折にふれて

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水仙に「恋焦がれて」  2017越前海岸

2017-01-21 | 越前 若狭

ここ越前海岸は、房総半島、淡路島と並ぶ水仙三大群生地のひとつ。

この時期、越前海岸へ出かけることが年中行事となって10年ほど経つだろうか。

水仙の開花は気候の影響を受けることはなはだしく、

見ごろを迎える時期は早いときで年末、遅ければ3月に入ってからと、そのふり幅は大きい。

したがって、せっかく出かけたにもかかわらず、

見ごろを大きく外したことはまだしも、一本すら咲いていなかったという苦い経験もある。

それなら、今年の開花状況は...?!

標準とされる開花時期がいつかは知らないが、

毎年1月半ばに、地元の越前町などで「水仙まつり」が催されることを思うと、「平年並み」ということかもしれない。

残念な過去の経験を思うと、よく調べもせず出かけたわりには上々ということだろう。

 

ところで、スイセンの学名はナルキッソスという。

ナルシストの語源ともなっているが、その謂れとなったギリシア神話に登場する美青年の名前だ。

 

世にも美しい若者ナルキッソスを一目見た娘たちはみんなたちまち彼に恋焦がれ、

中でも森のニンフ(妖精)エコーは彼を深く愛してしまう。

ところが、ナルキッソスがエコーを冷たく無視することから、

彼女は実らぬ恋にやせ細り、ついには声だけの存在となってしまう。

このように人の愛情に見向きもしないナルキッソスは、やがて復讐の女神ネメシスの怒りにふれ、自分自身に恋焦がれる罰を与えられる。

ある日、泉に出かけたナルキッソスは、水面に映る自分自身に恋焦がれ、その場を離れることができなくなり、

ついにはやせ細って死んでしまう。

 

そのナルキッソスのように、北西の強い風に煽られながらも、海を覗き込むように群生する水仙。

ここにはなんとたくさんのナルシストがいることか。


土曜の朝、この記事を書いているときに、ラジオからふと流れてきたここちよい曲。

どこかなつかしくもあり、調べてみるとシルヴァという名のブラジルを代表するミュージシャンだという。

今やブラジルを代表するシルヴァ、さらにその音楽性は、80年代回帰の世界的潮流と歩を合わせるシンセ・ポップ・サウンドとある。

なるほどバブル期か。なつかしく感じるはずだ。 

Silva - Ainda Lembro (Álbum Silva canta Marisa)

 


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10 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (bara)
2017-01-21 15:45:55
わぁ~一面の水仙、綺麗ですね~、
ベストタイミングですね。

この話を知って、水仙への見方が少し変わったものです。
ナルシスト、花言葉は自己愛、うぬぼれ・・
人に差し上げるのは躊躇してしまいます。

でも、大好きなお花です。これだけ咲いていると香りが凄いでしょうね~。甘いいい香りを感じます。

控え目な香り・・やはりナルシストなんでしょうか。

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もうこんなに (hirorin)
2017-01-21 20:49:34
水仙が咲いているんですね。
きれい~寒い冬とは思えない、えっ春?とか思ってしまいました。

ナルシスト・・・
しかし、実らぬ恋にやせ細り声だけになってしまうとは・・・
私、恋?でダメでもやせ細ららないんです。
かえって、ストレスですっごい食べてぶくぶくに~
いっぺん、そんな経験してみたいわあ。

今日も寒いですね。
昨日は、夕方からうちの市に暴風雪警報出て急遽教室は休校となり、電話連絡やらして夜中はすごい風の音で寝られなかったです。
そちらは大丈夫でしたか?
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Unknown (かず某)
2017-01-21 22:19:54
こんばんは〜
素晴らしい!!!!
海沿いに咲いているんですね〜
綺麗だなぁ〜。
完璧なタイミングだったのでは?羨ましいです!
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baraさん (juraku-5th)
2017-01-23 21:00:53
こんばんは。

ナルシストの語源と聞くと意外な感じもしますが、
日本海から吹きつける風に負けずと咲く姿は
可憐ながら凛としています。
福井で育った俵万智さんもこう詠んでいます。
 海鳴りに耳を澄ましているような水仙の花ひらくふるさと

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hirorinさん (juraku-5th)
2017-01-23 21:04:16
こんばんは。

なんとなく春めいて見えますが、
水仙が咲く時期は真冬です。
強い風にあおられた雪が顔にあたって寒いやら痛いやら...
それでも、越前海岸の水仙は一見の価値がありますよ。

それにしても、滋賀県は大雪ですね。
大丈夫ですか。お気を付けください。
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かず某さん (juraku-5th)
2017-01-23 21:07:42
こんばんは。

タイミング的にはちょうど見ごろでしたね。

ただ、ほんとは青空を背景に撮りたいのですが、
なかなか叶いません。

思うようにならない写真。
でも、それだから続けられるのかもしれませんね。

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Unknown (lunaya)
2017-01-24 08:17:55
juraku-5th さま

見事に咲き揃ってベストタイミングでしたね!
日本海をバックにした1枚目が特に好きです。

ナルシストの語源になったお花であることはもとより、
それが美少女(美女)ではなく美青年であったことにも
びっくりです!お花にはどうしても女性のイメージを
彷彿しがちですから。

個人的にはこのお花には青空より薄曇りの方が
似合うような気がします。
やはり耐えて凛と咲くヤマトナデシコ(?)のイメージが
離れません…。(苦笑)
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lunayaさん (juraku-5th)
2017-01-24 17:28:16
こんにちは。

日本有数の群生地はどこも海岸沿いのようで、
これが水仙が育つ環境なのでしょうね。
そんな海を覗き込むように咲く水仙の姿にナルキッソスを投影したのだと思います。
baraさんへのコメントに俵万智さんの歌を引用しましたが、
強風に堪える凛とした姿とその内なるたおやかさ。
私もヤマトナデシコのイメージかな。
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ナルシスト (カエチャン)
2017-01-29 11:10:48
まぁ~満開の水仙
きっと強烈な香りがしていたのでは?
何年か前にこちらを通り山代温泉へ行きました
3月だったのですでに終了していましたが
うなだれる姿も美しかったです^^

ナルシストはここから来ていたのですね!
初めて聞きました
これから水仙の見方が少し微妙になってしまうかもです
ありがとうございます
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カエチャンさん (juraku_5th)
2017-01-31 07:22:20
コメントありがとうございます。
水仙の開花時期は微妙ですから、
私のように近くにいても見逃してしまうことがよくあります。
海に向いた斜面一面に群生する姿は一件の価値があります。
ぜひ、ベストの時期にお越しください。
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