はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

夢実現

2006-01-14 11:02:50 | はがき随筆
1月14日
 論文、川柳に入賞し東京の表彰式に呼ばれ、師に会おう。雲をつかむような壮大な計画を立てる。以来15年間、投稿するも実力を思い知らされる結果続きだった。東京の剣道の師も73歳となった。完全に夢をあきらめた矢先、関東学院大の公募のエッセイコンテスト入賞の一報が入った。主催者によると、優秀作品に準ずる賞を新聞社が増設し、私が入賞した。大学と粋な新聞社が架けた、私の夢を乗せて旅客機が飛び立つ。羽田空港で抱き合って、27年ぶりの涙の再会。金沢八景のキャンパスでの「毎日新聞社賞」の表彰式も、一生の思い出になりそう。
   出水市緑町 道田 道範(56)

五十肩

2006-01-14 00:00:00 | はがき随筆
1月13日
左の肩から肘にかけてだるく重い。痛みが波状的に走る。我慢しきれず整形外科で診てもらった。
 「加齢のせいですね。俗に言う五十肩ですよ。しばらく通ってもらって電気治療とリハビリをしましょう。痛み止めも出しておきます」。こともなげに言われる。喜寿も近いのに五十肩? と思いながらも、骨格はまだ50代だとほくそ笑む。
 しかし、意地の悪い痛みが、どうにも止まらない。
 優しい女神が現れて、「痛いの痛いの飛んで行け」と、この痛みを雲の果てまで飛ばしてもらいたいものだ。
   鹿児島市伊敷 福元 啓刀(76)