく。

日本でサーカスといえばすぐに頭に浮かぶのが『木下サーカス』。

今でもあるのかな、と思い、検索してみたところ、

立派なホームページが出てきた。

創立以来、120年もの歴史を重ねているそうだから、堂々たる長寿企業(?)。

今も全国あちこちを回り、現在は大阪で公演をしているらしい。なによりだ。

さて、自分にとってサーカスの記憶となると、それはもうはるか昔。

おそらくは小学校にも上がっていなかったころだと思う。

鉄道の線路わきの空き地に建てられた大きなテント。

そのサーカス小屋へ親に手を引かれ出かけたことを

おそらくは60年近くも前のことだが、今でも覚えている。

薄暗がりのテントの中で見た光景。

サーカスの出しものといえば、空中ブランコなどアクロバットが思い浮かぶが、

幼かった自分にとって、それらの記憶はあいまいで

それよりも、馬や象、ライオンなど

大型の動物がたくさんいたことが、鮮明な記憶として残っている。

今でこそ地方にも動物園はあるが

その頃は犬や猫以外の動物を見る機会などめったになく

大きな動物たちを間近にしたことが強い印象として残ったのだろう。

しかも、その動物たちがサーカス団員と親密に触れ合う姿を物珍しく見ていた。

実はきびしい躾の結果なのだが、子供心にそんなことがわかるはずもなく

ただ、動物たちのしぐさを微笑ましく眺めていたのだと思う。

そんな記憶を辿りながら、家内の絵を眺めていたのだが、

家内が何を思ってサーカスをテーマに選んだのか、は聞いていない。

もしかしたら、家内も、あの線路わきのサーカスに出かけていて

その記憶を手繰っているのかもしれない、と思ったりもした。

次の作品の構想に入ったようだが、やはり、テーマはサーカス。

そして、なにげなくデッサンを覗き込むと

どうもそこに、象を登場させるようだ。

もし、家内の記憶も幼いころのサーカスに繋がっているとすれば、

あの動物たちがどんなふうに描かれるのか、

楽しみでもある。


折にふれての選曲。

サーカスのことを書いていて、思い浮かんだのが『Little  Wing 』

洋楽通の方なら、かつて、エリック・クラプトンが率いたロックバンド

デレク&ドミノスの楽曲を思い浮かべると思う。

オリジナルはロックギタリストのジミ・ヘンドリックス。

彼は薬物中毒で早世しているので、

シュールな歌詞を眺めると、「幻覚症状...?」などと思ったりもするが

ここは、懐かしい思い出、さらには誰か愛するひとへの思いと素直に受けとめたい。

そして、選んだのはこの曲の美しさをもっとも引き出している(あくまでも主観だが)

スティングのカバーとした。

 
    Little Wing -  Sting 

     Well she’s walking through the clouds                 彼女は、駆け回るサーカス団員のような心持ちで
     With a circus mind that’s running round     雲の間を歩いていく
     Butterflies and zebras                 蝶々にシマウマ
     And moonbeams and fairy tales           そして、月の光やおとぎ話
     That’s all she ever thinks about            それが彼女が考えるすべてのこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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8 Comments

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はな☆さん (juraku-5th)
2021-07-16 06:42:36
サーカス。
私も幼い頃の思い出しかありません。
薄暗い中、動物たちの匂いでしょうか
入った瞬間、奇妙な雰囲気だったことを
うっすらと覚えています。

家内の絵。
まだまだ初心者。
近くで見ると、先生方の筆使いとの差が歴然。
大成まではあと10年はかかりそうです。
生きていれば...ですが(笑)
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Unknown (はな☆)
2021-07-15 22:27:58
こんばんは。
奥様の作品なんですね!!
サーカスって、見に行ったことないんですけど、
怪しげというか、異世界なイメージが伝わってきますね。
絵を書くのは苦手ですが、見るのは好きなので、
実物を見てみたいですね~すごい、迫力がありそうです!!
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Unknown (juraku-5th)
2021-07-13 21:17:47
>jurakuさんが奥様の最初ファンですね。
いいえ。最初のファンは孫たちだったようです。
展示会場に入ってすぐ家内の絵に駆けていったそうですから。
昔から、絵を描いてはいましたが
本格的に習うのはこれが初めて。
おかげで家中に絵具のにおいが充満しています。
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Unknown (hitsujigumo3942)
2021-07-13 00:07:17
こんばんは!
12時を過ぎてしまいました。すみません。
奥様‥絵を描かれるのでしたね。
大作ですね。絵を描けるって羨ましいです。
jurakuさんが奥様の最初ファンですね。
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笑子さん (juraku-5th)
2021-07-11 12:23:22
色合い!
絵の具をケチらずふんだんに塗ることが大事なんだそうです。
特に「S」の字は何度も塗り重ねたとか。
お手本は「赤ウィンナー」で
お手本後、何本も食べさせられました(笑)

俳句の季語は奥深いですね。
私も時々、歳時記を眺めますが
それだけでもひとつの文学だと
思っています。
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hirorinさん (juraku-5th)
2021-07-11 12:18:12
家内、昔から絵心はあったようですが
リタイアを前に絵画教室へ通い始めました。
話を聞いていると
その先生、ご夫婦で画家ですが
なかなか厳しいけど
アドバイスが的確なようです。
一昨年、その教室から二科賞をとる猛者も出ています。
秋の二科展へ進めるといいですけど。
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Unknown (笑子)
2021-07-10 20:39:48
こんばんは(*'ω'*)

奥様の作品☆彡素敵ですね
色遣いが鮮やかでいて
サーカスのに賑やかさと
子供心にも感じた不思議な世界観の両方を感じることができました

木下サーカスといえば、各地を回るときに
その搬送を担うこともありますよ
トラックの配車に「ライオン担当」とか(;^_^A
猛獣手当とかも付けますよ(笑)

ところで
今日の私のブログで間違いがありました
羊草ではなくて正しくは「未草」でした
訂正いれました、すみません(;^_^A
本当は 睡蓮と未草はちょっと違うらしいですが
季語では同じように書いてあります
自分も志賀高原の沼で未草の撮影をしたことがありますが
改めて俳句の季語の使い方の難しさを感じました
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すごい (hirorin)
2021-07-10 19:59:39
奥様、絵をされるんですね。
ステキ~
油絵ですよね。始めて5年でこんなに~
すごいです。
配色がとてもきれいですね。
鮮やかでいて落ち着いていて~
芸術家のご夫婦なんだ~
いいな、いいな!
私なんて油絵、中学生の時に3年習っていたのですが、自分には才能ないと諦めました。
21世紀美術館、こないだもTVでやってました。
私は一度行っただけですが、展示物も面白いものもあるし楽しめますよね。

サーカス、子供の時に2回ほど木下大サーカス行ったことあります。
場所は覚えてないけど、大阪か神戸だったと思います。
空中ブランコにわくわくして、怖かったです。
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