はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

青いトマト

2009-10-09 22:17:54 | アカショウビンのつぶやき
 去年もこうだった。
 こぼれ種から芽を出した、二毛作? のミニトマトが今頃鈴なり。
 しかし台風が過ぎて一気に秋の気配が深まってきた。熟れずに、このまま落ちちゃうかも…。
 
 今朝の最低気温は18度だった。昨日まで元気だった葉っぱが一晩で弱っている。ダメもとと半分あきらめながら、プランターにビニール袋をかぶせてやった。

 でも、ちょっと遅かったかなあ…。

秋半ば

2009-10-09 22:00:49 | 岩国エッセイサロンより
2009年10月 9日 (金)
「秋半ば」

岩国市  岩国エッセイサロン会員   山下 治子

 遅めにまいた朝顔は「残り物に福」。モクセイの芳香が漂い始めたのに、今朝もまた咲いてくれた。家の中から窓越しに空を映して眺めると、花びらは小さくなっているが、薄紫色と白と青の輪をにじませた朝顔には、小町娘がほほえむようなときめきがある。

 エコブームにつられて姶めたグリーンカーテンは、茎のほうが既に赤茶けている。三つ、四つ……と花がつけば片づけるのがしのびなく、その健気さがいとしい。

 いつまで咲いてくれるかなと思いながら、お疲れ様、ありがとうとお礼の液肥をジョウロの水に加えた。秋の風が葉をゆする。
    (2009.10.09 毎日新聞「はがき随筆」掲載)




逆切れ

2009-10-09 21:58:29 | 岩国エッセイサロンより
2009年10月 5日 (月)
「逆切れ」

  岩国市  岩国エッセイサロン会員   沖 義照

 15年間使った冷蔵庫で氷が全くできなくなった。電気店に診てもらうと、ポンプが壊れていると言われて取り替えた。その後は氷ができ始めて一件落着。

 1週間後、今度は氷ができないばかりか庫内が全く冷えなくなった。心臓部である圧縮機のダウンだ。もう買い換えるしかない。「どうせ壊れるのなら壊れる順番が逆だろう!」。

 ポンプの取り換えに定額給付金分くらいをすでに支払った。ただの箱となった冷蔵庫に向かって素直に「お疲れさん」とは言えず、ドアを何度も開けては新品のポンプを恨めしげに眺めている。
  (2009.10.05 毎日新聞「はがき随筆」掲載)


新型インフル

2009-10-09 21:25:28 | はがき随筆
 新型インフルエンザが猛威をふるっている。
 首都圏に住む小6の孫娘の体の中に、病原体が侵入したらしい。かかりつけの病院で検査したら陰性だという。明くる朝、機嫌もよく体温も平熱である。小4の妹をはじめ家族4人とも全く異常ない。
 感染しても、常日ごろ元気で持病もなければ病原体ははびこれず、病気の症状が現れないことがわかった。
 人込みの中でのマスク使用やうがい、手洗いを励行して、事前に侵入を防ぐことが、より大切なことは言うまでもない。
  出水市 田頭行堂(77) 2009/10/9 毎日新聞鹿児島版掲載

おんな大学

2009-10-09 21:23:22 | はがき随筆
 さあお嬢さん、四角い色紙とハサミを皆に配ってください。その色紙の四つの角を切り取って正八角形を作りましょう。ではもう一度角を切って正十六角形にしましょう。さて、その出来上がった丸い色紙をあなたたちの「心」だと思ってください。自分から進んで角を落としていけば、皆きれいな丸い色紙になるのですよ。隣同士合わせてごらんなさい。ピッタリ気持ちが合うでしょう。少しゆがんでいれば自分で直しましょう。
 では今日はこれでおしまい。
 夏目漱石著「虞美人草」(1907)中のおんな大学とは、こんなものだったでしょうか。
  鹿児島市 高野幸祐(76) 2009/10/8 毎日新聞鹿児島版掲載