神戸六甲の中腹に建つマンションのエレベーターホール。ランドセルをカタカタと男の子が走り込んできた。「僕何年生」と尋ねると「3年生です」「学校はどちら」「付属です」などと話している間にエレベータが降りてきた。さりげなくドアに手を添えて「どうぞ」と言う。ありがとうと言いつつ「6階をお願い」「僕7階です」と答えながらボタンを押す。6階に着くとドアをしっかり押さえて「どうぞ」。両手に荷物の私はありがとうと肩越しに礼を言いながら降りた。なんと爽やかなこの温もり。眼前に一際鮮やかな紅葉の群れが照り映えていた。
南さつま市 寺園マツエ(84) 2006/12/28 掲載
南さつま市 寺園マツエ(84) 2006/12/28 掲載