はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ふるさと

2006-01-15 16:35:18 | はがき随筆
1月15日
 神戸は私にとっては懐かしいふるさとである。目を閉じれば、戦時下の世相が断片的に走馬灯の如く脳裏を巡る。六甲の連山、那賀川の清流、生一本で知られた灘五郷の清酒倉庫等々、数え上げれば枚挙にいとまがない。先の大戦と大地震によって壊滅的な被害を被ったが、復興振りも目覚ましく戦前をはるかにしのぐ。屈指の国際観光都市として見事によみがえった。そのふるさとを過日訪問した。建造物の変ぼうぶりには、目を見張ったが、山並みや清い川の流れは、昔日のイメージを留めていてくれた。その事が何よりも嬉しく、私の心は十分満足した。
   霧島市隼人町松永 有尾 茂美(76)