北陸の梅雨が明けた日、ある港町で出会った光景のこと。
全天を覆う雨雲が次第に切れて、それが晴れ間に移りゆく空の表情はダイナミックでおもしろい。
そして、ましてやそれが夕刻ともなると、さらに印象深いものとなる。
そんな、梅雨が明けた日の空と入り日を期待して、港に出かけたわけだったが...。
天候の回復が予報よりも遅れたらしい。
西の空一面にはぶ厚い雲がどっかと残って 、日の光を阻んでいた。
日の入りの時間までは20分足らず、
「これでは無理だな」とあきらめて立ち去ろうとした瞬間。
わずかに開いた雲の切れ間から強烈な光が射してきて、
それまで暗かった港の街並みを照らしはじめていた。
Sony α99 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (f/6.3,1/160sec,ISO100)
光がやってくる方向が白トビしていて、写真的にはほめられたものではないと思う。
しかし、光の明暗が作りだす空と海の青いグラデーションの中に
突如、暗がりの中から白昼夢のように浮かび上がった港の街並み。
その意外な光景が、強い印象とともに、その日眺めた港でもっとも魅力的なものに思えたのだ。
平成最後の夏がもたらした未曾有の豪雨災害。
あまりにも痛ましくて、このことについて言葉を発することもできない。
せめて、この曲で...
Marvin Gaye - Mercy Mercy Me (The Ecology)
※コメント欄閉じています。