朝起きてカーテンを開けると小鳥が縁側でうずくまっている。目をつむり、身体を膨らませ、じっとしている。
カメラを引っ張り出し、ガラス戸越しにパチリ。気がついていないようなので外に出て遠くから撮る。少し近づく。まだ目をつむっている。正面に回ってみる。そこでパチリ。そのシャーッター音で目を覚ましてしまった。私と目が合った。次の瞬間、目の前のマツリカに飛び移り、私を一瞥して飛び去った。
目の前で安心しきって眠っている姿を見たのは初めて。なんだかメジロと友達になれたような気分になった。
西之表市 武田静瞭(72) 2009/2/26 毎日新聞鹿児島版掲載
写真は武田静瞭さん提供