長い竹のはしで私は骨をつぼに入れた。89歳で老衰で亡くなったおばあさんの骨だ。おばあさんと私は縁もゆかりもない。葬式の写真が初対面であった。
おばあさんとは、友人の妻の母である。14年前に福岡から娘の住む鹿児島へ越してきた。葬式は参列者も少なく、血縁者も3人だけというこぢんまりしたものだった。私と仲間が夫人に頼まれ、火葬場まで同行したのには、そういう事情があった。
それにしても、おばあさんにも親友や交流の深かった人などいたろうに。よりによって私に骨を拾われるとは、人生最後のハプニングだったに違いない。
伊佐市 山室恒人(62) 009/2912 毎日新聞鹿児島版掲載
おばあさんとは、友人の妻の母である。14年前に福岡から娘の住む鹿児島へ越してきた。葬式は参列者も少なく、血縁者も3人だけというこぢんまりしたものだった。私と仲間が夫人に頼まれ、火葬場まで同行したのには、そういう事情があった。
それにしても、おばあさんにも親友や交流の深かった人などいたろうに。よりによって私に骨を拾われるとは、人生最後のハプニングだったに違いない。
伊佐市 山室恒人(62) 009/2912 毎日新聞鹿児島版掲載