9月17日の記事に続き、橋立のこと。
というか、北前船のこと。
重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定、北前船主の屋敷跡がのこる街並み。
かつて橋立には30人を超える船主がいて、
北前船がもたらす財により大いに栄え、
その豪奢な様子から、日本一の富豪村と呼ばれたという。
江戸時代後期から明治初年にかけて隆盛を誇った北前船交易。
橋立に住む船乗りたちは春を待って徒歩で大阪に向かい、
係留してあるそれぞれの持ち船に乗り込む。
大阪を出港した北前船は、瀬戸内海を航行、下関から日本海へ出て、
山陰から北陸、東北と北上して北海道へ。
そして、逆のルートをたどり晩秋には大阪に戻って来る。
その間、点在する寄港地で積荷を仕入れ、または売りさばき、各地の特産物を交流させていた。
彼らの積み荷はそれぞれの地域には無いもの、または珍しいものだったから高値で売れる。
一度の航海あたり、1艘の北前船が稼ぐ水揚げは現在価値で約1億円。
何艘もの北前船を持つ船主たちは莫大な財を築いていった。
しかし、明治の中ごろになり、鉄道網が整備されるとともに、陸上輸送が発達、
さらに電信網による商品情報の交換が頻繁になることで北前船の交易は次第に衰退していったのだという。
午後、漁の合間の静かな橋立港。
そんな北前船栄華の記憶も今となっては遠い昔のこと。
なんとなくの一曲はロッド・スチュアート、しみじみと...。
Rod Stewart - When I Need You
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます