主人公は架空の人物、
梁文秀と春児。
日本でいうと明治の始め、
末期の清朝が舞台。
梁文秀は高級官僚に、
春児(春雲)は
宦官となって西太后の側近へと、
この二人がそれぞれ、
トップにまで登り詰めて行く。
革命派と保守派という
お互いが反目する立場に位置しながらも
崩壊寸前の清朝を今一度
なんとか修復しようと心を砕く。
人名が覚えにくく
最初は分からないままに読んでいて
理解するまで時間がかかりました。
でも日本人が書いたものだから
なんとかなるだろうと…。
主要登場人物について書かれた
栞(しおり)が本の付属としてあったので、
そこに書かれている人物説明を、
度々見たりしながら読み進めました。
その内、名前にも慣れてきました。
そうすると面白くて、
夢中になってくるのです。
宦官、科挙というものの存在
はじめてその内容を,
知ることができました。
中国から日本は色々なものを
受け入れましたが、この制度は
吸収しなかったのですね。
時代はアヘン戦争から日清戦争…。
李鴻章から袁世凱、孫文、毛沢東。
激動の歴史の流れを、
描写した壮大な作品。
登場人物も実在人物、
物語上の架空の人物が入り乱れ、
それぞれがとても魅力的。
王逸と梁文秀と順桂、
義兄弟の契りを交わした
心に志を抱く青年達の動向。
特に、春児の心の清らかさ、
生きて行く上での精神の強靱さは、
この混濁した世界にあって、
まるで天使のようです。
第4巻は特に文秀と春児の、
義弟、義兄としての絆、
春児の妹、玲玲の生き様に涙ウルウル。
これだけの歴史小説を書き上げた
浅田次郎さんって、
すごいと感じました。
NHK衛星ハイビジョンでも放映されています。
今第12話、25話まであるみたい。
テレビの展開も楽しみです。
西太后役は田中裕子、
中国語ばかりの出演者の中で
独り日本語を話している感じ、
でもその声は消され
ドラマも中の声は吹き替えのように、
感じるのですが・・・
なんか変な感じです。
心優しい春児を演じている俳優、
ぴったりの感じ。 宦官であっても、
清廉でとても可愛いです。
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